3月27日(火) サニーデイ・サービス @渋谷WWW X
東名阪ツアーのうち、急遽発表になった東京の追加公演。アンコールのMCで曽我部恵一、「ほんとに急に決まったの。ここ(WWW X)が空いてたの」だそうです。
ライブの内容は、サニーデイ、長いこと観ているけど、いちばんびっくりしたかもしれない。ノイズ的だったり、アンビエント的だったり、ソウル/ファンク的なアプローチが入って来たりする、つまりこれまでのサニーデイのライブになかったものが大量にあるステージ。
って、要はそういう新作を作ったからライブもそうなってるってことなんだけど、にしても、このキャリアで、自分たち的には未踏の地に、新たにどんどん足を踏み入れているのって、すごいと思う。
3月28日(水) 近藤良平(コンドルズ)×永積崇(ハナレグミ)『great journey 2nd』 @横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
不思議なものを観た。ハナレグミはもちろんずっと観て来た、それこそSUPER BUTTER DOGの頃から。コンドルズは、生で観たことはなかったが、どういうものであるかの知識は一応あった。が、その二者が組むと、こんなことになるとは。
言葉と音楽と身体表現による即興のパフォーマンス、としか説明できません。永積が近藤のむちゃぶりに応えたり、永積の音楽で近藤が踊ったり、アドリブにも見えるが前もって決めているようにも見える、謎言語による芝居的なことをやったり、などなど。
横浜赤レンガ倉庫で5日間公演の、2日目でした。なお、タイトルに「2nd」とあるように、この企画自体、今回が2回目だそうです。
永積くんがハナレグミの「フリーダムライダー」や「深呼吸」を歌い、それに合わせて近藤良平が舞うパフォーマンスもありました。他の日は曲が変わったりするんだろうか。するんだろうな。
3月30日(金) くるり @Zepp Tokyo
新しいシングル『その線は水平線』のリリースに伴った『くるりライブツアー 「線」』全16本のファイナル、Zepp Tokyo 2デイズの1日目。歴代の名曲もレア曲もやって、本編の最後は「ロックンロール」、1回目のアンコールで岸田佐藤ファンファンの3人だけで「ブレーメン」、2回目のアンコールのは「琥珀色の街、上海蟹の朝」と「その線は水平線」──という、もうたまらないセットリスト。
さらに、それに加えて。中盤で4曲と一回目のアンコールで1曲、計5曲も未発表の新曲を披露。過去現在未来をまとめて聴かせてくれるという、夢のような時間でした。
ギターふたりとキーボードはこれまでも参加経験のあるミュージシャンだったが、ドラムの朝倉真司はくるりで叩くのはたぶん初めて。ツアーの最後というのもあってか、いきなりなじんでいた。いいメンツのいいライブ。
3月31日(土) My Hair is Bad @日本武道館
初の日本武道館ワンマン、しかもいきなり2デイズの2日目、2Fスタンドの端のてっぺんまで鬼超満員。となるとライブ自体がお祭り空間というか、開演前からみんなソワソワ、始まったら大騒ぎでフェス状態、みたいなことになっても不思議はないのに、そういう空気、一切なかった。お客さんみんなただただ真剣だった。
中盤、バラード寄りの静かな曲が続くコーナーがあったんだけど、曲間に歓声を飛ばしたりメンバーの名前を呼んだりする奴が誰もいなくて(あの人数なのに!)、拍手をし終わったら固唾を呑んで次の曲が始まるのを待っている感じ。
日本武道館がライブハウスになる、というの、それこそ大昔のBOØWYの「ライブハウス武道館へようこそ!」の頃からさんざん使われた形容だけど、この日くらいそう感じたこと、なかったかもしれない。
アリーナがスタンディング仕様だったこと、ステージ両脇のビジョンが全体の半分くらいしか使われなかったこと、銀テープとかの特効の類いが一切なかったこと、などから、バンド側もハナから「極力ライブハウスどおりのことしかやりません」というスタンスだったのだろうが、そのような演出の力だけではこうはならないだろうな、というくらい、武道館が、ただのでかいライブハウスだった。
東京ドームシティホールができた時、「ちっちゃい日本武道館みたいな作りだな」と思ったのを憶えているが、その逆。今日の日本武道館、でっかい東京ドームシティホールみたいだな、と思った。
このバンドとこのバンドのファン、きっと、この先横浜アリーナとか幕張メッセ国際展示場とかさいたまスーパーアリーナとかに進出して行ったとしても、きっとこのままなんだろうな、と思った。
つまり、最高だった、ということです。ライブという、音楽というルーツで、表現する側とそれを受け取る側がコミュニケーションする場として。