PHOTO:Viola Kam (V’z Twinkle Photography)
2016年3月20日(日) 幕張メッセ 幕張イベントホール
REPORT:兵庫慎司
『DMCC REAL ONEMAN TOUR』のシメを飾る『EXTRA!!!』インテックス大阪2デイズと幕張メッセ・イベントホール2デイズの最終日のこの日の模様が、Blu-ray作品『DMCC REAL ONEMAN TOUR – EXTRA!!!- 2016』として7月6日にリリースされる。よって以下、DI:GA onlineでは、当日のステージの一部始終をお伝えするライブレポをお届けします。当日のライブを体験された方もそうでない方も、以下を読みつつリリースを楽しみにしていただければと思います!
ツアーのファイナル、幕張メッセ・イベントホール2デイズ。当然過去のワンマンでは最大キャパ。ただしフェスではもっとでかいステージでもっと多くのオーディエンスの前でやった経験ありなので、そのへんの心配はなし。
いつもは生身だが今回はアニメになってバンドのキャラ、ネズミくんと共に行ったキュウソライブ制作P青木(ATフィールド青木さん)の前説、あり。黒スーツにタレサン姿の5人がステージに向かうモノクロ映像に続いて“ウィーワーインディーズバンド!!”でライヴが始まる、などの効果映像、何度もあり。
フジテレビの軽部アナ(“伝統芸能”で登場、口上を述べる)やSHISHAMO宮崎朝子(映像内で“記憶にございません”の「うそつき」というセリフを、デート設定で1回、ナース服で1回、言う)といったゲスト、あり。
“良いDJ”で金テープが放たれたり、“春になっても”で桜吹雪が降り注いだり、“シャチクズ”でレーザー光線が飛んだりといった特殊効果、あり。
PHOTO:丹部美咲
PHOTO:Viola Kam (V’z Twinkle Photography)
PHOTO:Viola Kam (V’z Twinkle Photography)
鳴り響く「必殺仕事人」のテーマとともに、ヤマサキ セイヤが刀を振り回してメンバーをひとりずつ切り捨てていくが最後にヨコタ シンノスケにライトセーバーで切られるとか、ステージからさらわれてジェイソンみたいな男に殺されそうになったセイヤがサルのバケモノに変身してジェイソンを返り討ちにするとかいった類いの、寸劇というか小芝居みたいなコーナー、あり。
PHOTO:丹部美咲
大阪の時は大人の人の花ばかり(関係者ってことらしい)だったけどここ幕張はバンド仲間がいっぱい花をくれた、でもねごとは大阪と幕張の両方に花を出してくれた、女の子やん、俺勘違いするやん、意識してまうやん──という話や、昨日のライブ後にマネージャー&メンバーでメシ食いに夜の幕張の街に出たら、キュウソTシャツ着たファンと何度もすれ違ったのに誰にも気づかれなくて(一緒にいたカワクボ タクロウは気づかれたのに)、しまいには自分からファンに声をかけてしまった──という話など、ヤマサキ セイヤの爆笑MC、何度もあり。
ただし、これだけのスケールのライブをやれたということもあってか、「お客さんがいない時代を乗り越えてきたので、ひとりのお客さんもなくしたくないという気持ちが強いんです」と言ったり、「(自分たちに協力してくれる)バカな大人がまわりにたくさんいてくれてよかった」とスタッフに感謝の意を述べたり、それに続けて「来てくれたバカなお客さん、ありがとう……今、よくあるやつ言うてまいそうになった。『愛してるよ』て言うてまいそうになった」と照れながらも結局「愛してるよー!」と絶叫、メンバーにもひとりずつそう叫ばせるなど、大マジなMCもあり。
PHOTO:Viola Kam (V’z Twinkle Photography)
そして、キュウソ恒例「ダイブしていいのは俺(ヤマサキ セイヤ)だけ」タイム、三度にわたってあり。
一度目は「(フロア中央天井の)ミラーボールの下まで行きたい!」と人の波に身を投じ、ミラーボールを通り越してAブロックを縦断しきったと思ったらスタッフに抱えられてBブロックに放り込まれ、そのままフロア最高峰までクラウドサーフで到達。
二度目はギター弾きつつ歌いつつフロアに駆け下りて姿を消したと思ったら2Fスタンド席に現れ、そのまま走ってスタンド1周。
三度目は、「お願いシェンロン」で、おなじみの筋斗雲(と書かれた板)2枚と、新しく作ったと思しきもっとリアルに筋斗雲の形をした乗り物を使って、フロア中央まで移動、四方に向けてかめはめ波を放ちまくった。さらにそのあと、メンバー5人で2台のワゴンに分乗、客席に手を振りつつフロアを半周、これで終わりかなと思ったら「ハッピーポンコツ」をプレイしてしめくくった。
PHOTO:丹部美咲
という、今のキュウソネコカミがやりたいこと、やれること、思いつくことをすべて詰め込んだような、大変に濃密で、笑ったりしみじみしたり興奮したり感動したり、とにかくもう感情を揺さぶられまくる、全27曲・3時間だった……そう、書くのを忘れていたが、「しみじみ」的なゾーンもあったのでした。3月17日に解散した友達のバンド、Noise and milkに捧げる曲「Noise and milk」が歌われた時や、中盤に “春になっても”“シャチクズ”“フラッシュバック”“何も無い休日”とシリアスな曲が並んだゾーンが、それにあたります。
その上、新曲も2曲やった。先月のZepp Tokyoでも歌った「こみゅ力」という曲と、大阪2日・幕張2日で歌詞を4回書き直したという、アンコールでやった曲(「俺は地球」というタイトルになるっぽい)。つまり、これまでの集大成を見せただけでなく、「これから」も見せたということだ。こんなにいろんなことをやっているのに、本人たちは「まだなんにもやってねえ」という思いに突き動かされているような、焦燥感や飢餓感や前のめり感までが伝わってくるステージだった。
とにかく、「キュウソ、ここまで猛スピードで階段を駆け上がってきたけど、この先はどうするんだろう?」というデッドエンド感が本当に一切なかったのが、とてもとてもよかった。で、この次のアクションが、さらに楽しみになった。
PHOTO:丹部美咲