写真手前左から大滝哲也(SKULLSHIT代表)× やべきょうすけ(俳優/「骸骨祭り」応援団長)
MAH(SiM)× GODRi(SiM)
インタビュー:フジジュン
Photo:横井明彦
──12月3日(土)、4日(日)に開催される『骸骨祭り』。いよいよ出演者も出揃って、イベントの全貌が見えてきました。
大滝 本当に良いラインナップになったと思います。20周年というところで、昔からずっと関わりのあるバンドから、ここから一緒にやっていきたいバンドまで、幅広いラインナップになっていて。「本当にやるんだ」と思ったら、すでに緊張してます(笑)。こんなの渋谷の小さな洋服屋がやる規模のイベントじゃないですからね!
──12月は他でも大型フェスがありますが、一本筋の通ったラインナップになっていて。お客さんは目当てのバンド以外にも、好みのバンドを見つけたりということがあると思います。
大滝 それは昔からやりたかったことだし、思ってたことで。バンドだけじゃなく、お笑いやプロレスがあるのもウチの個性なので。来てくれたお客さんに新しい出会いや発見があると嬉しいです。12月にしたのは11月と12月に候補日があったんだけど、占い師に聞いたら12月が良いっていうから、12月にしただけです(笑)。
やべ もともとは何かイベントごとをやりたいと思って始めたの?こんなイベントをやろうって発想って、なかなか生まれないじゃん。
大滝 洋服屋さん始める前から、音楽もお笑いもプロレスも好きで、お客さんとしてバンドマンとかが来るようになって、仲良くなって。もともとイベントとか好きだったから、何か音楽イベントとかやりたいなと思って始めたのがキッカケだったね。あれは洋服屋さん初めて2年目くらいかな? やり方も分かんないから、O-EASTに直接行って、「イベントやりたいです」って言って、「じゃあ、半金持って来て下さい」って言われて。
やべ え、イベントってそんなすぐに出来るもんなの?(笑)
──その行動力が凄いですよね。じゃ、好きが高じてというか。
大滝 そう。だから、やってることは当時と何も変わらないです(笑)。10年ぶりの開催だから、みんなが知ってくれてるか不安だけど、興味持った人が調べてくれたら、また面白がってもらえると思うし。
やべ SKULLSHITって、まだそんなに名前も知られていないバンドマンが物販の相談とかをしてるってイメージがあるんだよね。で、「じゃあ、ウチでやってあげようか?」なんて言って、正直言えば、「もうちょっと商売っ気出せば良いのに」と思うようなことばかりやって。「ウチのイベント出る?」なんて言ってたバンドが、2~3年後にすごい人気になってるみたいな感じだよね。で、そういうバンドがまた後輩を紹介したり、お店に集まってきて。みんなの頼りになるお兄ちゃん的な存在なんだろうなと思いますね。そこに芸人やプロレスラーも繋がって、「じゃあ、面白いことしよう」みたいな。そこで欲を出しちゃうとダメだけど、みんながそれを面白がってやってるのがすごくいいなと思いますね。
──SiMは大滝さんといつからのお付き合いになるんですか?
大滝 現在のメンバーになってすぐだから、2009年とかだよね?
MAH そうですね。当時のレコード会社の担当がSKULL SHITのデザイナーのU-ichiさんと知り合いで、その繋がりで大滝さんと知り合って。2010年の『SKULLMANIA』に呼んでもらってから仲良くさせていただいてます。2010年は2ステージで、僕らが外のステージで演ってる時、中でcoldrainが演ってて。「差ぁ付けられたな」って悔しさや燃えたところがあって。いつか追いついてやると思ってたら、2013年の『SKULLMANIA』で大トリをやらせてもらって。あの時はすごい胸アツだったし、ひとつ乗り越えた感がありましたね。
やべ 俺はそのMCを聞いて、一人で号泣してました(笑)。
──最近もSKULLSHITとコラボTシャツを作ったり、イベントだけでないところでも一緒にお仕事してますよね。
MAH ブランド側がデザインして、バンドとコラボするなら分かるんですけど、バンド側にデザインまでやらせてくれるコラボって聞いたことないんで。それも来るもの拒まずの大滝さんっぽいなって。
──SKULL SHITとこれだけ深く長い付き合いが続いてるのって、大滝さんの人柄が大きいですか?
