参加者(写真左手前から):チフネシンゴ(HOTSQUALL)、カズヤ(下北沢ReG/ONION ROCK FES実行委員長)、アカマトシノリ(HOTSQUALL)、大月義隆(UNLIMITS)、LF(THE CHERRY COKE$)、寺本英司(OVER ARM THROW)、清水葉子(UNLIMITS)、笠原健太郎(Northern19)、猪狩秀平(HEY-SMITH)
TEXT:フジジュン
PHOTO:横井明彦
──いよいよ目前に迫ってきた、『ONION ROCK FES –CHIBA DE CARNIVAL 2016-』。まずはHOTSQUALLのお二人から、現在の気持ちを聞かせて下さい。
チフネ どうしても自分の地元である千葉でフェスがやりたくてカズヤくん(下北沢ReG店長/ONION ROCK FES実行委員長)に相談して、去年1回目を開催して。みんなも面白がってくれて、すごく幸せな空間が作れたんですけど。それだけだと慣れちゃうんで、2回目以降はウチのフェスでしか出せない色を出して行きたいと思っていて。いきなり大きく変えるのは難しいと思うんですけど、“僕たちならでは”というのが少しずつ形になっていけば良いなと思ってるし、そのためにも続けていく必要があって。みなさんのお力がどうしても必要なので、今日集まっていただいたみなさんにも改めてよろしくお願いいたします! という感じです(笑)。
アカマ 全国にどんどんフェスが増えている中、僕らはライブハウス出身のバンドと一緒にフェスを作りたくて。こうして血の通ったメンツが揃えられたし、こういう集まりも出来て。すごく嬉しいし、当日が本当に楽しみです。
──昨年、1回目をやって、実際やったからこそ分かった面白さや大変さはありました?
チフネ 終わった後、すごい充実感がありましたけど、体は異常に疲れてましたね。「なんだ、この内臓の重い感じは?」って(笑)。あと、野外なので天気ひとつに物凄い左右されるし、何もないところからのスタートなので、みんなのケアをする上で行き届かない部分があって。ホストとなって進める中で、出演者の時は分からなかった部分は多かったですね。
猪狩 なんでも大丈夫ですよ、我々は(笑)。
──HEY-SMITHは『OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL』を主催しています。
猪狩 だからこそ、主催者側の気持ちはめちゃくちゃ分かるんです。ケアが行き届いていないと感じた時は悔しいし。そのフェスならではというのも絶対必要で。大阪は都会やし、フェスもいっぱいあるから、僕らもウチじゃないと出来ないみたいなことは心がけていて。例えば、ハジマザには楽屋にスナックがあるんですけど、そういうことだったり(笑)。
チフネ そのままスナックをやると真似になるから、ウチはガールズバーを作ろうかな?
猪狩 それは嬉しい!女子はいくらいても良いですから(笑)。
──わはは。Northan19も新潟で「TOKI ROCK NIIGATA」を開催しています。
笠原 はい。今年も6月に開催するんですけど、やっぱり“ならでは感”というのは出したいなと思うし、すごく考えるところなんですけれど、難しいところでもありますよね。
──なるほど。今日、いらっしゃるみなさんは今年、初出演の方ばかりなんですよね?
チフネ 昨年、前夜祭に出てもらったバンドはいるんですけど、本編は初めて出るバンドばかりです。でも結構、みんな遊びに来てくれて、会場の雰囲気は味わってもらっていて。
猪狩 僕も去年観に行って、「来年出たい!」と思って、今年、初出演する感じです。
寺本 僕らは去年、ウチのKIKUが弾き語りで前夜祭に出させてもらって、今年はぜひ本祭に出演させてもらいたいと思っていたので、すごく嬉しいです。OVER ARM THROWにとって、HOTSQUALLは同期だと思っているし、地元を盛り上げるという気持ちはすごく共感出来るし、ぜひ協力させてもらいたいと思ってます。
チフネ 嬉しいな。100点のコメントだから、唐揚げ食べていいよ!
寺本 やった、ありがとうございます(笑)。
──良いコメントが出ると、唐揚げが食べられるシステムなんだ(笑)。出られるバンドが限られてくる中で、ブッキングもすごく悩んだんじゃないですか?
チフネ そうですね。でも、逆に言ったら、今日いるメンバーは必ず呼ぶだろうと思っていたバンドばかりです。
猪狩 ブッキングする時、一番重要になるのはどんなところなの?
