ニューアルバム『DEEPER』を2024年12月18日(水)にリリースし、2月から5月まで全12本のリリース・ツアーを回るfox capture planと、インディーズ・デビューから10周年のツアーを行いながら、1月15日(水)に新曲「雨が満ちれば」をデジタル・リリースしたヒグチアイ。
ヒグチアイが2023年8月、9月に発表した「この退屈な日々を」と「誰でもない街」の2曲のサウンド・プロデュースをfox capture planに依頼した、という縁で、2023年12月28日(木)に、fox capture planの年末ワンマンライブの品川インターシティホールに、ヒグチアイがゲスト出演している。
しかし、対談の機会はこれまでなかったそうで、ならば、それぞれのリリースとツアーがほぼ同じ時期になったこのタイミングでいかがでしょう、と、お願いした。fox capture planはベースのカワイヒデヒロが参加できなかったが、ピアノの岸本亮とドラムの井上司に、ヒグチアイとじっくり語り合っていただいた。
ヒグチアイが2023年8月、9月に発表した「この退屈な日々を」と「誰でもない街」の2曲のサウンド・プロデュースをfox capture planに依頼した、という縁で、2023年12月28日(木)に、fox capture planの年末ワンマンライブの品川インターシティホールに、ヒグチアイがゲスト出演している。
しかし、対談の機会はこれまでなかったそうで、ならば、それぞれのリリースとツアーがほぼ同じ時期になったこのタイミングでいかがでしょう、と、お願いした。fox capture planはベースのカワイヒデヒロが参加できなかったが、ピアノの岸本亮とドラムの井上司に、ヒグチアイとじっくり語り合っていただいた。
──ヒグチさんの「この退屈な日々を」と「誰でもない街」のサウンド・プロデュースをfox capture planが担当したのが最初ですよね。
岸本亮そうです。
──それより前は、面識とかは?
ヒグチアイないです。私がただ好きなだけで。で、私、レーベルがポニーキャニオンなんですけど──。
岸本僕ら、ポニーキャニオンからサントラをけっこう出してるので、そのつながりでオファーをいただいたんです。僕らもヒグチさんのことは知っていて。ちょうど、「フィーチャリング・ボーカル、誰がいいか考えといて」っていうミーティングがあって。ヒグチアイさん、いいんじゃないかなと思っていたら、その翌日に逆にオファーがあったんです。
ヒグチそれがめっちゃうれしくて。いまだにそれを宝物に生きてます。
井上司(笑)。
ヒグチでも、その後、ずっとオファーがないな、とは思ってます。
岸本ああ、そうですよね。 すみません(笑)。
──頼む前に実現してしまったから?
岸本はい。でも、こっちが曲を書いて歌いに来てもらうというのも、ゆくゆくはやりたいので。
──ヒグチさんに歌ってもらいたいと思ったのは?
岸本「悪魔の子」が名曲で、ボーカルもすばらしかったので。それで、「この退屈な日々を」と「誰でもない街」を一緒にレコーディングしたあとに、僕らの年末のライブに、ゲストで出ていただいたんです。その時も、この2曲と、あと、よかったら「悪魔の子」も歌ってください、と。僕たちは制作にはまったく関わってないんですけど。
井上ライブの告知でラジオに出る時、(岸本が)「ヒグチアイさんのあの名曲を一緒にやるんで、ぜひ来てください!」って(笑)。
ヒグチうれしすぎる。そのライブのためにアレンジをしていただいて、私はハンドマイクで歌わせてもらって。もうスタジオでのリハから感動しました。「こういうふうにやってるんだな」と。
岸本そうでしたか。
ヒグチそもそもあんまり他の方のリハに参加することがないので。foxのリハは、ちゃんと進んで行くんだけど、なんだか、優しい空気がずっと流れていて。その感じとかも──。
井上確かに、ピリピリは全然してないですね、foxは。
ヒグチ「あ、いつもやわらかい空気なんだな」というのに、すごく感動して。ライブの雰囲気はいいけど、リハの雰囲気は悪い、みたいなことも、バンドってあると思うので。
岸本うれしいですね、そう言っていただけると。まあ、人間力です。
井上自分で言う(笑)。
ヒグチいや、ほんとに! 私にとっては、音が、すごい攻めてるイメージのバンドなので、裏側はこんなにやわらかいんだと思って。もっと殺伐としていてもおかしくないのに。
井上それ、よく勘違いされるんですよね。それを払拭したくて、去年ぐらいから、Xでユルユルのスペースをやってます(笑)。
ヒグチひとりピリピリしている人がいたら、そこにひっぱられる気がするんですよ。
──実感がこもってますね。
ヒグチ(笑)。いや、私はほんと、バンドを組めないタイプだと思うんですけど。だから、みなさんが3人ともそうなんだな、というのが、うれしいんです。すごく幸せでした。
岸本自分たちのレコーディングはいつもそうですね。
井上誰かがfoxのレコーディングを見に来たら、「これ、大丈夫なのかな」って思われるぐらいユルユルなんで。以前、エンジニアが受けたインタビューで言ってました。「こんなに生ぬるく生きてる奴らがこんな音源を作って、俺がいちばんびっくりなんですよ」って(笑)。
ヒグチゆるい方が絶対いいと思うんですよ。
──ゆるく作れてます? ご自分の時。
ヒグチいえ、全然(笑)。私がいちばんゆるくないぐらいの感じで…レコーディングの時は違いますけど、自分で曲を作っている時は、そうなっちゃうので。ひとりで考えなきゃいけない、自分の中からしか出てこない、ってなると…私もメンバーがほしいです。
岸本・井上(笑)。