インタビュー/牧野りえ
剣(Sadie)と猟牙(ex.BORN)を中心に結成された5人組ヴィジュル系ロックバンド、RAZOR。一切の情報が明かされないまま2016年10月16日、Zepp Tokyoにて活動をスタートさせた彼らの全貌が明らかに!11月30日に1stミニアルバム『RED INVISIBLE』をリリースし、同日に新宿ReNYにて1st ONEMAN LIVE 2016【RED INVITATION】を開催! さらに2017年1月15日TSUTAYA O-WESTにて1st ONEMAN TOUR 2017【RED INVITATION】も決定している彼ら。バンド結成のいきさつから『RED INVISIBLE』に込めた想い、ライブへの意気込みまでGt.剣とVo.猟牙の2人に話を聞いた。
猟牙「生ぬるい気持ちではもうバンドなんてできないんですよ。音楽だけは絶対に妥協しないメンバーと出会えたんです」
──まずはバンド結成のいきさつから聞かせてください。
猟牙(Vo.) 昔いち度、Sadieと対バンしたことがきっかけでLINE交換して。去年ですね、剣さんが“ごはん行きましょう”って誘ってくれて2人で会ったんですよ。僕もバンドが終わって次どうしようかな?っていう時だったので、どこかにこれからのことも視野に入れつつ、まず会ってみようっていう感じでしたね。
剣(Gt.) 僕のほうはガチガチに今後のヴィジョンがありました。ごはんを食べつつ、お酒を交わしつつ、“実はこういうヴィジョンがあるんだよね”って猟牙に話をさせてもらって。年間計画やスケジューリングもノートに書いてましたね。ただ“一緒にバンドをやりませんか?”だけだと次に繋がんないなって思ったので。
──その計画ではヴォーカリストは猟牙さんと決めていたんですね。
猟牙 ありがたいですよね。剣さんは先輩だし、すごい人だなっていう認識があったんで、最初は多少構えてる部分があったと思うんですけど。むちゃくちゃ熱くて、楽しかったんですよね、音楽の話をしてるのが。そこで剣さんが書き溜めてたデモ曲をたくさん聴かせてくれたんですけど、クオリティが高いし、めちゃくちゃ音楽が好きなんだなっていうのが伝わってきて。そこに俺はおもいっきり惹かれたんですよね。そのデモも細かく作り込んでるんだけど、俺が“もっとこういうふうにやりたい、こういうふうにしないか?”って言ったら、“面白いね”と言ってどんどん取り入れようとしてくれて。そういう人間を俺は求めてたんですよね。
剣 ある程度の経験を積んでくると、“こうあるべきだ”っていう固定概念ができてしまうんですよね。でも僕は“これじゃないと嫌だ”っていうのがいい意味でなくて、いろんなものがやりたいなと思っていて。それにバンドを一緒にやっていくうえで融合が大事なことなので。
──じゃあ初めて2人で会った時から意気投合されたと。剣さんは10年続けてきたSadieを活動休止し、猟牙さんは8年続けてきたBORNを解散したわけですよね?また一からバンドを始めることへのモチベーションってすごく難しいと思うんですよね。
猟牙 そう!だから生ぬるい気持ちではもうバンドなんてできないんですよ。僕は常に面白いことを探してる人間なんですけど、その時その時に投げかけた案に対してすぐキャッチボールができて、音楽だけは絶対に妥協しないメンバーと出会えたんです。
剣 確かに10年やってきて、また一から繰り返すのかって思うんですけど。それでもなぜやるかといえば、音楽をしたいからなんですよ。今の自分にとって音楽がなければ生きる価値がないんですよね。音楽をしたいっていうのが根底にあるから何でもできちゃう。
──音楽なら何でもいいわけじゃなくて、このメンバーだからモチベーション高く持ってできているっていうことですよね。
猟牙 そうですね。俺、本当にメンバー1人1人をリスペクトしていて。そういうやつらの前で歌える嬉しさと、自分も“こいつらを背負っていく”っていう責任感もあるし。日々すごく高揚してますね。
剣「今は“ヴィジュアル系”という言葉がひとつのカテゴリーになってますけど、根底にあるのは音楽だ、っていうことをちゃんと示したかったんですよね」
──1stミニアルバム『RED INVISIBLE』はさすがに経験豊富なメンバーが集まっただけあり、始動して間もない新バンドとは思えないクオリティの高い作品ですね。また、今お話ししてくれたように音楽に対する熱というか、“このバンドで音楽をやりたいんだ!”っていう初期衝動がすごく詰まっていると思います。
猟牙 それは嬉しい。正直、自信作ではありますね。メンバーが持ってくる楽曲とかフレーズとかもカッコいいのしかないし。みんなと築き上げていってる感じはすごくありました。メンバー全員、“もっとこうしたほうが面白い”っていうアイデアがどんどん出てくるから。相当カッコいいものが作れるなっていうモチベーションがあったから『RED INVISIBLE』のレコーディングもすごく力が入ったし。
剣 本当、できる奴らばっかりなんですよね。新たに始めるバンドって難しかったりするんですよ。どうしても以前やってたバンドのファンの子たちのイメージもあったりして、認めてもらうまでに時間がかかったりすると思うんですけど。でもそこで音楽に説得力を持たせれば、自分たちが今何がやりたいのかっていうことが伝わるんじゃないのかなって。そこを大事にしつつ、本気で攻めていきたいという気持ちを持って制作しましたね。そういう意味でも名刺代わりの一枚ができたなと思います。
──また、ヴィジュアル系ならではの狂気、刹那、耽美、悲哀などが楽曲の至るところに散りばめられています。
剣 今は“ヴィジュアル系”という言葉がひとつのカテゴリーになってますけど、根底にあるのは音楽だ、っていうことをちゃんと示したかったんですよね。見せかけだけの写真のカッコ良さではなく、“音楽の根本がこうだからこういうヴィジュアルで表現するんだよ”っていう。音楽とヴィジュアルの融合、そこを自分たちは大事にしていきたいと思ってるんですよ。
猟牙 僕、本当にいろんなジャンルの音楽が好きでよく聴くんですね。もちろんメイクしなくてもカッコいい音楽をやってるバンドはカッコいいんだけど、ヴィジュアル系にしかない魅力に取り憑かれてるんですよ。ヴィジュアル面での表現が音楽と融合されてるから、やっぱ独特な魅力があるんですよね。そこになんかロマンを感じて仕方がないんです。
ファンと共に創り上げる、RAZORのライブ