ライブイベントや美術展や映画公開など、さまざまな企画が行われている「赤塚不二夫生誕80年」。その一環として、12月1日から東京大学本郷キャンパス山上会館にて「バカ田大学」がスタートした。これは「次世代メディアコンテンツクリエイター養成講座」として、「『これでいいのだ』に代表される『赤塚イズム』を再発見するべく、さまざまな分野の第一線で活躍する著名人の方々が、それぞれの表現方法で『バカとは』について解き明かし、東京大学の教壇で熱弁を振るいます」(以上プレスリリースより)という趣旨で、みうらじゅん、宮沢章夫、会田誠、喰始、鴻上尚史、泉麻人、茂木健一郎、養老孟司などなどのビッグネームの皆様が講義を行う、というもので、3月31日まで続く。
その第3回目、12月5日(土)に行われた安齋肇の講義を受けてきました。講義のタイトルはは「ちこくでいいのだ。」。「『空耳アワー』の撮影に遅刻してタモリさんを待たせた」という有名な実話をはじめ、遅刻に関して数々のエピソードを持つこの方ならではのテーマである。講義がスタート、と思ったら壇上には安齋先生ではなく「フォークシンガー小象」と名乗る人物が現れ(正体は俳優の大堀こういち)、「安齋さんが『時間どおり来てたまるか』と言うので代わりに出てきました」と、2曲歌ってひと笑いかっさらう。その後安齋先生登場(入り時間には遅れたが講義スタートには間に合ったそうです)、小象さんを相手に「遅刻をすると生き地獄」「遅刻をした時点で相手の言いなり」「低姿勢なのは遅刻したから」「つまり性格がいいと思われるのは遅刻するから」「遅刻する時『何分遅れます』ということは正確に伝える。18分遅れると行ったら走って18分で行く」「グラフィックデザイナーとしても締め切りを守らないが、印刷の行程をすべて計算しているのでほとんど落としたことはない」「日本には『うやむや』といういい言葉がある」などなどの遅刻にまつわるエトセトラについてしゃべりまくった挙句、例の「遅刻でタモリさんを待たせた事件」の顛末を詳しく語り(その日は彼の遅刻のせいで最終的に撮影が行われず、タモリさんに『小学生でもわかるように』15分間とうとうと説教されたそうです)、爆笑と愕然と呆然が入り混じった、なんとも言いがたい精神状態に、我々受講者たちを陥れてくださいました。
なお、この「バカ田大学」、1回受講すると受講票がもらえ、5枚集めると修了証を受け取れる。ちなみにこの安齋先生の講義の参加者全員には、先生の著書である絵本『タビダチくんがゆく』もプレゼントされた。2015年10月23日放送の「タモリ倶楽部」の「第一回本タワー積み選手権」企画で、「在庫があと1000冊あります」と紹介されていた本です。何か、妙にうれしいものがありました。
●Report/兵庫慎司