フジジュンのライブ終わったら、ど~する? #5「俺たちまだまだ夢の途中。たまにはこんな最高な夜があってもいいでしょ?」ニューロティカ@2021年10月10日 仙台FLYING SON

コラム | 2021.12.11 10:00

Photo:にしゆきみ

2022年1月3日、自身初となる日本武道館ワンマンの開催が決定! 2021年1月に開催を発表してからは“Road To 武道館”つうことで、コロナ禍ながらライブにイベントにプロモーションにと精力的な活動を見せているニューロティカ。「DI:GA ONLINE」でも、『武道館deロックバカ やれるもんならやってみろ! ニューロティカ 新宿LOFT出演300回 カウントダウンシリーズ』と名付けた、すでに武道館公演を経験している先輩バンドたちとの対バンライブ、そして“新宿ロフト出演300回”という超人的な記録への挑戦を特設ページで追っかけ、応援し続けていますが。今回の「今日ライブ終わったら、ど~する?」は、初の地方遠征編として、『武道館deロックバカ「ニューロティカから皆様へ最後のお願い(汗)」』ツアーの仙台公演に潜入! 日本武道館ライブの前哨戦となり、全国のロティカアミーゴへの最後のお願いとなる重要なツアーを目撃するため、いざ杜の都へ!!

10月10日(日)仙台FLYING SONで行われた、ニューロティカ仙台公演。東京から行くなら当日朝、新幹線で向かえば間に合うのだが。遠征感を出すためというか経費節約のため、“移動型宿泊施設”と呼んで活用している夜行バスに乗って仙台へ向かうことに。深夜、東京を出た高速バスは、爆睡する僕を乗せて仙台へ。早朝、仙台駅に到着すると、国分町の24時間営業のサウナで一発ととのって、夜のお仕事を終えたお兄さま方と一緒に仮眠スペースで疲れた身体を癒やす。すんませんね、ジジイなもんで……。

で、お昼近くなってむっくり起き出して。お腹も空いたので、お昼ごはんを食べに行くことに。さて、お昼ごはんは何を食べようか? 短い仙台滞在を最大限に満喫したいから、せっかくなら人気店や話題のお店に行きたい。大好きな牛タンは夜に取っておいて、お寿司に仙台牛、美味しい焼き魚の定食なんてのも捨てがたい……なんて考えた時、良い考えがひらめいた。仙台といえば、サンドウィッチマン! そうだ、仙台を知り尽くしたサンドウィッチマンおすすめの店に行こう!!

ネット情報を駆使して探し出し、やって来たのは『中華そば 嘉一』。いま、仙台で一番人気のラーメン屋さんだというこのお店。休日のお昼時ということもあって、開店したばかりにも関わらず、店前にはすでに長蛇の列。20分ほど並んで店内に通されると、おすすめの塩中華そばを注文。野菜やとんこつを一切使わず、鶏だけで出汁を取った純鶏スープは、あっさりと上品ながらコクがあって、めちゃくちゃ美味い! コシがあってスープとよく絡む手もみ麺や、親鳥を使ったコリコリと歯ごたえのある鶏チャーシューも絶品!! 「美味しかったです!」と大満足でお店を出て、会場に向かうことに。

こうして会場入り前に地元の美味しいものを食べたり、疲れない程度に街歩きして、街の空気や雰囲気を味わうのも、地方遠征の醍醐味。仙台駅前に通じる長いアーケード街をテクテク歩いて、街行く人や街並みを眺めながら、会場方面へと向かう。少しずつ活気を取り戻してるであろう商店街の賑わいに少し安心しながら仙台駅へと到着し、東口に出たら会場はすぐそこ。会場である仙台FLYING SONに到着すると、メンバーやスタッフみなさんは忙しそうに開場準備に励んでいる最中。地元・宮城での凱旋ライブということで、テンションが高かったのはギターのRYOくん。こんなご時世でなかなか帰省も出来ず、久々に地元に戻ってこれたことが嬉しいらしく、「宮城はやっぱり空気が美味いッスね! めちゃくちゃ落ち着きますよ」と終始ご機嫌でした。

