この曲は去年、SPARKS GO GOの橘あつやさんに出会ったことがきっかけですね。ライブを拝見して、あまりにもうますぎる演奏に「しびれるプレイを観た!」と感じて。橘さんって、ふだんは優しい神様みたいな雰囲気なんですよ。でもステージに立つと益荒男みたいになって、「こういう二面性を持ったロックミュージシャンって、いまはいないよな」と思って。「ぜひ一緒にやりたい」と思って、ライブからの帰り道に作り始めたのが「ロックミュージシャンのための〜」なんです。あと、小説を書いていたときに聴いてたショパンの影響もありますね。ショパンの手癖というか、スケール(音階)みたいなものをトレースして、アカデミックな要素もあって。それと橘さんのギターがぶつかり合う——かめはめ波がぶつかる瞬間みたいな(笑)——曲にしたいなと。この曲、自分でディレクションしたんです。橘さんに「若いミュージシャンを皆殺しするような気持ちで弾いてください」ってお願いして(笑)。
辛辣ですよね(笑)。私自身、足並みを揃えて進めない人がいるとイライラしちゃうんです。「邪魔しないで、突き抜けさせてほしい」って。私はソロアーティストですけど、組織として物事を進めているし、歯がゆい思いをすることもあったので。
そうなんですよね。曲をリリースした後に「そういう意味だったのか」と納得させられたことが多かったんですよ。実際、「ふざけんな世界、ふざけろよ」とか「ここから解放されたい」という出来事があったし、この2曲があったからがんばれたというか。いつもそんな感じですね。「革命」も「虎視眈々と淡々と」もそうだったし。
すごく楽しかったです。制作できるコンディションになったときは本当に嬉しかったし、音楽をやりたくてたまらない状態だったので。しかも、ずっと一緒にやっている仲間との制作ですからね。その日のレコーディングが終わったら飲みにいったり、ただただ楽しい日々でした。歌だけはまだデリケートな状態だったから、自分だけで録ったんですよ。プロデューサーの方にもスタジオから出ていただいて、自分でディレクションして。上手く歌えないという不安もなかったし、「こんなに声が出たの、久しぶり!」って笑いながらやってました。
そうだと思います。小説を書き終えたとき、父が夢に出てきて、「さようなら」って言えたんですよ。「さようなら」を言えないまま訣別したせいで、ここまでこじれていたんですけど、ちゃんとさよならを言えたなって。そのときですね、本当に小説を書き終えたんだなと思えたのは。
それだけじゃなくて、小説も絡ませたいと思ってるんですよ。(アルバム、小説から)ワンマンライブまですべて同じタイトルで統一したのは、それをやってみたいという気持ちがあったからで。“アルバムの世界をライブで立体的に表現する”というのはずっとやってきたことですけど、文学と音楽を同時に感じられるライブは、いまのところ私にしか出来ないのかなと。以前から演劇的な要素も取り入れているし、お客さんも(音楽と文学が共存するような)そういうライブを楽しめる感性が備わっていると思っていて。難解なものを表現したときのリアクションもおもしろいし、今回はもっと想像の余地を残すようなライブにしたいですね。あまり説明的ではないライブというか。
そうですね。私はもともと、「おまえにはこれがわからないだろう」と突き放されるような芸術が好きなんです。そういうものが減っているので、だったら自分でやろうという感じもありますね。今回は完全に自分だけで演出しようと思っていて。もちろん、まわりのスタッフにもいろいろと頼んでますけどね。
やっと完璧なチームになりました。8年かかりましたけど、お互いに引けを取らない才能を持った人たちの集団を作れたなって。信頼して任せられるし、向こうから出てきた発想も遮らないようにしたいんですよね。労働環境はめっちゃいいです(笑)。
どうだろう? 喉が不調になってからは、ステージやマイクが怖くなったこともあったので…。でも、人のライブを観て「わたしもやりたい」って悔しくて泣いてしまったくらい、ライブをやりたったかったんですよ。ステージに立って、お客さんを見たら、きっと大丈夫だと思います。
PRESENT
直筆サイン入り「檸檬の棘」ポスターを1名様に!
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