MAH そこは大きいですね。暇な日に呑みに行こうと思ったら、大滝さんに連絡することが多いですね。もちろん、呑み友達だからイベントに出るって話じゃないけど、大滝さんってイヤらしくないんですよね。ブランドがどうって自慢してくるタイプでもないし、先輩づらされたことは一回もないし、音楽のことに関してはすごくリスペクトしてくれて。今回、『骸骨祭り』に出る時も、一対一でメシに誘って、ちゃんと口説いてくれたんです。
GODRi 年上なのに同じ目線で話してくれるのが凄くて。僕らのやってる『DEAD POP FESTiVAL』を見て、上から目線でアドバイスとかするんじゃなくて、「『骸骨祭り』も同じように成長してるんだ。一緒に頑張ろう」と言ってくれたのも嬉しかったですね。
──大滝さんは純粋に人が好きで、楽しいことが好きで、儲け度外視でみんなを巻き込んで楽しいことがしたいって印象があります。
やべ そう。だからこそ担ぎ上げてあげたいし、良い景色を見せてあげたいってみんなが思うんですよね。俺もそうだけど、各々に「俺の大滝」、「俺のSKULLSHIT」みたいな思いがあって。
大滝 あはは。なんか恥ずかしいなぁ。
──そんなみなさんの宣伝効果もあって、この10年でSKULLSHITやSKULLMANIAのネームバリューもすごく上がってると思います。
やべ いつからか、SKULLSHITは展示会をやらなくなって。「なんでやらないの?」って聞いたら、「俺はその費用をイベントに回すってやり方を見つけた」って言うんです。「ショップの人が展示会に買い付けに来て販売してくれるのと、お客さんがイベントで買って色んなところに着てって繋がるのは変わらない」って。それってすごい独自のやり方だし、すごい面白い人だなぁと思って。
──イベントやって、こういう物が好きで、こういうことをやっていてとアピール出来るのは十分、ブランドの宣伝にもなりますよね。
大滝 そうなんだよね。そこで10年前に『骸骨祭り』をやって、イベントをやり続けたいというところで『SLULLMANIA』をやって。5年前、『骸骨祭り』を開催出来なかった悔しさもあって、僕らには『骸骨祭り』への思いや重みがあるんで、今回は自分たちに出来ることをやり切りたいという気持ちはありますね。
──SiMは自身でも『DEAD POP FESTiVAL』を開催してますから、『骸骨祭り』を開催する大変さも分かるんじゃないですか?
MAH そうですね。あと、呑んでる席で今までの『骸骨祭り』や『SLULLMANIA』の大変さも聞いてるんで。それでもやろうって心意気も感じて、何か力になれれば良いなと思うし。これだけのメンツを集められるのは、今までの生き方があったからだと思うし、すごく良いメンツだと思います。だから、俺らしか知らないような人も一日楽しめると思うので、安心して遊びに来て欲しいですね。
GODRi ほぼ知ってるバンドばかりで、なかなか無いフェスだと思うし、ただ事じゃない感が出てるし。すごく楽しみにしてます。
──大滝さん、SKULLSHIT 10周年を記念した『骸骨祭り』をやった時はどんな感じだったんですか?
大滝 新木場スタジオコーストで『骸骨祭り』をやった時は、「次は5年後、アリーナクラスでやりたいね」って話をして。そこから『SKULLMANIA』をどう展開して、地方も回ってイベントを浸透させて、5年後に繋げるか?というのを想定してプランニングしたんです。で、5年後に色んな想いを背負って、さいたまスーパーアリーナで『THE LIVE』を開催して、「このままじゃ終われない」って気持ちが生まれて、その後の5年間走ってきて。振り返るとやってることは10年前と全くブレてないです。
「骸骨祭り」の真髄、今年の見どころは!?