アカマトシノリ、チフネシンゴ、ドウメンヨウヘイ(以上3名、HOTSQUALL)
菊池信也(OVER ARM THROW)、KOJI(SWANKY DANK)
一成(NUBO)、RYO(SECRET 7 LINE)
途中参加:Sit(COUNTRY YARD)
最後だけ参加:TAKESHI(SECRET 7 LINE)
TEXT:兵庫慎司
PHOTO:村上龍介
地元バンドHOTSQUALLが地元のために地元で行うフェス。青空の下でライブハウス・シーン/パンク・シーンの現場の最前線を走るバンドたちが集結する。海と緑と青空、という最高のシチュエーションで行われ、他のフェスどころかライブハウスよりも安い採算度外視のフェス。 それが2017年5月20日(土)&21日(日)、千葉市・稲毛海浜公園内の稲毛海岸野外音楽堂にて開催3回目を迎える『ONION ROCK FES -CHIBA DE CARNIVAL 2017-』です。DI:GA onlineでは昨年もHOTSQUALLはじめ出演バンドによる決起集会的な座談会をアップしましたが(こちらです)、今年も行いました! 開催3回目でそれぞれ過去の開催で得たことが大きいせいか、アツい発言多数になったので、前後編でお届けします! あ、参加者のうち2名ほど遅刻、それぞれ途中で到着したので、そのへんも含めてテキスト化しております。
──まだの方もいますが、とりあえず乾杯からいきましょうか。
チフネシンゴ じゃあ、よろしくお願いします!
全員 かんぱいー!
──まず、『ONION ROCK FES.』を稲毛海岸野外音楽堂で行うのは今年で3回目ですよね。今回はこういうものにしたい、という目標のようなものはあります?
チフネ はい。えーとですね……(全員を見回して)……恥ずかしいなあ(笑)。
菊池信也 いや、ききたいききたい、マジで。
チフネ あの、3回目だから、慣れちゃいけないから難しい、っていうところは結構ありまして。1回目、2回目はよかったけど、3回目となると、同じような景色で同じような感じでやっちゃう、っていうのが、俺たちのハードルになっていて。それじゃつまんないよなと思って、ちょっとした……前回までやっていなかったことをやろうかなと思ってますね。お客さんが「あれ? 去年なかったこれがある」みたいな、楽しいのは考えてますけど。このフェスに合わせて新しいシングルを出すのもそうだし。ライブはいつだって全力で、命がけでやるのみなので──。
菊池 (何か言いたそうな顔をしている)
チフネ (それに気づく)何?
菊池 いや、俺ね、変わったのよ。俺らOVER ARM THROW、サーキット・イベントやったんですけど。ここにいるみんなやってるじゃん、主催フェスとかイベントとか。そういうのを自分たちで作ると、ほんっとにイベントって大変だし、携わってくれる人の数だったりとか感謝の数が、もうほんとに1日お礼行って回っても足んないぐらい。
いろんな人が手を貸してくれて成り立つ、っていうのがほんとにわかった時に、今までイベントに呼んでもらって……正直、そこまで深く考えず、ヤバいライブカマして、楽しんで、トリで出るHOTSQUALLだったりSECRET 7 LINEだったりに対して、「俺ら勝っちゃうから!」みたいな感じでやってたんですけど。
でも、自分たちでサーキット・イベントをやったあとに、仲間がやってるイベントに出ると、もう全然感覚が違くて。主催してる仲間がどういう思いでやってるのかがわかるようになると、こっちももう、本当に1日音に泥酔する覚悟で全力でやんないと、出る意味ってないなって本当に感じて……なんかまじめな話になっちゃったんですけど。
──いやいや、続けてください。
菊池 だから今回は、全然意気込みが違うっていうか。前は自分のバンドだけかっこよきゃいいって思ってたけど、HOTSQUALLが終わるまで、お客さんが帰るまで、ほんとに笑顔で楽しんでもらえるようなことが俺にもできたらな、って思えるようになった、っていうのはありますね。
前は、ホスコ(HOTSQUALLの略称)とかほんとに仲いいバンドの以外のライブの時は、「ちょっとタバコ吸いに行こうかな」とか「ションベン行こうかな」とか、正直どっかで思っちゃう自分がいたんですけど、今は「全部観てえな」とか。純粋にそう思えるようになったからこそ、すごく楽しみですね、今回。
チフネ いやあ、それいちばんうれしいねえ。
RYO キクちゃん、1日ションベン行かれへんやん(笑)。
──1年目でも2年目でも、トラブルでもよかったことでもいいですけど、何か印象的な記憶ってあります?