開場時間となり、入場規制はありながら、東北ロティカアミーゴたちでフロアが埋まると、いよいよライブの幕開け。カタルの「Yes、ニューロティカ!」の掛け声でステージに飛び出したあっちゃんが「仙台にニューロティカがやって来たぞ!」と叫び、「嘘になっちまうぜ」で始まったロティカのステージは、ド頭からアクセル全開! 一瞬でワッと熱を帯びたフロアでは、ロティカアミーゴたちが高く拳を振り上げて熱演に応える。ライブが始まって、僕が真っ先に思ったことは、「ステージが近い!」ということ。「普段、東京でライブを見てると、地方に行った時にその距離の近さに驚く」というのは、地方遠征あるあるだが。最近、新宿ロフトばかりでロティカを見てたので、手を伸ばせば届きそうなステージの近さは新鮮だったし、息遣いまで聴こえてくるような臨場感は大興奮! 好きなバンドを追いかけて、全国に遠征している熱狂的なファンの子たちは、この地方ならではの喜びや楽しみや贅沢さもよく知ってるんだろうな~。

全国各地を巡った「ニューロティカから皆様へ最後のお願い(汗)」ツアーより、10月3日(日)大阪・堺Fandangoのワンシーン

盛り上がり必至のキラーチューンを容赦なく叩き込み、爆発的な盛り上がりを見せた序盤を駆け抜けてMC。「1月3日に日本武道館ワンマンを開催します! 1989年から、毎年のように仙台にやって来てます。今度はお前たちが武道館に来い!!」とカッコよく決めたあっちゃんに、「なに、優しさの押し売り?」とナボがツッコむ。さらに「調べたんですけど、仙台の初ライブが1989年のCADホールで」と言うあっちゃんに、「それ、行きました!」とばかりに拍手を送るお客さんが一人。よく聞くとカタルとナボが加入したばかりの1996年頃のライブも見てるという筋金入りロティカアミーゴで、それを聞いたあっちゃんは「凄いね、ニューロティカの生き字引だね! 今度、YouTubeの『あっチャンネル』出る?」と大喜び! きっと仙台に限らず、全国にそんな熱いファンがいて。そういった人たちに支えられながら、ロティカの長い歴史が続いているのだろうと思ったら、グッと来てしまった。そんなMCに続いて、「ライブハウスが大好きで、ライブハウスから武道館に行くニューロティカが、この歌を熱唱します!」と曲紹介するあっちゃんに、「ん? 熱唱します……?」とカタルがツッコんで失笑が生まれる中、「ライブハウスモンスター」で、ライブハウスの誇りとプライドを熱唱する。

熱く激しく楽しく、ちょっぴりシリアスにエモーショナルに。僕の大好きな「太陽をさがして」や、3rdアルバム『So Yes,Sir!』収録の「男達の心(うた)」なんてワンマンならではの嬉しい選曲もあった、新旧織り交ぜたセットリストで大いに沸かせた中盤戦。MCでも『カウントダウンシリーズ』で対バンしたバンドたちとの思い出話や武道館への期待や意気込みなど、新旧織り交ぜた話題で楽しませる。「璐薫'狼琉狂走曲~ロックンロールクレイジーラン~」でステージを駆け回り、「…to be HARLEM」に拳上げるフロアと一体感を生み、西へ南へ道なき道を行くトラベリングバンドのアンセムソング「お前の街へGO!」で勢いづけると、ライブは早くも終盤戦。「いつもこの曲がニューロティカを救ってくれた」と始まった、「絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!」で会場中が振り付けを合わせ、「俺たちいつでもロックバカ!」の掛け声に拳を挙げ、ライブは最高潮の盛り上がりを見せる。

