NOCTURNAL BLOODLUSTが最大攻撃力で放つ最新のサウンド。ワンマンライブを控えるメンバー全員に話を訊いた。

2022.11.29 12:00

──今年5月に最新アルバム『ARGOS』がリリースされてから半年が経ちました。それぞれ同作はどんなアルバムだと感じていますか?
Masa(Ba)今の自分達が持っている最大限の攻撃力を詰め込んだアルバムという印象です。といっても、ただ単に激しいだけではなくてドラマ性を持たせた楽曲が多いし、単調にならないようにすることも意識したんです。だから、聴き応えがあって、何回聴いても飽きないようなアルバムにはなっているんじゃないかなと思います。
尋(Vo)ハンパない攻撃力だと思います。歌に関しては、メンバーが変わってから出す最初のアルバムなので新しいNOCTURNAL BLOODLUSTを提示したくて、表現を変えていって。そのスタイルにフィットするボーカルを入れていったら、シャウトが多くなりましたね。原点に戻ったといえば戻ったという感じなのでリラックスして作りはしましたけど、攻撃力の高いアルバムになったなと思います。
Natsu(Dr)『ARGOS』は……速いです(笑)。ドラムが速いんですよ。音源ができたときに、最初は“これを、ライブでやらないといけないんだ……”みたいな(笑)。叩けるようになることが前提ですけど、技術的な挑戦の面では今までのNOCTURNAL BLOODLUSTの中で1番ハードルが高かった。でも、速い曲が並んでいると、それが普通になるじゃないですか。ライブでも叩き甲斐があって、毎回手応えを感じています。
Valtz(Gt)いつもと同じように、そのときのベストを叩き出したという一言に尽きますけど、どうだろう……バリエーションに富んだアルバムではなくて、ある1点を尖らせたアルバムだとは思っている。なので、聴く人を選ぶかもしれませんが、それでも構わんというようなところがありますね。“みんなに良いと思ってもらえるように、お利口さんのアルバムにしよう”みたいなこととは真逆のアルバムで、そこが良いんじゃないかなと思っています。あとは、アルバムに先駆けてリリースした配信シングルだったりはそのときの衝動を詰め込んでいたけど、新曲に関しては衝動というよりも個人的にはプログレッシブな要素を入れたいというのがあって。だから、何回か聴かないとわからないような要素を入れるようにしながら曲を作っていきました。その曲をモチーフにして自分達も成長したいという気持ちがあったんです。衝動を詰め込んだ楽曲と構築した楽曲の両方が入っているし、作曲者によるカラーの違いも出ていて、フル・アルバムならではの醍醐味を提示できたんじゃないかなと思います。
Yu-taro(Gt)僕の中では、密度の濃いアルバムだなという印象です。洋楽アーティストは捨て曲みたいな曲が入っているアルバムが結構あるんですよね。『ARGOS』は捨て曲がなくて、最初から最後まで通して聴いたときに全部良かったなと感じてもらえるアルバムになっていると思う。満足感たっぷりな、お得なアルバムです(笑)。

