インタビュー/フジジュン
──前作から2年半ぶりのアルバム『HELIX』が完成。前作からの2年半はKNOCK OUT MONKEY(以下、KOM)にとってどんな期間でした?
合間にミニアルバムを挟んでたり、常に新曲を作っている感じがあって。あまり久しぶりのアルバムって感じもしないんです。
「Burning」って曲は4年前に作った曲がやっと形になって収録されていたり。昔の曲と最近作った曲も混ざってるしね。
そこで古い曲も古く感じなかったし、いまやりたいことにも繋がってる気がして、それはすごい良かったですね。あと、夏に出せるのが一番大きいですね。俺ら、夏っぽいイメージのバンドなのに、ずっとリリースが夏とズレてしまってて。じゃあ夏に出そうと思った時、環境も含めてサクッと曲を作ってリリース出来ることも分かったので。それを確認出来たことも凄く大きかったですね。
──アルバムを聴かせてもらって、現在進行系のKOMを切り取った作品になってるなと思って。日常やバンドの現状もしっかり詰め込めているし、新曲たちが一発で入ってくる感じがありました。
言ってしまえば、今作に収録された曲には今までのリリースでこぼれた曲も多いんですけど。昨年、ミニアルバムを出して2本のツアーをやって、熱が冷めないまま楽曲たちと向き合って出来たアルバムだったので。現在進行系のKOMというのはすごく合ってると思うし、全部が繋がってるんだなというのは改めて思いましたね。
今回はスルッと聴けるアルバムが作りたいなというのはあって、変に落ち着いた曲も入れていないし。久々のセルフプロデュースということで新鮮な気持ちで作れて、もう聴きたくないってくらい何度も聴いたけど(笑)。自分たちで「良いアルバムだな」と思えるものが作れて、すごく満足しています。
「もうギター弾きたくない!」と思うくらい、一つひとつのフレーズも考えましたからね(笑)。今までの作品の中で、自分と向き合う時間が一番長かったんじゃないかな?
そう。引き出しはたくさんあって、色んな提示は出来るんですけど、「本当にこれで良いのか?」って答えになかなかたどり着けない感じがあって。それでも時間に限りもあるので選択しなきゃいけなくて、シンドかったというのとも違うんだけど、すごく悩んだし大変ではありました。
そこで今までだったらプロデューサーに相談することも出来たんですけど、相談する相手がいないので。自分と対話しながら考えなきゃいけないところが多々あったんですけど、結果、4人が納得出来るところまで出来たことがすごく良かったと思います。
──今回、セルフプロデュースでやりたいというのは、メンバーの意向だったんですか?
そうですね。そういうことをやっても良いかな? というのが、「Do it」くらいからあって。ここ1~2年くらいでそれぞれがDTMで作業出来る環境も出来たし、わざわざ東京まで出て来なくても神戸で全部出来ちゃうから、新しい挑戦としてそれを試してみるのもアリだなと思って挑戦しました。いざやるとなったら不安もあったんですけど、アマチュアの時は自分たちだけでやっていたので。原点回帰という意味でもやって良かったと思うし、これまでプロデューサーから学んだことがちゃんと身になってるのも改めて分かったので。結果、このタイミングでやって良かったなと思いましたね。
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