「今、観てほしい」アーティストが集結!『MUSIC MONSTERS -2020 winter-』 2/23(日・祝)@渋谷 総括レポート!

ライブレポート | 2020.03.26 18:00

「DISK GARAGE MUSIC MONSTERS -2020 winter-」 2020年2月23日(日・祝) TSUTAYA O-EAST・O-WEST・O-Crest・O-nest・duo MUSIC EXCHANGE

DISK GARAGEが「今、観てほしい」と思う、今後の音楽シーンを牽引するであろうアーティストを集結させた都市型音楽フェス・MUSIC MONSTERS。2012年からスタートし、今回の「DISK GARAGE MUSIC MONSTERS -2020 winter-」は2019年2月の冬から約1年ぶり、15回目の開催となった。
今回のラインナップの多くのアーティストは新進気鋭の若手ギターロックバンド。多様性に富んだこのジャンルのなかでも、20年代の幕開けならではの新感覚やテン年代の系譜を味わえる、時代の分岐点を目の当たりにする1日とも言い換えられるのではないだろうか。現地は日本のロックを愛する早耳の若者たちで溢れていた。
このレポートでは、計30組の出演アーティストのうちほぼフル尺で観ることに成功した10組の模様をお届けする。

バンドごっこ

光る5弦ベースを抱えた狐面に和装の“半妖”ベーシストを擁する大阪在住の3ピースがduoのトップバッター。のっけからテクニカルなプレイと凄まじい音圧、ド派手なサウンドスケープでフロアを圧倒する。大阪人特有の軽快なトークや、「歌う門には福来たる」での観客が振り付けで楽しめる参加型要素など、エンターテインメント性の高いステージを展開。繊細で感傷的なコードワークに乗せて、弱さも強さも苛立ちも切なさもユニークさも、すべての感情をキャッチーに昇華する様子は、天邪鬼的でもあり人懐っこくもありと、まさにバンド名の如しだ。35分間、嵐を巻き起こすようにパワフルかつカラフルに魅せ続けた。

Photo by 富田一也

Photo by 富田一也

Photo by 富田一也

Photo by 富田一也

-SET LIST-
1. 未練リフレイン
2. ポセイドン号
3. 仮面
4. 歌う門には福来たる
5. おにさんこちら
6. 1/300000000
7. 記憶星

UMEILO

会場最大キャパのO-EASTのトップバッターには、EggsやYouTubeをきっかけに話題を集めている札幌在住4ピースバンドが登場。多数の若者がイベントの最大キャパのフロアを埋めていく様子からも、バンドの注目度と期待度の高さが窺える。4人それぞれが自分自身のパートにプライドを持って音を鳴らし、女性目線で綴られた「ダーリン」はエネルギッシュな音と繊細な歌のコントラストが若者ならではの危うさを生々しく表していた。バンドとともに育ってきた代表曲「高空」は感情を振り絞るように演奏に徹し、その音と歌に感化された観客たちが想いを返すように拳を掲げていく。若き才能のさらなる飛躍を予感させるステージだった。

Photo by 大城幸平

Photo by 大城幸平

Photo by 大城幸平

Photo by 大城幸平

Photo by 大城幸平

-SET LIST-
1. Last Song
2. ダーリン
3. 逆襲
4. 春火鉢
5. 夢路を終えて
6. 霜月において
7. 高空

Bamboo

2017年に全国高校軽音楽コンテストのグランプリに輝いた東京都出身、1999年度生まれの紅一点バンド。ポップパンク/ポップロックサウンドに乗る、キュートで張りのある女性ボーカルは、強いメッセージと決意表明をまっすぐ解き放つ。ポジティブで素直なパワーがたちまちフロアを掌握していった。ちなみ(Vo/Gt)が「初めて書いたラブソング」と前置きして披露された「月光」は、太いグルーヴのあるギターロックが歌詞の世界を鮮やかに逞しく描き出す。そこから「いちばんポップでキュートな曲やります!」と告げ、間髪入れずにラストの「ウタウタイ」へ。最後まで晴れやかな広い空を描くようなスケール感で絶えず魅了し続けた。

Photo by 東美樹

Photo by 東美樹

Photo by 東美樹

Photo by 東美樹

-SET LIST-
1. なくな、少年
2. chocolate
3. mirror
4. 月光
5. ウタウタイ

SHIFT_CONTROL

「No Big Deal Records Audition 2019」グランプリに輝いた岐阜発4ピースバンドがO-WESTでMUSIC MONSTERS初参加。1曲目「かまうな」で勢いよく快調な滑り出す。刻み付けるように放たれるオルタナ×パンク、硬派でありながらユーモアを感じさせる小気味よいアプローチ、アグレッシブかつ清涼感のあるサウンドスケープと、一筋縄でいかないギミックが心地よいアクセントを作り出す。プレイヤーそれぞれが自分の持ち味を生かしながら、ひとつのバンドという生命体をドライブしていく様子は非常にヘルシーであり誠実だ。ラストの「IntheDebris」は高揚が生み出す躍動感が眩しく、一連の滑らかでダイナミックなライブ運びにもバンドの美意識が見えた。

Photo by KONDOH MIDORI

Photo by KONDOH MIDORI

Photo by KONDOH MIDORI

Photo by KONDOH MIDORI

Photo by KONDOH MIDORI

-SET LIST-
1. かまうな
2. ヒューマノイド
3. 不可解な景色
4. ペトリコール
5. レイトショー
6. Override
7. IntheDebris

Ghost like girlfriend

O-EASTの広いステージに本人ひとりと機材のみという、見た目的にも非常にクールなステージ。要所要所でシンセ、ラップトップ、ドラムパッド、シンバルを用いて同期音とともにパフォーマンスしていく。PCトラブルも観客とのコミュニケーションの種にしたり、スマートかつエモーション溢れるハンドマイクでのしなやかなアクションなど、等身大でありながらも華のある佇まい、アーバンでソウルフルなサウンド、高音を巧みに用いたメロディに、フロアも徐々に心を許していくように身体を揺らしていく。その光景はとても美しかった。シンガロングを煽った壮大な「髪の花」から、タイトル通り凛とした光を感じさせる「光線」で締めくくる流れもドラマ性が高い。ポップセンスとライブスキルに終始舌を巻いた。

Photo by 大城幸平

Photo by 大城幸平

Photo by 大城幸平

-SET LIST-
1. girlfriend
2. sands
3. 煙と唾
4. (want) like (lover)
5. fallin'
6. 髪の花
7. 光線

  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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