『20TH ANNIVERSARY LIVE featuring ROCK’N' ROLL SPECIAL!』
2019年10月20日マイナビBLITZ赤坂
Special Guest:鈴木愛理
中島卓偉のデビュー20周年を締め括るスペシャルライブ『20TH ANNIVERSARY LIVE featuring ROCK’N' ROLL SPECIAL!』が10月20日にマイナビBLITZ赤坂で開催。20年という月日が流れていることが信じられないほど、熱く貫いてきたパンク魂に惹き付けられっぱなしのアクトだった。
約3時間にわたった今回のライブは2部構成。初期から歌い続けているナンバーはもちろん、今年リリースされたセルフカバーアルバム『GIRLS LOOK AHEAD』(ハロー!プロジェクトをはじめとす女性アーティストへの提供曲をセルフカバーしたアルバム)からのナンバーを全曲披露。2部には鈴木愛理がゲストで登場し、℃-ute時代の提供曲をデュエットするスペシャルな試みもあり、アニバーサリーならではの構成で満員のマイナビBLITZ赤坂を完全燃焼させた。この日のライブの模様をお伝えしよう。
卓偉が楽曲プロデュースしている上々軍団がオープニングアクトで登場し、場内の期待を高めたところで、バンドメンバーと卓偉が登場。卓偉はレオパード柄のジャケットにドット柄のタイを組み合わせた得意のグラムロックファッションに身を包んでいた。ヘアスタイルから靴までこだわりにこだわった在り方もロックンロールな彼の生き方を象徴している。
ハンドクラップと歓声に迎えられ、一発目に投下されたのは“チャンスは巡るものではなく掴み取るものだ”とメッセージする「PUNK」で、のっけから大合唱。デビューした21歳の時から体重をキープすると心に決め、1キロも太っていない卓偉だが、声量が増しているのではないかと思うほどパワフルで伸びのあるヴォーカル、キレのある動き、人を射抜く視線、トレードマークになっている開脚パフォーマンスに、“こんな40代のロックヴォーカリスト、ありか?”と圧倒された。提供曲のセルフカバーも卓偉流にアレンジされているので、オリジナル曲と混ざっても違和感がなく、「FREE FOR FREE」では弦楽器陣も前に出て煽り、アドリブで“20年間も歌ってきた”と歌って大盛り上がり。
“今日は中島卓偉の20周年の締めのコンサートになります。集まってくれてどうもありがとう。一緒に楽しく踊ってロックンロールしようぜ! 今日は座席もあって距離も遠くてとてもやりやすいです(笑)。オマエらと俺の距離、別に近くないから(笑)。というドSでユーモアにあふれたMCも卓偉ならでは。ギターをかまえてのつばきファクトリーへの提供曲「今夜だけ浮かれたかった」はヘヴィなリフとスカを取り入れたアレンジで聴かせ、アンジュルムへの提供曲「上手く言えない」はミラーボールの光が反射する中、ファンクビートで身体を揺らせる。
自身の音楽について“20年間でこだわってきたのはパンクとブラック&ソウルミュージックとロックンロール”と語っていたが、“スイートソウルコーナー”や着席してもらっての“バラードコーナー”も盛り込まれた第1部はその言葉を証明する内容だった。デビュー当時から攻撃的かつメッセージ性の強いナンバーでテンションをマックスに持っていき、切なくメロディアスなバラードでファンを泣かせてきた彼は、月日を重ねてエッジと大人の色気を合わせ持つヴォーカリストとしてオリジナルとしか言えない存在感を放っていた。
終盤では2020年の春前にこの10年を総括したベストアルバムを発売すると発表し、1部のラストを初期から歌い続けている名曲「Calling You」で締め括った。
ブレイクタイムをはさんでの第2部は卓偉とメンバーが赤と黒を基調にした衣装に着替え、“解放して自分の人生を生きろ”とアジテートするパンク魂炸裂のヘヴィチューン「ゲッザファッカゥッ!!!!」を叩き付けた。黒と赤のセクシーな衣装を身にまとった鈴木愛理が呼び込まれると、男くさいステージの空気が一変(卓偉いわくステージがいい匂いになったとのこと)。「レディーマーメイド」と「次の角を曲がれ」の2曲をデュエットし、℃-ute時代に初めて事務所で会ったときの思い出話を披露するなど、スペシャルライブならではのセッションで場内を沸かせた。
後半戦は再び加速していき、ファンと共に我が道をひた走ってきた卓偉のソウルソングとも言える「続けろ」で大合唱に。ラストの「我が子に捧げるPUNK SONG」の歌もエネルギーの塊。心に刺さりまくってくるのは、歌詞に全力の愛が注ぎ込まれているからだろう。興奮と感動に包まれ本編が終了した。
葛藤や困難を乗り超えて歌うことを諦めなかったからこそ中島卓偉の今がある。アンコールで歌われた「どんなことがあっても」の真摯で熱いメッセージが心を揺さぶり、卓偉のライブを一度でも観たことがある人は生涯忘れられない曲になるであろう激エモーショナルな「ピアス」を最後に残った力を振り絞るように熱唱。醒めやらない熱狂の中、卓偉は“お前らが来てくれればずっと歌うぜ! いつか武道館やろうぜ!”と宣言した。
SET LIST
■1部
01.PUNK
02.トライアングル
03.イクジナシ
04.スタート
05.DREAM GIRL
06.FREE FOR FREE
07.今夜だけ浮かれたかった
08.ギャンブルーレット
09.上手く言えない
10.DRIVE MY LIMO
11.いいんじゃない?
12.相思相愛
13.就活センセーション
14.My Days for You
15.愛・愛・傘
16.言葉に出来ない
17.一期一会
18.泣きたくないのに
19.Calling You
■2部
1.ゲッザファッカゥッ!!!!
2.レディーマーメイド(with 鈴木愛理)
3.次の角を曲がれ(with 鈴木愛理)
4.GIRLS BE AMBITIOUS
5.どーだっていいの
6.友よ
7.大器晩成
8.イノヴェイター
9.続けろ
10.我が子に捧げる PUNK SONG
EN
01.どんなことがあっても
02.ピアス