アンコールではこのツアーに向けて、そして武道館に向けて用意した新曲「やっちゃえ!」を披露。このツアーでみんなで徐々に作っていって、最終的にフルコーラスの楽曲が完成するという画期的な手法で作り進めているこの曲。アコギの演奏に乗せて4人が歌声を合わせ、<玉砕覚悟で突っ込め 玉砕覚悟で上等>と、武道館に挑むいまの気持ちを歌う歌詞が、聴く者の胸を熱くする。ラストは再びバンド演奏で披露した「チョイスで会おうぜ」で、会場中が手を挙げてジャンプして合わせて、明るく楽しくフィニッシュ。テーマ曲的存在になるであろう「やっちゃえ!」の完成形が武道館で聴けること、会場中が「チョイス!」とジャンプを合わせて揺れる武道館が見れることも楽しみになった。

撮影:フジジュン

そしていよいよ本題、「今日ライブ終わったら、ど~する?」なのだが(笑)。この日は帰りを急ぐあっちゃんと一緒に新幹線で東京に帰る予定だったので、会場を出るあっちゃんを待って仙台駅へ向かう。会場入りする途中、仙台駅の牛たん通りに立ち寄って。一番行列の長かった「たんや善治郎」で予約していた“牛たん弁当”を受け取って。あっちゃんが大好きだという“南蛮味噌漬け”をお土産に買って、キオスクでビールを買って。準備万全で新幹線に乗り込んだ僕とあっちゃん。出発前からさっそくお弁当とビールを開けると、小さく「お疲れさまでした」の乾杯。出来たてでまだ温かく、炭焼の香ばしい匂いがたまらなく良い牛たんに「美味い!」と唸りながら、今日のライブの感想をあっちゃんに告げる僕。最高のライブを見た直後、美味しいものを食べながら、本人にライブの感想を話すなんて完全に反則の展開だけど。たまにこんな最高な夜もあるから、この仕事はやめられない! 羨ましいでしょ?(笑) 東京に着くまで、約1時間半。ライブ終わりで疲れてるであろうあっちゃんと、色んな話をした。武道館までに出来ること、武道館でやりたいこと、武道館以降の活動のこと……話の内容は具体的に書けないけど、どれもみんなと同じロティカアミーゴとして、めちゃくちゃ嬉しいし、これからが楽しみになるような話ばかりだったということだけは断言出来る。

<北へ南へ転がり続け まだまだ夢の途中さ 夢中さ>

あっちゃんと別れて家路につく僕の頭にふと浮かんだのは、さっきライブで聴いた「お前の街へGO!」だった。結成37年、いまも転がり続けるロティカにとって、きっと日本武道館ワンマンもまだまだ夢の途中、長い旅の通過点なのだろう。よし、僕もこんな最高の夜も糧にして、楽しめること探しの旅を続けよう。そしていつか、<俺の生き方 そうさ そんなに悪くないはずだぜ>と言ってやるぜ! 短い旅の帰り道、僕はそう心に誓った。

公演情報

DISK GARAGE公演

武道館deロックバカ「ニューロティカから皆様へ最後のお願い(汗)」300回記念

2021年12月12日(日) 新宿LOFT
※配信あり

チケット一般発売日:2021年10月20日(水)
≫ 詳細はこちら

ニューロティカの『心燃会』~俺たちいつでもロックバカ!!~

2022年1月3日(月) 日本武道館

新宿LOFTで『後夜祭』
2022年1月4日(火) 新宿LOFT

チケット一般発売日:2021年8月28日(土)

INFO

ニューロティカ公式YouTube内「あっチャンネル」にて、アツシのややウケ動画や武道館先輩バンドのカバーなど配信中!

PROFILE

フジジュン

1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野で、笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。

  • フジジュン

    TEXT・撮影

    フジジュン

    • ツイッター
    • Facebook
    • instagram
  • ライブ撮影

    KOHEY

SHARE

ニューロティカの関連記事

アーティストページへ

最新記事

もっと見る