僕は自分のことを知ってもらうのがむちゃくちゃ好きなんですけど。僕じゃない人が、僕が伝えてくれたら新しい化学反応が生まれるんじゃないかなと思って、「僕の曲を書いて下さい」とシンガーソングライターのさいとうりょうじ君という人に楽曲を頼みに行ったんです。
はい。これが今回のアルバムでいうと一番新しい挑戦ですね。いままで音楽をしてきたなかでも、誰かに自分のことを書いてもらって歌うというのは一番の挑戦やと思います。あと、初めてということでいったら、僕は姉ちゃんとおかんと3人で大阪の団地で育ったんですけど。お母さんに曲を書いたことはなかったんですよ。むちゃくちゃありがとうってずっと思ってるし、いつも心配になるし、心配もしてくれてるのも分かってるんですよ。けど、電話かかってきても、面倒臭そうなスイッチが入った状態でしか出られへんみたいなのがあって。
そうなんですよ(苦笑)。そんで、コロナになって大阪にも全然戻れなくなって。僕は今年37歳になるんですけど。おかんは60歳過ぎかな。おかんが頑張ってあと30年生きてくれたとしても、僕が年に1回帰れたとして、あと30回しか会われへん。それをお前はどう使うねんって思ったんです。でも、これは俺だけじゃなくてみなさん、そうだと思うんです。それで、よし“おかん、ありがとう”って伝える曲を書こうと思って。母の日やったかな? 作った曲をSNSにアップしたんです。そしたら「あれいいね」、「もう1回聴きたい」、「会話がそのまま音楽になってるみたいであれ好きやわ」といろんな人がいってくれたから、今回このアルバムに入れてみようかなと思って。お母さんに向けて初めて書いた曲を「マザー」というタイトルで入れたんです。
ファミマで流れてるのをおかんに聴いてもらえたら嬉しいなと思ってるんですけどね。ほんまにウチは貧乏だったんですよ。だけど、貧しかった記憶が僕にはまったくなくて。ずっと誰かに愛されてるというだけで、こんなに恵まれてる気持ち、温かい気持ちになれるんだというのを大人になってみて、そのとき初めて親の愛情の深さというのが分かりましたね。
おかずということでいうと、ウチはおかずの1品として天かすが並んでたんです。みんなそんな感じのご飯を食べてるんやろうなと俺は思ってたんですけど。高校生のとき、おかんの料理で何が一番好きかってみんなで話してるときに、僕が「天かす!」っていったらみんなが戸惑ってて。「いままでようこんなに明るくやってきたな」みたいな感じになったんですけど。いやいやいや、天かすは森家では1、2位争うぐらいのご馳走やでって」
今回ジャケットのバックは花束で、タイトルも花束にしたかったんですね。けど、漢字にしたらイラストと相性がよくなかったのでbouquetにしたんです。
はい。花といえば、おかんに保育園の頃だったかな? 母の日に花をあげるというのをテレビで知って、お小遣いをもってスーパーに一人で花を買いに行っておかんにそれをプレゼントしたことがあったんですよ。それは、菊の花やったんです。カーネーションをあげるとかまだ知らんかったから、白い菊を買って渡してしまったんですよ。でも、おかんは「こんなん貰ったことないわ」ってめっちゃ喜んでくれたんですね。それで、僕が中学生ぐらいの頃、初めて彼女ができたときにおかんがいったんです。「あんた、一応いっとくけど、菊の花は贈ったらあかんで。あんたが小さい頃、初めて私に花をプレゼントしてくれたとき、菊の花やったから。これはちゃんと憶えときや”って。そこからは、毎年菊ではないちゃんとした花をおかんには贈ってるんです。
NEWアルバム「bouquet」視聴はこちら
【リリース情報】
5/3配信release!
森翼NEWアルバム「bouquet」収録曲
1.やめなはれ
2.フリーウェイ
3.マザー
4.君の拍手、僕の明日。
5.お前センスないな
6.めっちゃE
7.answerCDはLive会場又は通販で5/20発売!
ライブスケジュールはこちらhttps://t.co/dcPczHRY5r pic.twitter.com/WUflEmoxPr
— 森 翼/MIMIZUQ (@mori_tsubasa) April 29, 2022