kobore、10周年を経て新たなスタートラインへ。それぞれのターニングポイントは?メンバー全員に話を訊いた。【後編】

インタビュー | 2026.01.11 18:00

東京の西、府中市で生まれた一つのバンドが、長く曲がりくねった道のりを経て、2025年に10歳の誕生日を迎えた。その名はkobore。11月にリリースした配信限定ベストアルバム『kobore-10 YEARS BEST-』は、新曲「夜に焦がれて」を1曲目に、2曲目「幸せ」から16曲目「イヤホンの奥から」までの15曲は、ファン投票による上位曲を曲順通りに配置した、バンドとファンが作る10周年のベストメモリーズだ。3月には自主対バン企画『FULLTEN』のツアーが開催されることも決まった。2026年、新たなスタートラインに立ったバンドは何を思うのか。佐藤赳(たける/Vo)、安藤太一(Gt)、田中そら(Ba)、伊藤克起(Dr)の4人に話を訊こう。
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──これまでのターニングポイントについて、聞いてみたいですね。何かをぶち破った瞬間とか、あるいは辛い時期を乗り越えたとか、10年間を振り返って記憶に残る作品と言うと?
安藤太一僕は「夜空になりたくて」。そらが原案を作ったんですけど、サビのコードを僕が付け直して、頭のフレーズも僕が考えて、正直コードに合ってなかったりするんですけど、でもその気持ち良さをそらが認めてくれたんで、そのまま使ったりとか。サビのコードとたけるの歌がずれてるところもあるんですけど、そのミスマッチ具合と、意図してやったところがうまくはまったので、曲としても好きだし、僕的には大事な一曲かなと思ってます。

田中そら今言われて思い出した。Eマイナーのところだよね。
安藤そうそう。
田中それまではほとんどたける任せだったのが、このあたりから変わってきたんだよね。3人でスタジオに入って作って、たけるに提案したら…ここがたけるのいいところなんですけど、音楽に対して妥協しないんですよ。もし自分がボーカルだったら、自分で作った曲じゃないと歌う気にはなれなかったんじゃないかと思うんですけど、たけるは「良かったら使う」というタイプで、「夜空になりたくて」もあっさり「いいじゃん」と言ってくれて。たけるが色々メロディを付け直して、最終的にレコーディングまで持っていったんですけど、結構奇跡の連続だったんじゃないかなと思います。
佐藤赳俺が壁になると思ってたんだ。
伊藤克起これは通らないんじゃない?って、ちょっと怯えてた(笑)。
田中そらたけるが「ごめん無理」とか言ったらもう終わりだから。でも音楽に対して忖度なしの人だったのと、持ってきた原案が微妙だったら「ごめん」ってなってたと思うけど、そうではなかったのと。そういう意味でターニングポイントだったかもね。このEP『Orange』(「夜空になりたくて」収録/2021年)は。
──克起くん、ターニングポイントってありますか。
伊藤俺は完全に一作目のEP『アケユクヨルニ』(2017年)。自分が入って最初の作品だから、めっちゃ緊張した記憶がある。
佐藤「涙のあと」とか、ドラムを全消ししたよね。デモで前のドラムが叩いてたやつを。
伊藤「涙のあと」とか、このEPには入ってないけど「声」「おやすみ」とか、元々あった曲を録り直すたびに、自分は前のドラムをやってた先輩ももちろん知ってるわけで、でも「全然変えちゃっていいよ」みたいな感じだったから、変えたいけど、でもリスペクトも残したいから、フレーズをめっちゃ考えたんですよね。だから今でも体で覚えてるドラムがいっぱいあります。最初に作ったのが「ありふれた日々に」で、ライブで全然やってないけど、やれと言われたらすぐできますよ。全部覚えてるから。というか、「ありふれた日々に」は俺がまだサポートだった時に急に曲を作り始めちゃって、これどうすんの?と思ってた後に正式に誘われて、「まぁそうなるよね」と思ったのを覚えてる。このレコーディングは本当に緊張した。もう正式に入ったわけだから、koboreのドラムとしてちゃんとやっていかないといけないと思ってたから。

佐藤みんなに敬語だったもんね。でも安藤だけ「安藤」だった(笑)。
伊藤安藤は、初めて出た打ち上げで潰れてて、俺が人生で初めて見た酔っ払いなんですよ。声かけてあげないと死んじゃうと思ったから、最初は「安藤さん!」って呼んでたんだけど、「おい、安藤!」になって、そこからタガが外れちゃった(笑)。最速でタメ語になれたのが安藤で、そこも大きなターニングポイント(笑)。『アケユクヨルニ』は、自分の演奏がCDになったのが初めてだったし、そういう意味でもすごく覚えてますね。
──ファン投票1位の「幸せ」もここに入っているし。
伊藤入ってますね。でも、こんなこと言うあれですけど、めっちゃ録り直したい。
佐藤ポンコツだね(笑)。俺のボーカルもどん詰まってる感じがして、何も抜けなさそうな声してる。
伊藤良くも悪くもフレッシュなんですよ。聴く人からしたらこれが普通なんですけど、こっちからすると常に更新しているものだから、「うわー!」みたいな。でも自分にとって大事な一歩目だったから、これなくしては語れない。

【kobore × SCHOOL OF LOCK!】 - 幸せ(LIVE)

