ベストに入らなかった超ベストの曲がいっぱいあるんですよ。そういう曲もセットリストに入ってくる(小高)
──ここまで、何か記憶に残るエピソードというと。
小高自分たちでやってるラジオの番組(ハローニュー新居浜FM78.0「LUNKHEADの週刊少年ランク」)内で、話してるうちに企画化したものがあって。今回はベストのツアーだけど、ベストに入らなかった超ベストの曲がいっぱいあるんですよ。そういう曲もセットリストに入ってくるから、ベストには入ってないけどベスト選曲なんですよ。でもその中で1曲ぐらいは、全然ライブでやってない曲をやろうということで、各会場でリクエストを募って、そこから1曲やるコーナーがあって。7、8年ぶりにやる曲とかもあったんですけど、だいたい盛り上がるんですよ。でも札幌COLONYでやった「No.6」という曲が、マジで盛り上がらなくて。
合田そりゃそうだよな。
小高男の子が一人だけ、曲が始まった瞬間に変な声を出して、その子だけ盛り上がってたけど。あとは明け方の海みたいでした。
──凪状態(笑)。
小高でもそこで「こういうことなんだよ、俺らが求めてたのは!」と。盛り上がらない前提で、こっちはやってるから。変に盛り上がられると、責められてる感じがしちゃう。「今までやらなくてごめんなさい」みたいな。だから全然盛り上がらないと「ほらな、やっぱりそうだろ?」という気になる(笑)。って。
──屈折してるなあ(笑)。
小高それが印象的でしたね。札幌は面白かった。あとは全部盛り上がったもんね。
合田僕ら、全曲サブスクで出したんですよ。アルバムも、カップリングも、会場でしか売ってないCDも全部、200曲以上。だから、これからそういうことはなくなるだろうって、信じたいと思います(笑)。レア曲というものはなくなるだろうと。
小高いや、でも、音源を聴いたからって、ライブで盛り上がれるとは限らんやろ。
合田それはそうだけど、聴けると聴けないとでは雲泥の差があるから。
小高逆じゃない?ライブで聴いて、「この曲何やろ」ってなってから、サブスクで確かめる。
キャパを上げたO-EASTという会場で何を見せられるのか。ここでコケるわけにはいかない(合田)
──そしていよいよ、1月12日の千葉LOOKからツアー後半がスタート。ファイナルを含めてちょうど10本。
合田まだあと10本残ってるのかと思いますけどね。
小高10本残ってるっていうけど、10本しかないんだよ。
合田そうだね。すでにファイナルが見えてきてる感じはある。半年かけて回るツアーなんで、「まだだいぶ先じゃん」みたいな感覚だったんですけど、12月に入ったぐらいから、3月12日のO-EASTのファイナルが見えてきて、おのおの、考えてることはあるんだろうなと。めちゃくちゃ楽しみだけど、不安ももちろんあるし、前回のリキッドルームはみんなの力でなんとかソールドできたけど、キャパを上げたO-EASTという会場で何を見せられるのか。僕らは「ブログ事変」と呼んでるんですけど、リキッドルームのチケットが売れてない時に、小高がブログで発信したことがきっかけで、ソールドに繋がった。現状は、その前の水準と同じぐらいなんですよ。元に戻ったぞ、さあどうしようと。ここでコケるわけにはいかないですからね。クリスマスも正月もどうでもよくて、ずっとそわそわしてます。(編集部注:取材は12月25日に実施) O-EASTのファイナルのことばっかり考えてます。
小高リキッドを売り切った時は、隠れランクヘッド・ファンの力があったから。今一度、そういう人たちにどうやって訴えていくかが大きいと思うんですよ。「めでたしめでたし」で、引っ込んじゃった人たちに向けて。
──一度はランクヘッドの世界に染まってくれた人たちを掘り起こすほうが、現実味がある。
小高そうですね。今までよりは、ファンの中でも、火はついてる感じがするんですよ。SNSとかで。うちのお客さんはおとなしいから、ROMるだけでしたみたいな人たちが、すごく発信してくれて、お客さん同士で仲良くなって、というのもすごく見かけるし。そういう意味で、あのブログは書いて良かったなと思うんですけど、もう一度同じことをやるわけにはいかないし。
合田意外に、情報が行き渡っていない可能性も高いんですけどね。自分たちは毎日発信してるつもりでも、受け取る側は、この超情報化社会の中で、俺らのライブが3月12日にあることを知ってる人はごく一部だと思うので。そこはもう、しつこく発信するしかないと思ってます。俺らのほうから、「3月12日はどんなライブをする」ということを、もっと発信したほうがいいかもしれない。今の状態だと、ただのツアー・ファイナルなんですよね。