チフネ 1年目にドキドキしたのは、G-FREAK(FACTORY)がやってる時に、海浜公園の場内アナウンスが鳴っちゃって。茂木さん(茂木洋晃/Vo)がしゃべって、みんな集中して聴く、みたいなシーンで──。
アカマトシノリ 「♪ピンポンパンポーン、この時間からの遊泳は──」みたいなのが(笑)。
チフネ 演奏中だったらまだよかったんだけど、MC中で。茂木さんはああいう時、オフマイクでいきますから。
アカマ 泣いてるお客さんもいてね。
チフネ そういう時にあの「♪ピンポンパンポーン」は(笑)。これからの課題だなと思いましたね。
──茂木さんご本人は?
アカマ それが全然──。
チフネ 意にも介さない。それがかっこいいですよね。気にもしてないっていうのが。
──ステージからの景色って、他のイベントとかと違うものがあります?
チフネ いや、手前味噌ながら、最高ですよ、ステージからの景色は。なんだろう……ちょうどいいんですよ、 いろいろと。傾斜になってるので、ちょうどよくお客さんのことも見れるし。木があって、奥に海があって、青空があって。
アカマ ちょうどこの写真の感じです(と、今年の『ONION ROCK FES』のポスターを指す)。この時も、写真に飛行機写ってるんですけど。
──え? (ポスターをよく見る)あ、ほんとだ、空の左上に飛行機が。
アカマ 「あ、飛行機飛んでる」と思いながらライブしてたりしますね。
一成 ロケーションむちゃくちゃいいよね。ちょっとねえ、ジェラるよ。すっごいいいとこなんですよね。
チフネ でかい音出せるのがいいんですよ、ステージが海に向かってるから。野外フェスは音量制限っていうのがでっかい課題だと思うんですけど。
菊池 あと、マラソン大会みたいなのあったよね、俺らが出た時。
ドウメンヨウヘイ あ、やってたやってた。
菊池 「ちょっとすみません」って通ろうとしたら、「マラソンコースですからこれ以上行かないでください」って止められて(笑)。でもほんと、ライブやってて気持ちいいなあって感じですね。ほかの野外イベントとはちょっと違う……潮風香って……潮風香って……海の香りがすごい……。
アカマ 何が香ったんだっけ?
菊池 潮風。
全員 ははははは!
菊池 とにかく楽しかったっていう。お客さんも海も近いし、お酒も飲んだりしてワイワイしてるから、そのグルーヴにのっかっていけるし、お客さんものりやすいというか。
KOJI 僕は初めて出させていただくんですけど──。
チフネ (スマホを見る)あ、Sit(COUNTRY YARD Vo/Ba)から電話かかってきた。出た方がいいですよね?
──(笑)。出てください。
チフネ もしもし?(と、Sitと話し始める)。
KOJI 僕も地元が稲毛なので。すごい思い出がたくさんあるので、そういう思い出があるところでライブができるっていうのは──。
菊池 え、ここの公園に行ってたの?
KOJI 行ってました、行ってました。それこそ、ホスコと出会ったのもここなんですよ。『サイトウヒロシミュージックショウ』っていう、千葉LOOKのサイトウさんが主催してるイベントで、初めて紹介してもらって出会うっていう。