──(笑)「Twilight」はメロウなデュエットナンバーになってます。
サウンドプロデュースをしてもらった後に、とても才能がある人だから、共作したいなと思って。TENDREが作ったトラックに私がメロディをつけた感じ。この歌詞で私が影響を受けたのは、孤高の鳥、ナイジェル。絶滅寸前なんだけど、生涯一羽で過ごしちゃったんだよね。しかも、その島にある陶器でできた鳥に恋をしちゃって。最後はその陶器の鳥のそばで横たわって死んでたっていう話を読んで、「せつな!」ってなって。TENDREからは、「こんなイメージです」って言って、夕方と夜の間の色彩の写真が送られてきたので、トワイライトとナイジェルに私にも重ねて書いた感じですね。TENDREの歌声も低くていいでしょ。彼はマルチプレイヤーで、KANDYTOWNとかヒップホップシーンとも繋がっていて。お母さんがジャズミュージシャンでもある。ソロアルバムも出してるし、これからが楽しみなミュージシャンですね。
──そして、タイトル曲である「Baby Bump」は大阪テクノシーン発のマルチアーティスト、Seihoさんがサウンドプロデュースで、大阪出身のバイリンガルスカミュージシャン、レイ・マストロジョバンニが英語歌詞を手がけてます。
Seihoくんは岡村靖幸兄さんとも仲良いから、今度、紹介したいっていろんな方面から言われれたんだけど、やっと今回、仕事をすることができて。とても才能のあるナイスな青年でしたね。イントロに鳥の鳴き声を入れてくれたのは彼のアイデア。無意識の森を駆け抜けるフィーリングみたいな感じがいいなって思って。歌詞はレイくんにお願いしたんだけど、関西弁の対訳が付いているので、ぜひ読んで欲しい。“私はあなたの卵を産みたいのかもしれへん”みたいな。関西弁の雰囲気がすごくいいし、可愛いなと思ってます。
──タイトルにはどんな意味を込めてますか?
今回、“愛を育む”っていうイメージでアルバムを作ってたんだけど、この曲ができたときに、「Baby Bump」っていうタイトルが似合ってると思って。元々は“妊婦のお腹の膨らみのこと”を言うんですけど、音楽と結婚したCharaが“愛を育む”っていうイメージに繋がるなと思って。
──「Cat」という曲では“愛を身ごもり”と歌ってます。
愛を身ごもるって美しい言葉だなと思って。妊婦の時はわかりやすくそういう感じになるけど、人が見返りを求めずに愛する時っていうのは、そういう気持ちになりますね。ただ、この曲は、最初、サンダーキャットにベースを弾いてもらいたいなと思って。オファーしたんだけど、ダメだったから、じゃあ、タイトルにつけてやろうっていうことで、「Cat」になりました。
──あはははは。サンダーキャットのキャットだったんですね。
そう。mabanuaと盛り上がったけど、できなかったっていう面白いパターンですね。後、「Cheek to Cheek」も最初は、<Joey Dosik>というロスのアーティストにやって欲しくて。連絡は取れたんだけど、アメリカツアー中でできなかったので、自分なりに<Joey Dosik>へのオマージュのつもりでやりました。この曲では“貝殻に耳をつけるみたいに私の音を聞いて”って歌詞が好き。言いたいところはセリフになりがちですね(笑)
──(笑)とてもスイートなソウルナンバーになってますね。また、本作で一番ポップだなと感じたのは、LUCKY TAPESのKai Takahashiがサウンドプロデュースした「愛のヘブン」でした。
そうそう、この曲、すごくいいからPV作ろうかっていう話になってて。実は、私がデビューする前、21か22の頃のカセットのデモテープに入ってた曲なんですよ。この曲を当時の私と似たような若い世代の人にサウンドプロデュースしてもらったら面白い、聞きたいと思って。昔の私とのコラボレーションみたいな。サウンドは、ローラーディスコでかかるようなイメージだったから、海外のローラーディスコの映像をKaiくんに送って。彼はしっかりしたイメージがあるから。歌入れも納得いくまで要求してくれて。これからいいプロデューサーになるなと思いました。そんな感じで、私の寝ていた昔の曲が蘇り、Kaiくんの才能によって、皆さんの耳に届くことになりました。
──最後にセルフプロデュースによる「小さな愛の工場」が収録されてます。
私の家の作業場のことですね。入り口はヒップホップっぽいけど、ラバーズ風で、最後はすごくCharaっぽくなる。“私は美しい物を頬張りたいだけ”ってことが言いたかったのかな。日頃から話すように歌いたいと思ってるので、すごく気に入ってますね。
──この曲のベースはTENDREです。本作は若く新しいクリエイターがたくさん参加しましたね。
そうね。うっすらと気配は感じてたんだけど、直接、音を出してはいなかったような人たちとセッションした感じかな。私としては、Charaなりのダンスミュージックを軽やかに、さっと作った感じなんだけど、とにかく、ツアーをイメージしたので、早くライブをやりたいなと思ってます。
──どんなツアーになりそうですか。
祥太くんの夢を叶えるだけでも素晴らしいけど、なんか楽しくなると思います。あと、今回、アルバムにも参加してくれたあず美(高橋)ちゃんもコーラスで加わってくれて。ケンボー(竹本健一)と2人になって、TENDREや祥太くんも歌えるので、どんなステージになるか私も楽しみ。GREAT2(Curly Giraffe&白根賢一)がヤキモチを焼くようなライブになるのか。常にいつもベストライブを目指しているし、未発表のバレンタインの曲もあるので、どこかでやりたいなと思いますね。
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