──そうそう。たとえばゲストが来るとか、この日だけのセトリでやりますとか。特別な日であることをアピールしましょう。新曲やりますとか。
小高新曲はやってるんですよ、アンコールで。5年前に「シンフォニア」という曲のミュージックビデオで、お客さんを撮って、山下くんが監督で作ったんですけど、それの第二弾企画で「『シンフォニア2(仮)』のMVをみんなで作ろう!!」という企画を、今やってます。5年前は、できあがったMVをYouTubeに上げて、使われなかったシーンを壮が編集して、新木場STUDIO COASTのビジョンに流しながら演奏したんですよね。あれはすごく良かった。
合田良かったね。
小高ああいうのが、またできたらなと思いますね。みんなすごく協力してくれてるし、それをファイナルに向けてうまく繋げていきたい。
合田やりたいことはいくらでもあるんですよ。現実的かどうかは置いておいて。ライブで映像を使うのも、俺らにはすごく合うと思うし。
小高そのためにはO-EASTのチケットを売らないとね。
──話、ちょっと変わりますけどね。ランクヘッドは意外に、とか言うとめちゃくちゃ失礼だけど、バンドのフォロワーが多いでしょう。この間会ったけど、BOYS END SWING GIRLの冨塚くんとか。
小高知ってます。俺らのこと、超好きだと言ってくれてる。
合田好いてくれるバンド、いるっちゃいるんですよね。
小高この間、鳴ル銅鑼も呼んでくれたしね。おととしぐらいに、呼んでもらうことが多かったんですよ。LAMP IN TERREN、Shout it Outとか。あれは良かったね。去年の8月に呼んでもらった「くさのねフェス2019」も、BOYS END SWING GIRLとか、Halo at四畳半の地元で、俺らの時、客席は出演者ばっかりだった。それどころか、みんなどんどん前に出てきて、最終的には最前列で「ウォー!」ってなってた(笑)。名古屋のサーキットに出た時も、俺らの時は客席の三分の一がバンドマンだった。主催のアポロベースの人が「ランクヘッドの出演が決まった時、出演バンドが一番沸いた」と言ってました。
合田どこで知ったんだろうね?そういう子らが25、26歳だから、どこで知ったの?って不思議でしょうがない。
小高それはすごくありがたいです。それなりの傷跡を残してきたんだなと。
──それは本当に勲章だと思うので。これから若いバンドとも、どんどん絡んでほしいなと思ったりします。
合田やりたいですね。
新しいツアーのつもりで、今まで以上にドキドキできるようなセットリストになると思う(小高)
──というわけで。みなさんO-EASTに来て下さい。言いたいことはそれだけです。
小高ツアーの前半10本は、セットリストを固定して、頭3曲で「白い声」「プリズム」「体温」をやってきたんですよ。絶対この曲が聴けるという保証を、みんなに与えたくて。でも合田先生としては、4本目ぐらいでもうおなかいっぱいだったみたいで。
合田それは、ただ俺が飽き性だから(笑)。
小高でも、意図があって決めたセットリストだし、「とりあえず前半はこれで行きましょうよ」と。だから、後半は変えると思います。
──おっ。それは大事な情報。
小高ツアー初日のO-Crestが台風で延期になったので、2019年と2020年と、くしくも10本ずつになったんですよ。だから1月12日の千葉LOOKからは、新しいツアーのつもりでやろうかなと思ってます。セットリストも流れも変わるし、ただ満足度は変わらないように、今まで以上にドキドキできるようなセットリストになると思うので、そこはすごく楽しみにしてほしいなと思います。その上で、ファイナルのO-EASTをどれだけスペシャルなものにできるかを課題にしたいですね。今までは単なるファイナルとしてとらえていたけど、前にやっていた「みかん祭」のように、ファイナルだけのスペシャル感を出すとか、いろんなことを考えて、みんなに発信していく時間はまだあると思うので、今からそこを頑張りたいなと思います。絶対にコケられないので。
合田やるしかないね。これで本当に売り切ったら、2020年はめちゃくちゃ面白いことになると思う。そういう意味でも大事な1日になると思う。しっかり売り切って、もっと上に上がりたいと思います。
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