2020年5月前半は、3本観ることができました。あ、3本目は、正しくは「5月後半」じゃないかという気もしますが、今月は31日あるし、そこは多目に見ていただければ幸いです。
あと、前回のこの連載で書いたCaravan、LOST IN TIME、藤井 風も、また生配信ライブをやっていて、観たりもしたのですが、いくらなんでも前回と3つもかぶってるのは、我ながらちょっとどうなのよ、と思ったので、カウントしませんでした。
5月13日(水)21:00 TENDRE @Ginza Sony Park
Ginza Sony Parkにて毎週金曜に行われている“Park Live”も、コロナウィルス禍で開催できなくなっており、代わりに4月22日から『Park Live -STAY HOME-』と銘打って、Instagramのアカウントを使って生配信ライブを始めた。しかも金曜だけじゃなく、週二回だったり、週三回だったり、という精力的なペースで開催されている。
という中の、この日のTENDREを観ました。自宅から鍵盤弾き語り、とはいえ、ちゃんとマイクにガード(息がかからないようにする丸いやつ)が付いていたり、周辺の機材が充実していたりして、ちょっと本格的な感じである。
「ヒゲを剃って人前に出るのは初めてです」と言いながら、クリック鳴らしてピアノと合わせながら「Night & Day」でスタート。以降、自分のインスタのDMに何人か「今日誕生日なんです」っていう人がいた、インスタライブって誕生日を祝う習慣があるみたいですね、と言って、その人たちの名前を盛り込んで「ハッピーバースデー」を歌ったり、SIRUPの曲にフィーチャリングで参加して一緒に作った「PLAY」を3曲目に持ってきたり、「ちょっとチャレンジしてみていいですか? 先日YouTubeライブをやったんですけど、その時、音源を流すの、おもしろいとわかったんで」と、バック・トラックを使って、それにピアノと歌を合わせて「SIGN」をやったり。
リクエストに応えて選んだ「DOCUMENT」は、キックとハットとリムショットのリズムに合わせて歌い始めたが、途中で「まだでかいんだ」とリズムのボリュームを下げ、「これ以上下げるとビートなくなっちゃうな、じゃあなくそう。なくしました、こういう感じでやってください(指を鳴らす)」とこちらにリズムを求める──。
というふうに、1時間・8曲の間に、ほんとにいろいろ聴かせて・観せてくれる、楽しませてくれるライブだった。ラストは「俺の中で、区切りはこれがいいや」と言ってから「HANASHI」を歌ったので、これで終わりかと思ったら、「LIFE」も追加(したんだと思う)。あ、「LIFE」を歌い終えてからの終演BGMも、スタート前のSEも、自分で出しておられました。
[#ParkLive] 5/13(水)#TENDRE の自宅からお届けした #インスタライブ 終了!
この後、Instagramにて5/14(木)22:00頃までアーカイブをご覧いただけます。
是非お楽しみください。https://t.co/T4mRqUc8db@tanaakin #STAYHOME #ginzasonypark #ステイホーム #おうちにいよう #ライブレポート pic.twitter.com/1hGqAKLNcf— Ginza Sony Park (銀座ソニーパーク) (@ginzasonypark) May 13, 2020
5月14日(木)20:00 「にじのほし16 Mahito The People × CANDLE JUNE “one” live streaming」@ZAIKO
GEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポーがCANDLE JUNEと共に行うアコースティック・ライブを、前回のこの連載で書いたCaravanの2回目の方と同じZAIKOで有料生配信。1000円でした。時間は20時から21時30分まで。
ストリングスのようでもあればシンセのようでもある弦楽器の音が響く中、CANDLE JUNEが順番にキャンドルに火を灯していき、その数が20くらいになったところで、その音がマヒトゥの鳴らす、エフェクトのかかったエレキ・ギターであることがわかる。10分くらいかけて、キャンドルに日を点け終わった(んだと思う)あたりで、マヒトゥ・ザ・ピーポー、クラシックギターに持ち替え、普通に弾き始める。カメラが引いて、ここで初めて、彼が数十本のキャンドルに囲まれて座っていることがわかる……めっちゃきれい!
