koboreが自身最大キャパの会場に挑む全国ツアーを開催!佐藤 赳(Vo&Gt)と田中そら(Ba)に話を聞いた。

インタビュー | 2021.09.12 17:00

2020年8月に、フルアルバム『風景になって』でメジャーデビューした東京府中発の4人組ロックバンド、kobore。もともとライブハウスを主戦場に活動し、頭角を現してきた彼らゆえ、コロナ禍でのライブ復帰も早かった。ギターボーカルの佐藤 赳は弾き語りツアーを2020年7月から開始し、バンドも同年9月に全国ツアーを開催。2021年に入ってからも初のワンマンツアーと、6曲入りEP『Orange』リリース直後に同世代のロックバンドをゲストに招いたツーマンツアーと、2本の全国ツアーを完遂している。そしてこの秋、バンド史上最大キャパのEX THEATER ROPPONGI公演を含む、全国23箇所を回るワンマンツアー2021「ZERO RANGE TOUR」を開催。コロナ禍でのライブツアーを通し、彼らはどんなことを思い、感じてきたのだろうか。フロントマンの佐藤 赳と、ベースの田中そらに、この1年間を振り返ってもらった。(※インタビューは2021年8月16日に実施)

「先が見えない状況だけどツアーが決まっている」ということが強い心の支えになった(佐藤 赳)

──最近のkoboreはツアータイトルがいつも個性的ですよね。去年の秋から冬にかけての「HEBEREKE TOUR 2020」、今春開催の初のワンマンツアー「HARU ICHIBAN TOUR 2021」、夏のツーマンツアー「FULLTEN TOUR 2021」。
佐藤 赳(Vo&Gt)僕としてはライブは中身が大事だと思っているので、本当はタイトルも「作品名リリースツアー」とか、なんなら「kobore 1stツアー」「2ndツアー」にしたいんです。でもメンバーや関係各所からの無言の圧で「それじゃ面白くない」と言われているような気がして(笑)。
田中そら(Ba)んー、まあそうだね(笑)。koboreは昔からリリースとか関係なくツアーをやりすぎてるから、ちゃんと冠をつけないとこんがらがってくるところもあります。
佐藤こんなこと言うわりに、メンバー誰も相談に乗ってくれないんですよ? 事務所からの「ツアータイトル早く決めてください」という連絡が恐怖です(笑)。こだわりもないし、なんでもいいんだけどなあ……と思いながらパッと思い浮かんだタイトルをつけて、ツアーを回っていくうちに「スラッと決めたわりには結構いいかも!」と愛着が湧いてきます(笑)。

佐藤 赳(Vo&Gt)

──ははは。少し振り返りたいのですが、koboreは初回の緊急事態宣言明けからライヴの再開までが早かったですよね。2020年6~7月は、また急に緊急事態宣言が出て公演中止要請を受けたら大打撃になるから、なかなか観客を動員したライブ開催に動き出せない、先が見えない状況だったと記憶しています。
佐藤前例がないなかで開催を決めて、関係各所から「えっ、ツアーやるの!?」と驚かれたけど、ライブが出来ない期間ほんっと地獄だったし、このままじゃだめだと思ったんです。こういうものは誰かが最初に動かないと始まらないじゃないですか。8月にメジャーデビューもしたし、自分の曲をいろんな街に持っていきたかったし、どんな状況であってもkoboreのスタンスとしてはライブをやりたかった。感染症対策をしっかりして、ライブハウスとも1件1件ちゃんと話し合って、ガイドラインを守れば開催できる。それならやろうと思ったんです。
田中僕としては「この状況でライブをしてもいいのかな?」と不安がありました。それを抱えたまま「HEBEREKE TOUR 2020」を回り始めたんですけど、行く先々のライブハウスのスタッフさんが「来てくれてありがとう」、「来てくれて助かります」と言ってくれたんですよね。そういう言葉をもらいながら、だんだんツアーを回ることに前向きになっていきました。でもコロナウイルスが蔓延している以上、いつも多少なりとも「ライブをしても大丈夫なのかな」という思いはあります。
佐藤……僕らにとってはこれが仕事だからね。メンバーでスタジオに入って練習や曲作りをするのは、会社員の人たちがオフィスでないとできない仕事をオフィスでするのと同じというか。
──そうですね。仕事であり生きがいでもあるし、koboreはライブやツアーで実力をつけてきたバンドでもありますし。
田中自粛期間中、ライブができないこと、ライブに行けないことがこんなにつらいんだ……と痛感したんです。音楽が大好きだからバンドをやっていたけれど、「音楽とごはんどっちを取る?」と訊かれたら迷わずごはんを取る人間だったのに、命に関わるレベルですごくつらかった。ツアーを回るのはしんどいけど、ツアーを回れないのはその比にならないくらいしんどい。自分には音楽がこんなに大事なんだなと知りましたね。
佐藤先が見えない状況でツアーを決めるのはリスキーである反面、「先が見えない状況だけどツアーが決まっている」ということが強い心の支えになったんです。4人全員が音楽に対して高いモチベーションを持つことができました。ツアーを回るっていいなと思いましたね。
田中うん。ツアーを回れば回るほど、いい方向に物事を考えられるようになって。マスクをしていたとしてもお客さんの顔が見えるとほっとするし、ライブをすればするほど元気になっていきました。それもライブハウスの徹底した感染症対策があってできたことです。「HEBEREKE TOUR 2020」で感染者報告がゼロだったことも自信になったし、その後のツアーにつながっていきましたね。

