心屋仁之助、心理カウンセラーの彼が音楽を奏でる理由、永年の夢だった日本武道館での独演会で区切りをつけたいこと、様々を語る。

インタビュー | 2016.11.27 10:00

心屋仁之助

インタビュー/岡本明

──ここ数年で、精力的に音楽活動をされるようになっていますけれど。

はい、それまで趣味の範囲でやってはいたんです。曲も作っていたんですけど、発表する機会もなかったので、作っては消えて、を繰り返していて。メロディもそのつど変わったり、そのぐらいのレベルだったんですけど、ちゃんと作ろうと思ったら作れました(笑)

──何かきっかけはあったんですか?

基本の仕事はカウンセラーをやっていますけど、カウンセリングとか講演会で喋る言葉って、だいたい似通ってくるんです。人の心に響く言葉も似通ってくる。その言葉を毎回聞いてもらうにはどうしたらいいんだろうって考えた時、その言葉を凝縮して歌詞にして、それをメロディに乗せてCDに焼いて届ければ、大事な言葉をずっと聞き続けることができる。言ってみれば、本の代わりにCDを作ってみたんです。部屋で流しているだけでもそこにいる人の耳に入るし、車でかけているのを同乗者が聞いてくれたらその言葉が響く。そういうことになれば、その人たちが誰かの心を救ってくれるんだなと思った時、ちゃんとした楽曲にしてCDを世に出そうと思ったんです。カウンセリングのツールの一つとして始めたんです。

──CDにしたほうが間口も広がるし?

そうですね。ブログやフェイスブックで僕が思いついた言葉をざっと並べたら反応のいい言葉、そうじゃない言葉があって。そこで、“いいね!”がたくさんついた言葉の塊りを整えたら歌詞になるわけです。つまり、“いいね!”がいっぱいついた歌詞は心に響くことが決定しているんです。あとはそこに上手にメロディをつければ…、ま、それが難しいんですけど(笑)。そうやって曲になったものを講演会やイベントで歌っていたんですね。そうしたら、あの曲が聴きたい、という声が返ってきて。その聴きたい曲の上位ランキングがCDになってる(笑)。だから、いい物しか詰まってない、という作り方です。

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──届けやすいし、受け取る側にも響きますね?
それと、音楽を使おうと思ったのが、講演会である話をして喜んでもらえても、同じ人がまた講演会に来た時、同じ話をしていると“またか”と思うじゃないですか。ところが、コンサートでそのアーティストが同じ歌を歌っても、それを分かってて聴きに来るわけですよ。逆に、その曲を聴きたくて来たのに、やらなかったら不満が募りますよね。それが音楽と講演会の違いなんです。あれが聴きたい、定番が聴きたい。講演会だと“また同じ話か”になるし、本だと読み飛ばされる。だけど音楽だと、“あの曲をやってほしい”となる。それが、音楽を使うことの意味かなと思ったんです。

──実際にCDを出されて、どういった反響がありました?

1枚目を出したときはひどかったです。カウンセラーなのに何しているの?って言われて。しかもヘタクソで、大炎上したんです(笑)。でも、一番売れた。2枚目、3枚目と出していくと、今度は歌を歌わないとブーイングが起きるようになって。最近は歌を楽しみにしてくれる人が来てくれるようになって、5年後ぐらいに、“なんで講演するんですか”ってブーイングが来るようになっているかもしれないです(笑)。しかも、 子供にもすごく好評なんです。車の中でこれをかけるようにおねだりしてくるらしくて。最近ではアニメのテーマソングに勝ってるらしい(笑)。その子たちは講演会じゃなくて、音楽から入ってくれたわけですから。それも音楽をやっていこうと思ったきっかけのひとつですね。

──お子さんにどういうところが響いたんでしょう?

よくわからないんですけど、しっとりした曲でもノリのいい曲でも喜ぶ。親より先に歌詞を覚えている。聴きながら、“これってママの歌だね”って。おかあさんの心情を歌っている歌が多いので、指摘されてびっくりして泣けてくるとか。

──泣けたり笑えたり、感情の生々しい部分に共鳴するんでしょうね。

カウンセリングしていたら、夫婦、お金、親子の話とか、全部根っこがひとつなんですよ。その根っこの話をここに詰めているので。人が自分の悩みの根っこだと気づいてないことに対しての歌なので、これを聴くとびっくりする人が多いみたいです。聴いてて、“あれ、涙出ている”、みたいな効果もあるらしくて。僕の代わりにカウンセリングをしてくれているのがこの楽曲たちです。

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──最新作の3枚目のアルバムですけど、ずっと『魔法のうた』というタイトルで統一されて、Ⅰ~Ⅲと出されていますよね?

僕はカウンセリングしてて、その人にとっての大事なキーワードが分かるんです。そのキーワードを言ってみてくださいと、心に引っ掛かる言葉を言ってもらおうとすると、言うことに抵抗があって言えなくて涙が出てくる。そういう言葉があるんですけど、それでこのタイトルにしました。魔法の言葉にメロディが乗ったから、『魔法のうた』。それで、どれが新しいアルバムかわからなくなるので、ナンバリングしています(笑)

──ということは、言葉が生まれてからメロディをつけていくわけですか?

そうです、言葉が先行します。メロディはなかなか降りてこないけれど、言葉はいっぱい降りてくるんです(笑)。しかも、CDを作るためにレコーディングしてて、楽曲なのでうまく歌おうとするじゃないですか。そうするとプロデューサーがうまく歌わないでくれと言うんです。うまく歌うことより言葉を届けるほうが大事なので、もっと喋るように、朴訥でもいいから喋るように歌ってほしいと。CDで僕にお説教をしてもらいたいらしいですね(笑)

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