『ARGOS』

──それは、間違いないです。そして、12月9日に“INVASIONS of ARGOS”というアルバム名を冠したワンマン・ライブが恵比寿LIQUIDROOMで開催されます。それにちなんで皆さんのライブ観をお聞きしたいのですが、まずはそれぞれの人生初ライブがどんなライブだったか話していただけますか。
Masa初ライブは高校生のときでした。僕は途中から専門学校みたいなところに転校して、その学校には「洋楽クラス」というのがあったんです。メタル好きがいっぱい集まっていて、Natsuもその学校に通っていたんですよ。
Natsu代は被ってないけどね。
Masaそう。今CRYSTAL LAKEでドラムを叩いている田浦(楽)とかもいて、一緒にコピーバンドを組んで、文化会館みたいなところでライブをしたんです。スリップノットとか、コーンとかをやって、もうその日のライブで1番盛り上がりました。すごく気持ちよかったし、楽しかったです。全然、緊張しなかったし。
そのときのMasaはツナギを着て、仮面を被っていなかったっけ?
Masaそう(笑)。結構ガチガチに作り込んでいた。今考えると、わりと本格的な感じでしたね。
Natsuそれがうちの学校の伝統みたいになって、僕の代まで引き継がれていました(笑)。
──後輩が憧れる、カッコいい先輩になられたんですね。
Natsuなりました(笑)。それで、チヤホヤされるから、他のクラスから洋楽クラスに生徒がどんどん移ってきたという。そんな、派手なデビューでした(笑)。
俺は15才か16才のときに、地元のライブハウスに出たのが最初だったと思います。コピーバンドでマリリン・マンソンとかリンプ・ビスキット、グリーンデイ……。
Masaあれ? なんか急に路線が変わってない?(笑)
そう(笑)。あと、ニルヴァーナの『Smells Like Teen Spirit』もやった。なんか、もう好きなのを全部やるという感じのバンドだったんです。ライブは、もうクソみたいなライブでした(笑)。全員めちゃくちゃヘタなバンドだったから(笑)。でも、その頃というのはヘタさはわからないじゃないですか。だから、すごく良い印象が残ったけど、時が経ってからその日のライブを聴いて、“めちゃくちゃヘタクソやん、こいつら”と思いました(笑)。
Natsu僕は人生の初ライブは目黒鹿鳴館でした。DIR EN GREYのコピーバンドで出たんです。
──えっ! 最初が鹿鳴館ですか? ちなみに、それは何才くらいの頃でしょう?
Natsu中学の終わり……15才だったときの2月です。
──えええっ! 中学生で鹿鳴館! 凄いじゃないですか。
Natsu凄い……のかな(笑)。メンバー募集のサイトみたいなのを見てメンバーと巡り合って、僕は入りがヴィジュアル系だったのでDIR EN GREYとかthe GazettE辺りが好きな人が集まったバンドでした。『秒「 」深』とか『DRAIN AWAY』『umbrella』とかをやりましたね。鹿鳴館はステージが高いじゃないですか。それが、すごく気持ちよかったです。
──わかります。友達とかも来てくれたでしょうしね。
Natsuいえ、全然です(笑)。もうガッラガラの中でライブをしました。でも、それが初めてだったので、お客さんが少ないこととかは全然気にならなかった。鹿鳴館でライブをして、学校で自分だけ大人になったような気がしたことを覚えています。でも、これ言っていいんですかね? 中学生がライブハウスに出るのって、問題ないですか?
一同ないよ!(笑)
Valtz自分は中3のときです。短期的にギター教室みたいなところに入ったときがあって、その中でメンバーを探してくれるということになって。それでバンドを組んで、X(X JAPAN)の『WEEK END』とLOUDNESSの『DREAM FANTASY』辺りで感触を掴んだ後に、インペリテリに……。
Masaえっ? 中学生で、インペリテリ?
Yu-taro早くない?
Valtz早いかな? 僕らはインペリテリの『Rat Race』という曲をやったんですけど、当時は周りがみんなレーサーXを聴いていて、『Technical Difficulties』をみんな弾いていたんです。だから、自分達の中では普通な感じでしたね。ただ、その頃からギター・ソロとかは独自にアレンジしていたんです。今となっては、完コピしろよと思いますけど。手癖の速弾きはどれだけ弾いても身にならないし、当時はただ速いだけに聴こえたインペリテリのプレイも今聴くとちゃんと旋律があるから。
──でも、「完コピできないから、この曲はやめよう」ではなくて、中3にしてアレンジすればいいだろうと思ったというのはさすがです。
Valtzそう言われると、そうかもしれない。音作りとかは聴けたもんじゃなかったと思うけど、自分なりにアレンジしたことも含めて、手元でできることは自然とやっていました。
一同すげぇな。
Yu-taro僕は高校生のときに地元のライブハウスで、人生で初めてつき合った彼女と一緒にライブをしました。
一同えっ! なんだって?
Yu-taroその子は地元の高校の文化祭で歌っていたんですよ。それで、本当によこしまな気持ちで「一緒にバンドやろうよ!」といって、ライブをすることになったんです。SHAKALABBITSのコピーをしました。楽しかったですね。めちゃくちゃ青春していました(笑)。ライブが終わったら告白しようと思っていて、告白して、初めて彼女ができたんです。
夢、掴んでるじゃん。高校生ドリーム(笑)。
一同たしかに(笑)。

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