HAPPY SONG (Official Video)

──今年の春に開催した初のワンマンツアー「HARU ICHIBAN TOUR 2021」は、これまでのツアーや単発のワンマンとは感覚が違いましたか?
田中koboreは逆境に強いバンドなので、アウェイな場所や初めての場所、人気のあるバンドとの対バンでいいライブをすることが多いんです。でもワンマンは僕らを好きな人しかいない。「全員が味方のツアーで結果を残すことができるのかな?」という不安もあったんですけど、初日を迎えた瞬間にただただ「楽しい」しかなかったですね。メンバー内の雰囲気も対バンのときとちょっと違って。若干ワンマンのほうが笑顔が多い(笑)。

田中そら(Ba)

──対バン相手とひりひり切磋琢磨したり対抗心を燃やすのではなく、メンバーと協力するような、ということですね。
田中傍から見れば多分、ほんのちょっとの違いなんですけどね。でもそれが大きな違いに感じたかな。とにかく楽しくて、対バンももちろん楽しいんだけどワンマンばっかやりたいなと思っちゃいました。
佐藤そらの言うとおり、対バン相手がいないっていうのは大きかったですね。必然的にライブを作ってくれるスタッフさんたちとコミュニケーションを取る時間が長くなるんですよ。そうするとふだん見えないことが見えてくる。ローディーさんはギタースタンドのところに消毒液を置いて、ギターチェンジのたびに消毒してくれたり、ライブハウスの人もkoboreのクルーもイベンターさんもめっちゃくちゃしっかり感染症対策をしてくれて。そういう姿を見たり、話すなかで裏方さんたちの思いを聞くこともできて、もっと自分もコロナにかからないように気をつけようと思ったし、自分を人間的な意味でも高めてくれたツアーでした。リスペクトの気持ちから、「俺もまじでちゃんとしないとな」と背筋が伸びましたね。自分たちを助けてくれる人たちとコミュニケーションを取ることはすごく大事だなと思いましたね。

公演情報

DISK GARAGE公演

kobore ワンマンツアー2021 「ZERO RANGE TOUR」

2021年9月22日(水) 千葉 LOOK・千葉
2021年9月23日(木・祝) 横浜 F.A.D YOKOHAMA・神奈川
2021年10月30日(土) 水戸 LIGHT HOUSE・茨城
2021年11月11日(木) 六本木 EX THEATER・東京
ほか全国23箇所にて開催!

ツアー前半戦のチケットは9月11日(土)10:00〜一般発売!

>>お申込み(先着)

RELEASE

『Orange』

2nd EP

『Orange』

(Columbia)
2021年6月9日(水)SALE
  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 東 美樹

    撮影

    東 美樹

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