という始まり方で、なんかもう、やられてしまった。で、やられてしまったあとに、彼の歌う、切っ先がめったやたらと鋭い言葉がズバズバ脳に入ってくる、という時間。1曲目の「Wonderful World」から強烈だが、4曲目の「めのう」も、7曲目の「失敗の歴史」も……いや、すべてがそんな曲ばかりだ。弾き語りなので、言葉とメロディがよりダイレクトに耳に入ってくる、というのもあると思うが。
なお、福島の友達に、3・11後に福島から北海道に避難した時のことが、この曲とリンクした、と言われた、自分はそういうつもりで作ったんじゃなかったけど、その話をきいてからこの曲に新しい意味が追加されて、歌詞もメロディも変えてなくても新しい曲になる、ってことがあるんだなあ、と思った──という話を、「めのう」を歌う前にしていた。
前半はMCなし、中盤〜後半はMC長め。「夏が来たら、いろいろ解決すればいいなと思ってて。夏好きなんで、夏フェチみたいなとこがあるんで、ちょっと引き寄せてみようかなと思って、カバーやります」と、井上陽水&安全地帯の「夏の終りのハーモニー」を歌い、「夏の終りの曲だったので、夏の曲をやります」と、次に自身の「夏の幻」を歌う、という一幕もあり。
全9曲・1時間半ちょっとくらいで、最後のMCは、「まあ孤独は捨てずに、この静かな時間が終わったら、ひとりぼっちのままで会えたらいいなと思います」という言葉だった。
で、歌い終えると、エレキ・ギターに持ち替え、冒頭と同じように鳴らし、その響きの中、CANDLE JUNEがキャンドルの炎を1本ずつ消していく。ギターがものすごいノイズになった頃、すべてのキャンドルが消え、終了した。
にじのほし16 マヒトゥ・ザ・ピーポーライブ、明日5/17(日)21:30までご覧いただけます。キャンドルジュンさんの演出、映像もシネマのような美しさです。週末にゆっくりと、ぜひ!
Mahito The People × CANDLE JUNE "one" live streaming
TICKET :¥1,000 https://t.co/UqWaF5JC5H pic.twitter.com/78JcZZLp8X
— にじのほし (@nijinohoshi2015) May 16, 2020
5月16日(土)21:00 桜井秀俊 @Instagram
「桜井インスタライブ初挑戦✌ 明日5/16(土)21:00〜 是非ご参加下さいませ。」と、真心ブラザーズのオフィシャル・アカウントがツイート。ただし、この日、開催中止になったCINRA.NETの渋谷でのサーキット・イベント『CROSSING CARNIVAL』、そのウェブ版が立ち上げられ、13:00から21:00まで配信、それをチラチラ観ながら仕事をする。で、トリの曽我部恵一は20:35から、終わったらちょうど桜井スタート、と踏んでいたんだけど、なんやかんやで押して、曽我部の弾き語り生配信ライブが始まったのは20:54だった。3曲目の途中まで観て、桜井さんに飛びました。
桜井さん、自宅の自室からの生配信。宮崎の焼酎の一升瓶を足元に置いて、ロックグラスで飲みながら、ステッカーだらけのセミアコで弾き語り。全4曲で、1曲目は「Son of the Sun」、次はファンのリクエストに応えて「わけ」、次は先日自分のインスタにカレーが煮立っている映像と変なポエムを載せたら、「そのカレーを作る思いをぜひ曲にしてください」というメッセージがチラホラと見受けられたので、という理由で作って、人に聴かせるのはこれが初めてだという新曲「Love & Curry」(仮タイトル。なお途中で機材トラブルがあって最初からやり直した)。最後は「I’m in Love」でした。
「わけ」を歌う前に「真心のCDではYO-KINGさんが歌ってるのかな」とかおっしゃっていましたが、結果、1曲目=真心でも自分が歌っている、2曲目と4曲目=真心ではYO-KINGが歌っている、3曲目=まだどうなるかわからない、という配分になりました。
ほんとにインスタライブ、不慣れだったようで、最初に「コメントが出るってきいたんだけど……出ない? 誰も書いてない?」とあせったり、「上の方のこの数字は、(観ている人の)数? 数と認定しよう! こんなに観てくれてる!」と喜んだり、途中でコメントの見方がわかって「あ、すごい!」とさらに喜んだり、「1000名様の前で、(自分の)部屋からひとりでライブをやってるってことですよね。すげえな! 個人的にもいいリハビリになっております」と感謝を述べたりする、なんとも初々しい、6月6日で52歳でなる桜井さんなのでした。
あと、「ミュージシャンみんなそうだと思うけど、もう曲作るぐらいしかやることがない」「曲を作っております。新しい作品作るテンション、はちきれています」ということなので、楽しみにしています。