チフネ “自分たちで企画をやってる人たち”ですね。GOOD4NOTHINGが『SAKAI MEETING』やってたり、PANは「マスターコロシアム」をやってたり。野外とかに限らず、地元とかで主催イベントを持ってるバンドです。
猪狩 なるほど!そういうことね。
チフネ あとは僕らがどういう気持ちで誘ってるかを、色々説明しなくても理解してくれる人たちってところですね。
大月 だから僕らも声をかけていただいてすごく嬉しかったんです。去年、開催するって話を聴いた時は嬉しくもあり、呼んでもらえなかった寂しさもあったので(笑)。
カズヤ 会場の都合でHOTSQUALL含めて、一日6組しか出せないんで、その枠の中で選ばなきゃいけないのはすごく大変で。
大月 それも良く分かるんです。色んな縛りの中で決めなきゃいけないってのが分かるからこそ、呼んでもらえたのがすごく嬉しくて。
チフネ なんか愛が伝わってくるなぁ……。よし、唐揚げ一個食べてもいいよ!(笑)
LF THE CHERRY COKE$は去年、ライブハウスでやった前夜祭に呼んでいただいて。ライブハウスも大好きですけど、やはり野外でやるというのは特別なことなのですごく光栄です。あと、僕とボーカルのKATSUOくんは大田区の出身なので、「いつか大田区でフェスをやりたいね」と話していて。色々参考にさせていただければ良いなとも思っています。
清水 大田区、いいですね! 私は足立区なんで、足立区でフェスをやりたいんです(笑)。UNLIMITSも「夢幻の宴」ってイベントをずっとやっているんですけど、そこには自分たちが心からリスペクトするバンドだけを呼んでいて。HOTSQUALLに呼んでいただけたのを、すごく誇りに思います。あと、アカマちゃんはいつもセクハラが激しくて、「ビキニを着ろ」とか、よく言われるんですけど……。
アカマ おい!それ以上、余計なことをいうなら、唐揚げを口に入れろ!!(笑)
──口を塞ぐのに唐揚げを使わないで下さい!(笑)1回目の去年は、2日間で約3,000人を集める大盛況ぶりでした。
チフネ はい。僕らが背伸びして出来る、ちょうど良いくらいのキャパだったなと思っていて。すごく良い景色を見せてもらいました。
大月 大きくしたい気持ちとかあるの?
チフネ まずはあの場所でやっていることを浸透させたいから、今は考えてないかな。
カズヤ 開催する場所があるというのもすごく重要で、稲毛海岸 野外音楽堂というのが抜群の立地だったんです。駅から徒歩でも来れて、キャパもちょうど良いし、すぐ真横が海で。
アカマ 後ろが海だから、めっちゃ音を出せるんですよ。ライブハウス並みの爆音です(笑)。
猪狩 音はめっちゃ良いよね、抜けも良くて。ハジマザも大きい音出したいから、めっちゃ探しましたもん。大阪に服部緑地野外音楽堂って会場があるんですけど、あそこは音が大きいとランプが点いて音が止まるんです。で、ウチら去年、服部でやったイベントに出演した時、告知ナシで登場したらお客さんが「ワーッ!」って盛り上がって、演奏する前にランプが点いちゃったんです(笑)。
──わはははは!演奏する前に音が出なくなっちゃって(笑)。
寺本 僕も稲毛音楽堂のロケーションの良さは噂に聞いているんですけど、まだ行けてないのですごく楽しみです。
アカマ 潮干狩りも出来るよ。
寺本 あさりの味噌汁!いいね~。あさりを持ち帰って家で味噌汁を食べながらさ、「オニオンロック良かったな」と思い出すのも、サスティン(余韻)として良いよね。
チフネ 何を言ってるんだ、この人は(笑)。
──あはは。しかし、そういう場所に出会えたのも何か運命的な物を感じますね。
カズヤ 去年、大きなトラブルもなく、お客さんたちもすごくマナーが良かったので、今年はすごく進めやすいですしね。
──出演バンドのみなさんは今年、出演するにあたって楽しみなことはありますか?
猪狩 あのロケーションで演奏するのも楽しみだけど、去年遊びに行った時、ケータリングのカレーが異常に美味かったので楽しみです。あれ、誰が作ってるんですか?
