ユアネス1stフルアルバム『6 case』を12月にリリース!初の映像演出を入れた東阪ワンマンライブも決定!メンバー全員に話を聞いた

インタビュー | 2021.08.18 12:00

多彩な音楽性と聴き手をじっくりと引き込むきめ細やかなサウンドスケープ、透明感のある歌声が支持を集める、福岡で結成された4ピースバンド、ユアネス。2020年は4月にTVアニメ『イエスタデイをうたって』に「籠の中に鳥」を書き下ろし、初のアニメ主題歌を担当。8月にはComposerの古閑翔平が『Fate/Grand Order』第2部後期主題歌となった坂本真綾「躍動」を書き下ろし(作曲/編曲)、楽器隊がレコーディングに参加するなど、バンドにとって新たな制作の機会に恵まれた。
そんな彼らが、2021年9月に初の映像演出を入れた東阪ワンマンライブ「ONE-MAN LIVE 2021“LATENT”」を開催する。東京公演はバンドにとって初のホールワンマンだ。クラウドファンディングで制作した1stフルアルバム『6 case』を12月にリリースすることを発表した彼らは、どんなモードでこのライブへと向き合うのだろうか。2020年からの活動を振り返りながら、ユアネスの現在位置を探っていった。
──2020年は精力的な活動をなさっていたようにお見受けいたしますが、どのような実りがある1年になりましたか?
古閑翔平(Gt)ライブが出来なかったぶん、「どうやって僕らの音楽を届けよう?」「どうしたら止まらずに活動していることが伝えられるかな?」と考える時間も、みんなで話し合う時間も増えました。2018年に初の全国流通盤をリリースして、2020年はバンドとしても自分たちの音楽をさらに広げていくためにはどうするべきかを考えるタイミングだったんです。自分たちに合っている方法でどうやって広げていくべきか、SNSの発信も研究しました。
黒川侑司(Vo&Gt)もともとはただ単純に、いろんな人にユアネスのことを知ってもらいたい、ライブを観てもらいたくてSNSで弾き語り動画をアップしたり、積極的に発信していたんですよね。でも2020年に入って、現場で自分たちの音楽を届けることができない状況になって。……インターネットでしか発信できないという経験は初めてだったんですよ。だからSNSの発信も考えながらやる必要があるなと。
──ライブができないという大きな喪失感を補うためにも、自分たちから新しいアクションを起こしていったということですね。
田中雄大(Ba)呼んでいただいたライブに1本出るだけでも、たくさんいろんな情報が吸収できて、たくさんの出会いがあったんだなと、ライブがなくなって痛感しました。ほかのアーティストさんがどんな活動をしているのかも、能動的に調べないと入ってこない。だから自分自身に刺激を与えるために、ひたすらいろんなメディアをチェックしてました。あとはメンバーそれぞれ好きな音楽がばらばらなので、自分ひとりでは興味を持たない情報を、メンバーの「好き」という観点から知り得たのも良かったですね。2020年もバンドとして活動してきて良かったと再確認することが多かったです。
小野貴寛(Dr)バンドが動きにくい状況になってSNSが得意なメンバーに助けられたし、いつもより出会いの機会が少ないのもあって、メンバーから学ぶことが多かった1年半でした。初めての経験も多かったぶん自分の足りないことも見えてきたし、力を蓄えるためにも重要な時間だったと思います。
古閑それまでは日本で活動ができればいいと思っていたんですけど、『イエスタデイをうたって』の主題歌を担当させていただいたおかげで海外のリスナーの方々もとても多くなって。SNSを通じて英語で「かっけえ!」という熱いアクションを直で届けてくれるんですよ。だから僕らも日本はもちろん海外の方々ともより親密になれるように、多言語の字幕をつけたり、英文を投稿したりするようになりましたね。

「籠の中に鳥」Official Music Video【アニメ「イエスタデイをうたって」主題歌】

黒川インスタライブやツイキャスをやると、海外の方々も観てくれるんですよね。僕は英語は得意ではないけれど、喜んでくれていることは伝わってくるし、海外の人でも知っている曲を弾き語りをするとテンション上がってくれるんです。言葉の壁は関係ないなとも感じてますね。アーティストとして生かさせてもらっている立場なので、どんな人が画面の向こうで観てくれているのかを意識するようになりました。やっぱり、どういう方法でもとにかく観てもらいたい。観てもらったら、あとはこっちの仕事なので。
──二次元コンテンツとの接点は、ユアネスに新しい風を吹き込んだと同時に、ユアネスがもともと持っていた長所を拡張している印象があります。イラストのCDジャケットや、深みのあるサウンドスケープなど、二次元での表現との親和性は高い。
古閑二次元コンテンツに接した制作で、作品に対するイメージ作りも変わってきました。これまではバンドのなかで表現したいことが固まっていたんですけど、「籠の中に鳥」は初の書き下ろしでしたし、編曲家の方を招いた結果、自分たちの楽曲を第三者の目線で見られたんです。坂本真綾さんに提供させて頂いた『Fate/Grand Order』の第2部後期主題歌「躍動」も、先方からの意見を聞くことで気付くこともあって、自分の音楽に対する概念を柔らかくすることができました。

坂本真綾『躍動』 from 「坂本真綾×Fate/Grand Order 5th Anniversary Special Live」

──古閑さんはご自身のなかに確固たるイメージを持って楽曲制作をしているけれど、すごく思考が柔軟ですよね。新しいものへの許容力が大きいなと。
古閑僕はずっと勉強する側の人間だと思っているので、自分にない成分を取り入れることに全然抵抗はないんです。僕がすごいと思った人のことはどんどん吸収していくスタンスですね。でも意見を全部受け入れちゃうと自分がなくなってしまうから、まずは「確かにその意見は正しいかもしれない」と思いながら、一旦自分で実際にその方法をやってみるようにしてます。そうするとしっかり納得できるし、自分の勉強にもなるんです。いろんなオーダーに応えるために音楽理論を調べたり、ほかの作曲家さんの楽曲を細かく聴いてみたり、いろいろ実になりましたね。
──2020年のユアネスに必要な初体験が次々と舞い込んできた1年になったということですね。
田中本当に。ありがたいですね。2020年2月に『ES』のツアーをファイナルまで回り切れたからこそ、スムーズに新しい視点を持つことができたところもあると思います。

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