──そらくんの、個人的ターニングポイントは?
田中やっぱり『Purple』(2022年)ですね。初めて曲を書かせていただいたので。10年通してみると、僕の人格形成がバンドと一緒にされていった感じがあって、だいぶ変わったなって自分で思うんですよ。人柄とか考え方が。インタビューとかも、過去の記事と照らし合わせたら言ってることが全然違ったりして、でもそれは信念がないってことじゃなくて、言ってることが変わるのは、常にバンドのことを考えてきたからだなって、こうやって振り返ると思いますね。「俺はバンドのことずっと考えてたんだな」と思うから、10年は普通に長かったと思います。で、『Purple』は僕にとって一番何かが変わった覚えがあるアルバムで、ここから今の田中そらという人間が、ちゃんとわかるようになってきた気がします。「自分がこういう人なんだ」ということが。
佐藤そらが作る曲のテイストも、変わってきてるしね。
田中そうだね。その時々の思いをちゃんと乗せられてることが、すごい幸せだったと思います。どれも失敗はないと思うし、自分のやりたいことをやってるはずなので、失敗するわけがないんですけど。ここからどうなるのかな?とは思いますけど、きっとまた食らいついてくんだろうなと思うし、いつまでたっても余裕がない。一生そうなんだろうし、僕はいつも、めっちゃ頑張ってやっと普通って感じです。
──では、たけるくんにとっての、koboreの10年とは?
佐藤それを言葉にできちゃったら終わる気がするんですけど、10年がどうのこうのとかはないですね。結局どこがターニングポイントであったとしても、通過点であってほしいし、10年間やったから偉いとかかっこいいとか、そういうわけでもないし。ここまで音楽を続けてこれたという事実だけあれば、それが自分のこれからに繋がっていくのかな、ぐらいしか今は言えないっすね。

──それでOKです。では未来の話をしましょう。3月に開催される企画ライブ『FULLTEN』。名古屋、大阪、東京と、対バンに強敵が揃っています。どんなライブにしますか。
伊藤めっちゃ私情なんですけど、人生で初めてお金を払って見に行ったバンドがBLUE ENCOUNTなんですよ。あんまり邦ロックにハマったことがなくて、洋楽とかボーカロイドとかを聴いてたんですけど、初めてハマったバンドがBLUE ENCOUNTで。今も新しいのが出るたびに聴いてるし、個人的に仲良くさせてもらってるから、ライブに招待してもらったりもするんですけど、やっぱりかっこいいなって毎回思ってて、今回ダメ元で声かけたら出てくれるということなので。でも全然、ぶっ倒しますよ。好きだからこそ、ちゃんとぶつかりたい。MakiとSIX LOUNGEは同年代だし、やりがいしかないです。ちゃんと見たいし、ちゃんと見てほしいなっていう感じがします。
安藤対バンイベントを続けてきて、今回が一番規模が大きいので、そこに対して頑張りたい気持ちもある中で、MakiとSIX LOUNGEには負けたくない気持ちがあるし、ブルエンは唯一ちゃんと対バンしたことないバンドで、しかもここまで大きい先輩を呼べたことがなかったので。すごく気合いが入るし、喰らいつきたいなってめちゃくちゃ思ってますね。あと、たぶん江口さんはギターめっちゃ好きな人だと思うから、個人的にもお話したいなと思ってて、すごく楽しみです。
田中MakiとSIX LOUNGEは友達で、仲がいいからこそ、逆にお互いをぶっ飛ばすぐらいの気持ちでやりたい。仲良いいのは打ち上げだけで。BLUE ENCOUNTもそうで、僕は勝ち負けで当てはめるのがすごく好きなので、ライブは勝ちたいなって思います。すごくかっこいいバンドばかりですけど、koboreが全員に勝っていくところを見てほしいなと思いますね。負けたくない人たちばかりなので。

──仁義なきバトル。楽しみです。
田中よくテンプレで、「見なきゃ後悔しますよ」っていうのがあるじゃないですか。これに関しては本当に、いろんな意味を含めて見ないと後悔する3本になると思います。見ないで、後で色々言われても知りませんって感じ。
佐藤法事がある人以外は来てほしいですね(笑)。予定がないんだったら無理しても来てほしいです。
伊藤ブルエンかー。泣いちゃいそう。
──そのあと、2026年の活動予定はどんなふうに?
田中1月6日に新曲「Magic」が配信リリースされます。TVアニメ『異世界の沙汰は社畜次第』のオープニングテーマになってます。本当にありがたいです。
佐藤結成10周年なのでツアーを回れたら良いなとは思ってます。
田中お世話になったライブハウスに、「これからもよろしくお願いします」という意味も込めてね。
佐藤2026年は、2025年よりもいっぱいライブしたいと思ってます。

PRESENT

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公演情報

DISK GARAGE公演

kobore pre.『FULLTEN』

kobore pre.『FULLTEN』
2026年3月19日(木) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
【GUEST】BLUE ENCOUNT
2026年3月22日(日) 大阪・心斎橋BIGCAT
【GUEST】Maki
2026年3月27日(金) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
【GUEST】SIX LOUNGE

 

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RELEASE

『kobore -10 YEARS BEST-』

Digital Best Album

『kobore -10 YEARS BEST-』

2025年11月26日 (水)配信リリース

楽曲リンク
https://kobore.lnk.to/10YEARSBEST
  • 宮本英夫

    取材・文

    宮本英夫

    • ツイッター
  • 東 美樹

    撮影

    東 美樹

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