――メジャーデビューイヤーとなった2015年を振り返ってもらいたいと思うんですが、まず、7月にデビューミニアルバム『round voice』がリリースされました。ご自身にとっては、どんな1枚になってますか?
2012年にプロデューサーの小林武史さんと出会ってから、デビューまでの3年間でライブで歌ってきた曲にプラスして、1曲目の『風』という曲で、新たな自分のスタイルを提示するようなイメージで作っていて。今までの自分を一回、終わらせて、決別するみたいな意味合いのアルバムになってますね。
――新たな出発に際して、どんなスタイルを示したと言えばいいでしょうか。
楽曲の面で言うと、それまでのポップなものからはちょっと外れて、私の野生的な部分をガンガン出していきたいって思っていたんです。歌い方としても、自分が生きるということに対する姿勢や荒々しさみたいなものを薄めずに、隠さずにちゃんと出していきたいなと思って。生きていくことってそんなに生易しいものではないし、痛いし、苦しいけれども、私は絶対に負けたくないんだっていう。歌詞においても、生命力を押し出した分だけ純粋というか。野蛮さとピュアさをいっしょくたにしたパワー感を出したいなと思ってました。
――続く11月には、配信シングル「柔らかな物体」がリリースされました。この曲もまさに“生きていくこと”が1つのテーマになってましたよね。
そうですね。『風』の系譜にのるような形で作りたいっていう思いがあって。人が生きていく中では、自分の力ではどうにもならないことがある。その、どうにもならない世界を受け入れた上で生きていくことが、ちゃんと希望を見つけ出していきたいねっていう曲になってて。サウンドの面でも、自分の手に負えない何かの洪水に飲み込まれてるというか、カオスの嵐の中にいてしんどいんだけど、それでも幸せを感じられるっていうイメージの曲になってます。
――そして、3月からは初のワンマンツアーが決定しました。
初めてのワンマンなので、決まった時はできると思ってなかったというか、『やることになってしまった……』という感じで(笑)。結構、怖いし、重責があるし、大変なことになっちゃったなって思ってます(笑)
――(笑)まだ先ですが、どんなツアーにしたいと思ってます?
ミニアルバム『round voice』の曲を中心にしつつなんですけど、これまでを終わらせて、新たに進んで行こうっていう意味合いの作品だったので、ちゃんと“これから”を見せられるツアーにしていきたいなと思ってて。だから、新曲も多めにやりたいし、私の生命力や野蛮さを目でも、耳でも、圧力でも(笑)、感じられるようにしたいですね。
――ノドカさんにとって、生で歌うライブはどんな意味合いを持ってますか?
子供の頃に歌を歌った時に初めて思ったのが、『なんか、私、生きてるんだなぁ』っていう感覚だったんですね。聖歌隊や合唱部で、ものすごく大きい声で歌ってたんですけど、その時に、歌って命を燃やすことなんだ、魂が叫ぶことなんだと思って。それ以来、歌は生きることだと思っているので、未だにライブは、私がものすごく生物になれる場所であって。と同時に、自分が練って持ってきたエネルギーや生命力をお客さんと投げ合うことが大事だと思ってて。それが、お互いに生きることことだなって感じているし、みなさんには是非、私にエネルギーをぶつけにやって来て欲しいなと思います。
インタビュー/永堀アツオ