再始動後2作目になるフル・アルバム『PASS THE BEAT』は、10月7日リリース、前作から1年ちょっとという短いインターバル。5月の東阪のライブ『HANDS #2』は、新型コロナウィルス禍で中止を余儀なくされたが、代わりに8月29・30日に、神田明神ホールからふたりきりによる無観客生配信ライブを決行。そして、『PASS THE BEAT』のリリース・ライブを11月7日、8日に日本橋三井ホールで行うことも、新たに発表になった。
と、世の中がこの状態にある中で、それでもできることを探して、全力でアクションを起こし続けるSURFACEのふたりに、現状について、そして『PASS THE BEAT』について訊いた。
と、世の中がこの状態にある中で、それでもできることを探して、全力でアクションを起こし続けるSURFACEのふたりに、現状について、そして『PASS THE BEAT』について訊いた。
無観客配信ライブは、けっこうリスキーだった(椎名)
──ライブを中止して、代わりに神田明神ホールで2デイズの配信ライブを行われましたよね(レポはこちら)。
椎名慶治5月に大阪と東京でやる予定だったんですけど、これはもう無理だと。で、僕たちふたりが、「無観客ライブでもいいからやらせてください」って言ったんだったら、美談なんですけども(笑)。
──違ったと。
椎名スタッフから「無観客ライブ、やってみないか?」と声をかけられて、ふたりともすごい悩んだんですけど……僕はソロとしては無観客ライブをやったんですけど、「SURFACEでやるのはどうなんだろうね?」みたいなところがあって。お客さんとみんなで声出してみんなで踊るのが、SURFACEのライブなので。ふたりとも「やる」って一応言ったんですけど、言ったあともずっと「どうしようかねえ?」って。長い間、モヤモヤとしてました。
──そのモヤモヤが晴れていったのは?
椎名……(永谷喬夫に)晴れたかね?(笑)。
永谷いや、だから、1日目はもう不安だけな感じで本番が始まって。どこへベクトルを向けていいのかわからない、どうしよう、っていうふうな感じで初日を迎えたんですけど……ライブ・パフォーマンスのやりかたとして、これから180度考え方を変えなきゃいけないんだな、という。今までの考え方を、僕は引きずっていたんですけど、ライブをやっているうちに、だんだん「ああ、なるほど、こういうことか」っていうのがわかってきて。1日目が終わったところで、やっと身体でつかめた感じがしたんですね。
椎名だから、けっこうリスキーだったというか。自分たち自身も不安だし、お客さんもきっと不安だろうから、そこでとった手が、初日はファンクラブ限定にするっていう。
──あ、そういう理由だったんですね。
永谷その上で、2日目はみなさんに観ていただくという。
椎名それで2日やったんです。
永谷でも、その2日目の方が大変なことになるという(PCのトラブルでライブが中断)。
椎名ねえ? なんでこんなことに?っていう。リハも初日もなんともなかったのに。
永谷でももう、「それも見せろ、そういう試練を経験しろ」と言われたような気がしますね。本当に貴重なライブでしたし、僕的にはすごい反省するところが多かったんですよね。それを椎名くんにLINEしたら「え、そう?」って。
椎名(笑)。いや、思った以上に落ち込んでたんで。「そこまで落ち込むほどのことではないと俺は思いますけど」って返しましたけどね。
永谷あの『HANDS』っていうふたりだけのライブは、前に一度やってるんですね。
椎名一昨年にそれでツアーを回って。
永谷そのツアーがすごく、お客さんと一緒に作っていくライブだったんですね。手探りで始めたんですけど、だんだんふたりだけでのやりかたがわかってきて、椎名くんもお客さんの巻き込み方がすごくうまくなっていって、お客さんもどんどん盛り上がっていって……最後、ツアーが京都の磔磔で終わったんですけど、その時にもう、なんとも言えない一体感ができあがって。だから、『HANDS』っていうライブは、オーディエンスのみなさんと一緒に作り上げるものだからこそ、よけいに無観客配信ライブっていうことで悩んだんです。でも、初日で「ああ、こういうことなんだなあ」というライブができたので。でも2日目のトラブルとか、反省点もいっぱいあったから、終わったあとに椎名くんに「またふたりでやる?」って言われて、「やりたい!」「じゃあやろう」と。なので、また近いうちにやります。
椎名で、その時は、お客さんを入れようと。お客さんを前にして、配信もして。前回は客席で向かい合ってライブやったじゃないですか? でも次はお客さんがいるから、ステージでやる。だから『HANDS #2』という同じ名前だけど、いかに違うものをちゃんと見せられるか、というところで、また新たな緊張をしているふたり、っていう(笑)。