兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第165回[2024年7月前半・マカえん、サバ、ピーズ、銀杏、黒猫、バイン、電気の7本を観ました]編

コラム | 2024.07.25 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブレポを書いて、半月に一回アップしていく連載の165回目=2024年7月前半編です。この半月で観た7本のうち、7月12日(金)から14日(日)の間に観た4本は、すべてぴあ音楽にライブレポを書く、という、なんだか怒濤な時期になりました。すっかり夏ですね。

7月4日(木)19:00 マカロニえんぴつ @ 広島文化学園HBGホール

マカロニえんぴつの中で過去最多本数の、23都市27公演を回るホールツアーの24本目にあたる広島公演。前回は6都市を回るアリーナツアーだったので、次はもっと細かく各地のホールを回りたい、という趣旨なのだと思う。
今年になってリリースした「月へ行こう」や「忘レナ唄」、最新アルバム『大人の涙』の収録曲、それ以前の人気曲、さらにレア曲もある、バラエティに富んだセットリスト。なんだけど、どの曲が始まっても、こっちは「うわ、名曲きた!」とうれしくなってしまう、ということが、今のマカロニえんぴつの勢いを表しているように思えた。もともと演奏力が高い上に、ツアーの24本目だけあって、すっごい仕上がっていたし。
二回目のMCでのこと。昨日はっとりと田辺由明は、広島×阪神戦を観にマツダスタジアムへ行った、という話をする。で、はっとりが田辺に「好きな野球用語は何?」と訊き、田辺が「スプリットフィンガーファストボール」と答えたのがきっかけで、メンバーにも同じ質問をしていく、という展開になる。ちなみにはっとりは「犠牲フライ」だそうです。その質問に「ランナースタート!」(犠牲フライでタッチアップする時に実況の人が言うやつ)が好きだ、と答えたベース高野賢也は、昨夜ホテルで、もしはっとり&田辺が映ったら撮ろうと思って、ずっとスマホを構えながら野球中継を観ていたそうだ。ふたりの席がどのあたりかをきいていたので、そっちの方向が映ったらシャッターを押して、拡大して探したりしたのだが、映っていなくて、結局4回で力尽きたという。あっはっは。何やっとんじゃ。微笑ましいエピソードでした。

7月10日(水)19:00 サバシスター @ 渋谷クラブクアトロ

ファーストアルバムのリリースツアー『覚悟を決めろ!ツアー』22本のファイナル。メジャー・デビューアルバムをリリースしてのツアーだし、ここまで本数が多いツアーをがっちり回ったのは、おそらく初めてではないかと思うし、そのファイナル、ということで、メンバーそれぞれ途中でこみ上げてきたりするかもな、と思って観ていたが、そんなウェットな空気はゼロ、終始熱狂に包まれてライブが進む。
なち、途中のMCで、今日はサバシスターの持ち曲を全部やる、ということを宣言。アルバムのシークレットトラック(つい最近YouTubeで公開された)の「メジャーデビューのうた」、ウクレレとかカホンで演奏しているあれはどうするんだろう、と思っていたら、アンコールで、ちゃんとその編成でやった。
さらにアンコールでは「ハイエースナンバー」という新曲も披露。タイトルどおり、ツアー生活のことや、その生活で考えたこと感じたことを歌った曲である。曲を終え、オーディエンスのことやメンバーのことを思って、この曲を書いた、という話をしながら、なち、涙腺決壊。るみなす、「今!?」と驚く。
ロビーに出ると、この曲の歌詞があちこちに貼り出されていた。で、24時に配信された。