チフネ あれは業者です(笑)。「ウチの母のセツコです」って言ったら良い話になるけど。
アカマ 今年はカレーとハヤシライスと分けようと思って。
猪狩 それええなぁ!ハヤシライスが好きやから、めっちゃ楽しみやわ。
チフネ ちなみに打ち上げで使ってる中華料理屋もめっちゃ料理出るから、楽しみにしてて。ただ、その店の店員が全然働かないのよ!
──アハハ。なんですか、その話(笑)。
チフネ 全然働かないから、千葉の若いヤツらが総動員で料理運んだり、ビール持ってきたりして、大忙しだったんです!!(笑)
清水 あはは。私は稲毛行くのが超久しぶりで、UNLIMITSやる前は千葉ルック、柏アライブ方面でやってて、稲毛音楽堂に10代の頃に出たことがあって……。
チフネ その頃のバンド名は何ですか?
清水 “実尊”ってバンド名でした。その頃、漢字でバンド名付けるのが流行ってて(笑)。
アカマ じゃあ、当日は場所にちなんで、実尊の曲も一曲やってもらおうか?(笑)
──GW前から野外フェスが始まってたりしますが、開催時期も悩みました?
チフネ 考えましたけど、どうしてもかぶっちゃうんで、そこは仕方ないなって……。
猪狩 大丈夫っしょ。どのイベントよりも、オニオンロックが一番カッコいいっしょ!
チフネ 嬉しいなぁ!これは唐揚げ2個食べて良いよ(笑)。
──アハハ。あとは天気に恵まれて、青空の下で爆音鳴らせれば最高ですね。
チフネ そうですね。梅雨入り前、晴れるとちょっと暑いくらいの時期なので、ベストっちゃベストだと思うんですけど。
アカマ 大丈夫。このメンツなら雨が降っても、ガンガン燃えて熱いフェスになるから。
寺本 なにせ、“ホットスコール”だからね!
チフネ ……これは上手いけど、唐揚げあげられないな。ドヤ顔がちょっと腹立った(笑)。
──そして、チケット代がラバーバンド購入費の1,500円のみと、安すぎますよ!
カズヤ そうなんです。そこをもうちょっと知ってもらいたいです(笑)。
猪狩 採算合ってるんですか?
カズヤ ギリです。でも儲けてもしょうがないんで、それより気軽に来てもらえる方が良いなって。
チフネ そこも“ならでは”になれば良いなと思ってて。千葉の周辺にフェスはたくさんあるので、俺ららしい規模で千葉らしさもあって、気軽に来れる値段でというのが、“オニオンロックならでは”になれば良いなって。
猪狩 オニオンロックのあの感じは、みんな来たら絶対に好きになると思うけどね。フェスやのに、ライブハウスっぽさがあるというか。オニオンロック見てたら、対バンにそれぞれのバンドが燃えてる感があって。すごい良いなと思ったし、参加したいと思った。
アカマ それは本当に嬉しいな。俺らも対バンから目が離せなくて、ずっと横で見てた(笑)。
チフネ これもやってみて分かったことなんですけど、1バンド終わって転換があって、その間の時間もお客さん同士で楽しんでて、またバンドが始まったら注目するっていう、ワンステージだからこその良さがあって。
寺本 なるほど。それって、転換も楽しませる自信があるってことで、すごいことだと思うよ!バンドがやることは、ライブハウスでもフェスでも変わらないので。呼んでるバンドにホストがそれだけ自信を持って、期待してくれてるのはすごく嬉しいし、こっちもそれに応えたいと思うし。そこにオニオンロックの良さがある気がするな。いや~、こうして話してるだけでもフェスの熱さが伝わってくるから、本当に楽しみになってきました!
猪狩 熱いなぁ、絶対唐揚げもらう気や(笑)
チフネ 唐揚げ足りるかなぁ?(笑)
──では、最後にHOTSQUALLのお二人から、『ONION ROCK FESTIVAL 2016』への意気込みを聞かせて下さい。
チフネ 2年目というところで慣れた部分もあると思うんですけど、僕らはただ面白いとお祭りを楽しむのではなく、出演者にもお客さんにも「やっぱり面白いな!」と言ってもらえるように戦っていきたいと思ってます。
アカマ 千葉を背負ってるとか、みんなが来てくれたからとか、野外だからとか良い意味で忘れて、僕らはその瞬間を思い切り楽しんで、本気でぶちかましますので。みんなは僕らに全てを委ねて、思い切り楽しんで下さい!
取材協力:下北沢art ReG cafe