インタビュー/武市尚子
──22ヶ所23公演の秋の全国ツアーでは、いつもとはまた違う手応えを感じたりした?
はい。折り返し地点くらいで感じたことなんですけど、メンバー1人1人の声を感じてもらえることができているツアーなんじゃないかなって思ったんです。例えば、MAYUは普段、ファルセットが目立つ歌い方が多かったりするんですけど、バラードの歌い出しの部分では、今回MAYUのハスキーな歌声がしっかりと響きわたっていたりして。本当に個々の魅力をそれぞれが発揮できているなって感じるセットリストだと思います。
──曲の並びが違うだけでも、すごく曲や声の印象が変化して聴こえたりするからね。
そうですよね。今回、オープニングとエンディングもまたいつもとは違った印象になっていると思います。始まるときのゾワゾワ感を、みんなにも味わってもらえているんじゃないかなって思います。
何回かリトグリのライヴに来て下さってる方は、なんとなく自分たちの中で、“この曲から始まるんじゃないかな?”とか、“この曲の次はこの曲なんじゃないかな?”って、想像していると思うんですけど、今回はいい意味でそこの期待を裏切れたのかなって思うと、ちょっとワクワクするんです。みんなの反応を見てて気持ちいいというか。
自分たちが他のアーティストさんのライヴを観に行ったときに、オープニングって、すごくゾクゾクする瞬間でもあるし、エンディングはその後もずっと記憶に残る感じだし、すごく思い入れもあって。
ツアーのリハーサル時間が今回特に短かったこともあって、練習がめっちゃ大変だったんですけど、実際にライヴが始まってからは、本当に毎回楽しくてしかたないんです!
そう!始まる前は、ちょっと長めなツアーかな?って思っていたんですけど、始まってみたら本当に早くて、折り返し地点くらいになったとき、“え!?もう半分になっちゃった!?”ってビックリしたんです。気付いたら終わっちゃった!って思わないように、1本1本噛み締めてライヴしようって思いながら毎回歌ってます。
それに、今回のツアーでは、これまではなかった、ちょっと大人っぽい演出もあったり、挑戦した部分が多いツアーだなって思います。いつも以上にやってて楽しいなって思える瞬間がいっぱいあるんです。メンバーを見てても、みんな楽しそうだし、いままで以上に余裕があるなって感じる部分が多いです。ファンの人たちから、“大人になったね”って言ってもらえることも多くなったので、これからもファンのみなさんと一緒に成長していけたら嬉しいなって思ってます。
──素敵だね。5人になって初めてのツアーだから、身構える部分もあるかな?って思ったけど、余裕を感じるライヴができたってことは、本当に成長の証なのかもしれないね。
純粋にみんな年齢的に大人になったことで、歌い方にも余裕が出て来たのかなって思いますし、いままでの曲をちょっと大人っぽくアレンジしなおしていたりするところも余裕を感じさせるんだと思うし、いままではとにかくがむしゃらに歌っていたけど、いい意味で、抜くことを覚えたというところも大きいと思います。
──なるほどね。最初にmanakaが言ってたことと繋がる部分なのかもしれないね。
本当にそう思います。大人になって少し声が変化して、不安定だったところが安定したのも大きいと思いますね。歌っていても、みんなの変化をすごく感じるので。力一杯歌うことしか知らなかったけど、引きながら歌える曲が増えてきたというか。より感情が込められるようになった気がします。
それもあってか、“「明日へ」で泣きました”って言ってくれるお客さんがすごくたくさんいて。嬉しいなって思ったんです。
──「明日へ」(9月13日にリリースされた前シングル)は、今の自分たちを切り取った、初の作詞曲でもあったからね。
そうなんです。自分たちもすごく気持ちを込めて歌える1曲だなって思います。
──まさに成長だね。今回のツアーでは、地方は普段行かないような土地にも行っていたよね。
そうなんですよ!それもあってか、町の人たちがとてもあたたかく迎えてくれてる感覚が、すごく伝わってきたんです。
駅からちょっと離れてる会場もたくさんあったんですけど、地元の方達に馴染みの深い会場だったりしたのもあって、“合唱コンクールで立ったステージで、リトグリがライヴしてくれて嬉しいです!”っていう言葉をかけてもらったりして、またそれが嬉しかったりするんです!
──すごく分かる気がするな。お互いが嬉しいよね。
はい。いつも以上にみんなとの距離が近い気がしました。今年は、武道館のライヴから始まったので、本当にツアーに始まってツアーに終わる1年だったなぁって思うと、幸せだなって改めて思うんです。
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