浜野はるき “全員主役”を掲げるツアーの全容、“原点を回収していく1年”と語る今のモード、クリエイティブ観に迫るインタビュー

インタビュー | 2026.04.24 19:00

女性の毒や夢を軽やかに歌い、感情の奥にある本音を曲にするシンガーソングライター・浜野はるきが、2026年4月末から7月にかけて全11公演のワンマンツアー「LIVE TOUR 2026 “COVER GIRLs”」を開催する。
同公演は“世界最大級の女子会”と称する女子限定ライブを皮切りに、DJ+ドラムセットで各都市を回り、豊洲PITにてファイナルを迎える。同ツアーでは喜怒哀楽を豊かに表現したセットリストを組んでおり、浜野史上最大規模ワンマンとなる豊洲公演はDJ+バンドセットで、“女の子の部屋”をテーマにしたステージセットや華やかな映像演出、衣装を用意しているという。2025年の25歳で迎えた転換期や、2026年のモードにフォーカスしながら、“全員主役”を掲げる今ツアーの全容、浜野はるきのポリシーやクリエイティブ観を探った。
──浜野さんは活動当初より、楽曲もファッションも「女性であること」を大切になさっていますよね。
女性にしかわからないことであり、浜野はるきにしか表現できないことを曲にして、女性の皆さんの抱える重荷が少し軽くなったらいいなと思っていますね。だからわたしはずっと変わらずに「女性の味方であること」を大切にしているし、それと同時に自分の楽曲はこの世の女性全員が共感できるものではないので、わかる人だけがわかってくれたらいいというスタンスで活動を続けてきました。だけど少しずつ規模が大きくなっているなとは感じていて。ファン層も広がっているんです。
──もともと浜野さんのリスナー層は若い女性が大半を占めていました。
それがこの2、3年で年齢層も広がったし、男性も増えたんです。わたしの母と同世代の女性が聴いてくださったり、ライブにも10代の女の子が40代のお母さんと一緒に来てくれたり、彼女と一緒に来た彼氏から「浜野さんの楽曲で女心を学んでます」と言ってもらったり。今年の3月にリリースした「ひめweek」は生理がテーマになっていて、聴いてくださった男性の皆さんから「女性と接するときの教科書にします」「身の回りの女性をもっと大切にしようと思いました」というコメントをたくさんいただきました。

これまで大切にしてきた軸はぶらさず、去年あたりから「もうちょっと広い層にわかる歌詞にしなきゃな」と考えるようになりました

──ターゲットを絞った活動が、広がるきっかけをもたらしたと。面白いですね。
時代が変わっても、女性ならではの悩みや特性、恋愛感情はあまり変わらないのかもしれないですね。だからこれまで大切にしてきた軸はぶらさず、去年あたりから「もうちょっと広い層にわかる歌詞にしなきゃな」と考えるようになりました。10代では許されるけど、25歳で使うにはちょっと厳しい言葉ってあるじゃないですか(笑)。

Hamano Haruki「ひめweek - Princess week」(Official Music Video)

──今回のインタビューをきっかけにあらためて過去作をおさらいしましたが、特に2024年までは攻撃性の高い歌詞が多い印象はあります(笑)
ずっと何かに怒って、ヘイトしてました(笑)
──となると2025年のフルアルバム『NET BaBY』は転換期かもしれないですね。同作は5月に8曲入り、8月に“Deluxe Edition”として12曲入り、11月に“FuLL”として17曲入りがリリースされました。
人間の心はだいたい1年くらいで変わるから、“FuLL”までの途中経過を見せていくのが浜野はるきらしいかなと思ったんです。楽曲ではヘイトはしても誰かを傷つけない、特定の誰かを絶対に敵に回さないことを大切にしていて、第1弾『NET BaBY』までがヘイトのフェーズ、第1弾を出したからこそ生まれた気持ちが“Deluxe Edition”、そのうえでアンチに対して言い足りない気持ち、アンチから向けられたヘイトに対してヘイトで言い返すのが嫌になった気持ちが“FuLL”になりました。
──“FuLL”に収録された「NET BaBY」は、第1弾『NET BaBY』の段階ではもっとアンチに向かって尖ったヘイトをぶちまける曲になる予定だったそうですね。
24歳までは、アンチコメントとかDMを全部読んじゃってたんですよ。応援してくれている人からもらうコメントやメッセージのほうが断然多いのに、そのなかでパッと出てきたひとつのアンチコメントで急に悲しい気持ちになって、そればっかりが真実だと思い込んでしまう。冷たい言葉ばっかり心に響いちゃってたんです。

ヘイトに対してヘイトをしたり、アンチを見下すのではなく、もっと深い意味のある曲を作りたいと思いました

──ネガティビティ・バイアスですね。人間はポジティブな出来事や情報よりもネガティブなものに注意を向けやすく、記憶にも残りやすい。
わたしが自分に自信を持てていなかったのも理由のひとつなんだろうなと思います。24までは10代と同じような気持ちで生きてきて、それが音楽になったのが第1弾『NET BaBY』です。でもそのリリース直後に25歳になって、“30歳”という数字が現実味を帯びてきたんですよね。30に向けてどういう大人になりたいかなと考えたとき、向けられたヘイトに対してヘイトをしたり、アンチを見下すのではなく、もっと深い意味のある曲を作りたいと思いました。アンチへのヘイトは、頭をひねらなくても書けちゃうことに気づいたんです。
──なるほど。真理ですね。
だから“FuLL”に収録した「NET BaBY」には「ネットは誰かを傷つける場所ではなく、自分の才能を見せつけるオーディションの場ですよ」という意味を、「?OUT CaST¿」には「わたしにヘイトを送ってくるアンチも誰かのヒーローかもしれない」「アンチも全部まとめて愛してあげる」という意味を込めました。人間は誰しも誰かには愛されてるし、誰かには嫌われてる。アンチコメントを直接送ってくる人たちも誰かにとっては大切な人で、わざわざ捨てアカを作って本人に直接アンチコメントしてくるって、途轍もなくつらいことや何か大変なことがあったのかな?とも思うんです。2曲とも当初の予定とは違う内容だけど、いいものになりました。

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──浜野さんのライブと言えば注目する箇所はたくさんありますが、まずひとつめはバックバンドがメタラーというところでしょうか。
過激な歌には、やっぱりメタルの要素が合いますよね。わたしはとにかく唯一無二であることに執着しているので、メタルバンドを背負ったポップスの女の子アーティストはいないし、面白いと思うんです。わたしの音楽もひとつのジャンルに特化しているわけではないし、それがステージづくりにも反映されていますね。ライブアレンジはもちろん、照明や衣装、映像もとにかくすっごい作り込んでます。
──確かに浜野さんのライブはひたすらゴージャスで大胆です。
キャパが大きくなるにしたがってどんどんやりたいことが爆発しすぎてて、スタッフさん泣かせだなと思います(笑)。会場にバイクを入れたり、元カレの悪口を紙に書いてそれを振らせたり、映像でもカメラマンさんを寝かせてぶん殴る演出を入れたり、スカートもスタイリストさんと衣装を作ってくれる人が1mm単位で計算してくれて、中がギリ見えない丈にしてるんです。わたしのやりたいことを実現させてくれる、自由に活動することを許してくれるスタッフさんのおかげで成立してますね。スタッフさんもわたしもライブは「みんなにどう楽しんでもらおうかな?」ってかなり脳みそ使ってます。
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