──そうして、ここからはseekさんにも加わってもらってMIMIZUQの話を聞きたいと思います。森さんの「answer」には最終電車が出てきますけど。いまのMIMIZUQも電車に乗ってというコンセプトがあるじゃないですか。そうしてMIMIZUQの「孵化」には“ニセモノの涙”という歌詞がでてきますけど、その前に森さんは「ぱちもん」という楽曲を作っていたり。これはAYAさんが森さんに寄せているのか、それともたまたまかぶっているだけなんですか?
森じつは、AYAさんには同じような感度を僕は感じてるんですよ。MIMIZUQは“涙ミュージック”というコンセプトなんですが。同じような寂しさ。その感度が似てるというか。曲を僕が持って行ったときも、既存のAYAさんの曲を聴かせてもらったときも、歌詞の世界観は同じところから書き始めてるなと思うんです。それが1番のMIMIZUQに加入できるかもと思ったきっかけではあります。「それ、僕分かる」って。
seek同じことをAYA君も思ってると思います。元々森君と接点があったのは僕だったんですけど。「森 翼君というボーカルがいてね」とAYA君に資料的なものを聴かせたとき、しょっぱなから「この子と会いたい」という反応でしたから。感度が近いというか、チャンネルの周波数がハマってるんだなと2人を見てると思いますね。
──「孵化」はまさにそのチャンネルの周波数がかなり近いところでハマっている。
seekだと思います。
──そもそもseekさんが森さんに声をかけようと思ったきっかけはなんだったんですか?
seek声ですかね。翼君の存在はもう5年以上前になるんですけど、僕は1度彼のラジオに出させてもらって。
森ゲストで出ていただいたんですよ。
seekそれ以降もSNSは拝見してたんで、森 翼というシンガーソングライターは素敵な声で素敵な人柄だなというのはあったんですが。そのときは、一緒にバンドをやるという方向に考えは向かなかったんですね。それで、ちょうどMIMIZUQのボーカルが脱退するというタイミングで、メンバーとどういうボーカルがいいですかねというところから、翼君の声に全員が惹かれて。ツイッターのDMで声をかけさせてもらうということになったんです。新しいボーカルを迎えてとなると、普通ならいついつからツアーがあるので入ってくださいというビジネスっぽい誘い方になると思うんですが。翼君の場合は「僕らと一緒に音楽をやりませんか?」と純粋なところで声をかけたかったというのは個人的にはありました。でも、本当に行動力、エネルギーのある人で。それは会って、しゃべるようになってから感じました。曲とか声はいい意味で癖のない、優しい人なのかなというイメージなんですけど、こうして会って話したらすごい熱量で。彼が歩んできた人生のドラマも、そこに影響してるんだと思うんですけど。
──思ったら即行動できてしまうエネルギーはすごいですよね。
seekだから、声と見た目とこの中身のギャップがあるかもしれないですね。そこはこの1年間、一緒にバンドをやるようになっていろんな森 翼のドラマを聞いてきて「やべぇなこいつ」と気づいた部分です(笑)。それで、よりこの人とバンドをやりたいなと感じましたね。あと、ライブがすごい楽しくなりましたね。そこの刺激はすごいです。僕らはヴィジュアル系という世界で生きて、そのなかでも比較的コンセプチュアルなバンドを僕らは得意としてやってきたので。まず、型を先に作っちゃうんですよ。それを、中からどんどんぶち壊していく感じを森 翼にはライブ中、よく感じるんですよ。世界観を引っ張っていくボーカリストが、縦横無尽に走り回っていくのを感じるので、ライブが楽しいです。もちろん、コンセプトや世界観。そこはAYA君がちゃんと作って、列車が旅に出て、こういう街に行く、そうして僕らが得意とするキャラクター、猫とウサギとたぬきがいてね、というようなシナリオ。物語としてはもちろん楽しいんですけど。それをどんどん引っ張っていく人が翼君だと、そこに翼君ならではの面白さが生まれるんですよ。
──それは具体的にいうと?
seekイベントとかそうなんですけど、翼くんは即興が武器なんですよ。その日のバンドの出演者をその場で曲にしちゃったり。なんなら、そのバンドの曲の一節までフィーチャーして曲にしちゃうというようなことをイベントで平気でぶち込んでくるんです。
──ソロの『bouquet』の「めっちゃE」では歌の途中で謎かけやっちゃうんですもんね?
森そうなんです(笑)。
seek僕らが育ってきたところでは出会ったことのないタイプなんです。僕らでいうヴィジュアル系特有の一つの型のなかにどんどん即興を入れてくるから、どのライブを観てもその日の楽しさを感じてもらえると思うんです。そこは、翼君がいままでシンガーソングライターとしてライブを中心にした活動で培ってきたものだと思うんですね。それに僕ら自身がライブ中一番興奮しているんで。本当に面白いと思いますよ。MIMIZUQはこれからのバンドとして楽しみです。
──MIMIZUQは6月18日、東京渋谷・PLEASURE PLEASUREで<MIMIZUQ 4th Anniversary ONEMAN LIVE MIMIZUQと時巡りの列車 MONSTER GIRL in the Child Room>を開催しますが。こちらはどんなライブになりそうですか?
seekホールという特徴もありますし、僕らは毎年周年をここでやらせていただいてるのですごく会場自体にも思い入れがあるんですけど。あの形のなかでやらせていただくことと、翼君が入って1年ということでもあるので。この1年間、イベントとかに出てみて、自分たちはこんなこともできるようになったんだというのが分かったので。今回は6月8日にデジタルシングルとしてリリースする新曲「Child Room」もやりますし。新しいMIMIZUQを作っていけてると思うので、ぜひ観に来ていただければと思います。
PRESENT
森 翼&seek 寄せ書きサイン色紙を1名様に
※転載禁止
受付は終了しました