「ダサかっこいい」っていうのは、ずっと自分の軸にあるかもしんないですね
──最初にアース・ウィンド・アンド・ファイアーを聴いたのが原体験、というのがプロフィールに書かれていますけども。最新作の『MITOWN』まで、そのセンスが貫かれていますよね。
そうですね。完全に自分の好きなジャンルが変わった瞬間だったんです。中高は、ヘヴィメタしか聴いてなかったんですよ。それが、たまたまラジオをつけた時に流れてきたのが、アースの「セプテンバー」だったんですよね。
それを聴いた時に……音楽っていうよりか、どっちかというとフィリップ・ベイリー(ボーカル)の声ですよね。ファルセットっていうものを、それまで聴いたことなくて。高い声で、女の人なのか男の人なのかわかんない声だなと思って。そっからアースを調べていって、「宇宙のファンタジー」聴いて、「何これ!?」と思って。それで初めて声ってものに興味を持ち始めたのが18歳ぐらいで「ちょっとこの声を出してみたいな」って直感的に思ったのが、歌を始めるきっかけですね。それまではギターばっかり弾いていました。
ただ、僕、4年前に左耳が突発性難聴になっちゃって。それからちょっと声の出し方が変わって、あんまりファルセットで歌うことがなくなって、今の歌い方のスタイルでいうと、フィリップ・ベイリーの影響はほとんど出てないかもしれないですね。
でも、アースにいちばん最初に受けた衝撃は……いろんな曲を聴いて、PVを観て、「だっせえな」と思いながら(笑)、「でもなんかかっこいいんだよな」って。「ダサかっこいい」っていうのは、ずっと自分の軸にあるかもしんないですね。
──確かにあの衣装とかねえ。
ヤバいっすよね(笑)。
──子供心に「この人たちはどういうつもりでこんな格好をしてるんだろう?」って不思議だったのを憶えてます。
はははは(笑)。ですよね。キラッキラのおんなじ衣装をみんな着て(笑)。
6月9日の下北沢GARDENは、ギターも弾いて、ちょっとロックな日にしたいなと思ってます
──6月9日の下北沢GARDENのライブは、どんなことをやろうと考えておられます?
そうですね、特にリリースをからませるとかっていうことは考えてないので……ただ、去年の11月25日に同じ場所(下北沢GARDEN)でやったんですね。初めてやったんですけど、「いいハコだなあ!」と思いました。
──ああ、GARDENって改装して今の形になったけど、前はステージもフロアも横長だったですよね。
そう、あのイメージがあったんですけど、今の形に変わってからは、これはいいハコだな、ロックだけじゃなく、ソウル系のものもハマるハコだなと思って。それで、ライブ終わって「またぜひやりたいです!」ってその場で話した時に、空いてる日が6月9日だったんですよ。「6月9日……ロックの日だね」って(笑)。それで、リリースもからませないんで、新しいことっていうよりかは、自分が昔やっていたことを、もう一回掘り起こしながらやりたいっていうのがあって。
ギターも弾こうかなと思ってるんですよ、ロックの日なんで(笑)。自分が好きだったソウル系の曲って、そんなにギターが入らないんですよ。だからもうちょっとさかのぼった、自分が中学高校の頃に聴いてたような……ヘヴィメタまで行かなくても、ロックな曲だったりとかもやりたいですね。好きな曲の中で、「この曲だったら俺、弾けるかなあ」って、いろいろ今選曲してる最中なんですけど。ちょっとロックな日にしたいなと思ってます。