7月11日(木)19:00 ピーズ @ F.A.D YOKOHAMA

ピーズは、千葉LOOKと新宿紅布とこの横浜のF.A.Dで、よくワンマンライブをやる。東京での大きめのワンマン(今年なら6月2日渋谷クラブクアトロの37周年記念ライブ)とか、ツアーとかが、あろうがなかろうが、関係なく、よくやる。たぶん、その3店の店長と親しくて、頼まれるんだと思う。で、頼まれたら断らないんだと思う。
というわけで。その6月2日のクアトロに、別の仕事で行けなかったのもあって、この日横浜まで足を運んだ。クラリネット近藤哲平がゲスト参加する、という、ピーズ的にめずらしい試みがあったので、ぜひ観ておきたかった、というのもある。
最初は、はる&アビさん&近藤哲平の3人で、Stray Cats「Lonely Summer Nights」のカバーでスタート。で、2曲目からベースみったん&ドラム茂木左が入って、15曲くらいやったところで(近藤哲平は曲によって参加したり引っ込んだり)、換気のためのハーフタイムを設ける。その時間は、はる&アビさん&近藤哲平の3人で、アコースティック・ライブ的に3曲やって、4曲目の「氷屋マイド」の途中から、みったん&茂木左が戻る。
全31曲で本編終了。30曲目「生きのばし」で、はる、「今日も生きのびてしまいました!みなさんの若さに乾杯!」と叫ぶ。で、アンコールで7曲追加。
以上の38曲が、本日のピーズのライブでした。近藤哲平、全体の半分弱くらいの曲に参加したのではないか。おそらくアドリブで曲にクラリネットを加えていたのだろうと思うが、ピーズの曲には意外とホーンが合う、という発見をもたらしてくれた。この人のプレイだから良かった、という可能性も、とてもあるが。

7月12日(金)17:45 銀杏BOYZ ゲスト:TOMOVSKY @ 浅草公会堂

10ヵ月かけて全都道府県を回ったツアーのファイナル。このツアー、峯田和伸ひとりで弾き語り、同じくひとりでパフォーマンスするゲストを1組迎えて各地で行われてきたが、ファイナルのこの日は、頭9曲は弾き語り、10曲目からギター加藤綾太どドラム岡山健二が加わって、ベースレスの3人編成でのステージになった。これまで、普段のバンド編成の時は5人だったので、新鮮でした。
ゲストのTOMOVSKYも含め、ぴあ音楽に書いたレポは (こちら ≫ 銀杏BOYZ、10カ月にわたる弾き語りツアー最終日をレポート ゲストのTOMOVSKYを迎えて47都道府県完走!)

7月13日(土)12:30 黒猫CHELSEA @ 新代田FEVER

2018年10月の活動休止以来6年ぶりの再始動ライブ、かつ新体制になって初のライブ。昼公演だったのは、急遽やることにしたからなのか、一発目はどうしてもFEVERでやりたかったのか、他の理由なのかは知らないが、自分としては助かりました、夜とハシゴできたので。ぴあ音楽にレポを書きました。(こちら ≫ 黒猫CHELSEA、新体制初ワンマンライブレポート「バンドっていうのは、最高っすね。楽しいです!」)

7月13日(土)17:30 GRAPEVINE @ 日比谷野外大音楽堂

ビクター/スピードスターに移籍してから10周年、を記念して「スピードスターから出した曲縛り」で行った東阪野外ワンマンの東京編。ぴあ音楽にレポを書きました。
1曲以外ネタバレなしで書いたのに、直後にスピードスターのオフィシャルプレイリストにセットリストがアップされて「えっ!」ってなりましたが、まあそっちは「知りたくない人は見ない」、でも、ライブレポは「知りたくないのにうっかり読んじゃうこともある」ので、そういうオペレーションにしたんだろうな、と思います。
レポは(こちら ≫ GRAPEVINE、驚きと喜びが1曲目からアンコールまで続いていく日比谷野音ワンマンをレポート)

7月14日(日)19:00 電気グルーヴ @ リキッドルーム

というわけで「3日間で観た4本全部ぴあ音楽にレポを書く」シリーズのラスト、リキッドルームは(恵比寿に移転して)20周年、電気グルーヴは35周年、のライブ。レポはこちらです。≫ 電気グルーヴ35周年&リキッドルーム20周年記念ライブ、その一部始終をレポート
なお、このレポの文中に「『ズーディザイア』で石野卓球お気に入りのフレーズ『うーん、ビニール本!』をふたりが連呼」「そのあとのMCで『うーん、ビニール本!』とは何なのかの説明も入れたりしつつ」という記述がありますが、結論を書いてないのでここで説明。
この「うーん、ビニール本!」は、ツービートが1981年にリリースしたシングル「俺は絶対テクニシャン」に入っているフレーズです。このシングル(もちろんアナログ7インチ)、A面はビートたけしが表題曲を歌っていて、B面はビートきよしが「茅場町の女」という演歌の曲を歌っているのですが、その前者のイントロで、たけしが「うーん! ビニール本!」と叫んでいるのでした。
石野卓球「俺、そのフレーズがいたく好きで」とのこと。確かに以前からよく言っている。余談ですが、ツービートとしてシングルを出したのは本作が最後で、この次からはビートたけしが「いたいけな夏」、ビートきよしが「雨の権之助坂」、と、別々にリリースするようになりました。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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