SHAKALABBITS 25th ANNIVERSARY TOUR''STARTING OVER'' TOUR FINAL
2025年11月3日(月祝) EX THEATER ROPPONGI
お馴染み「Roller Coaster」のリミックスに乗って登場した4人が円陣を組む。Uqui(Vo)がハーモニカを吹き鳴らしてMAH(Dr)が勢いよくリズムを刻む。大歓声とクラップが迎える中、1曲目「COMEBACK ANYTIME」からアクセルべた踏み、ぐんぐん加速して「GO」「That thing you do!」へ、明るく激しいポップパンクチューンを連続投下。サポートのKohey(Gt)とIKKE(Ba)がめちゃくちゃ目立ってる。演奏力はもちろん、走り回る運動量と全力の掛け声でバンドを引っ張る。曲は懐かしいけど音はフレッシュ、まさに新人バンドだ。
「先に言っとくけど、今日は長いよ。17本やってきて、いいところを集めたらすごいボリューミーになっちゃった。長いけど、あっという間の時間にさせてみせるので、最後までどうぞよろしくお願いします」(Uqui)
大きなケガはしないようにと言いつつ、かすり傷ぐらいは勲章だからと、暴れる許可を与えるUqui。受けて立つオーディエンスは拳を振り上げ、ダンスとジャンプでフロアが揺れる。サイケデリックなギターリフがかっこいい「ダズリングスープ」を皮切りに、徐々にハード&へヴィな曲調を強めながら「MutRon」、「少年と白い犬」から「Roller Coaster」へ。MAHのドラムがかつてよりもシンプル、ストイックな職人技に聴こえるのは、元気いっぱいのサポート二人とのバランスがいいからだろう。そして何と言ってもUquiのボーカル。変わらずしなやかでキュートでパワフルな、唯一無二の魅力を放つボーカル。
バンド初期の「SO EXCITED!」から「CAN’T ESCAPE THE CHOCOLATE SYRUP」、大合唱の「マッシュルームキャットナンバープレート」、そして「SADISTIC AURORA SHOW」。流れを切らない曲順がいい。メンバー紹介もとても楽しい。思いが先走って活舌が怪しくなりつつ、コール&レスポンスで盛り上げる明るいIKKE。「すっかりバンドに馴染んでます」と爽やかに語り、「ここからもどんどんかっこよくなっていきます!」と胸を張る頼もしいKohey。そしてMAHとUqui。
「バンド活動の生活からほぼ離れていて、またシャカラビを始めて、またミュージシャンになって、毎朝起きるたびに幸せです。これからもみんなをワクワクドキドキさせ続けたいと思ってます」(MAH)
「Uquiという形のある生き物を作ってくれたのはみんなだと思う。みんなの愛とか、たくさんのパワーで私はできているんだ。もっと自分に期待して、もっと高みを目指して、これからもみんなに音楽を届けていきたいと思ってるんだ」(Uqui)
言葉はいらないでしょ、新曲をやるぞ。そう言って歌った「Naked」(10月27日リリース)のソリッドなスカのリズム、ファンクやメタルを混ぜ込んだスープのようなミクスチャーサウンドにぶち上がる。「IT’S OUR SECRET」「オレンジライオン」「KARENA」「80」と、猛烈なスピードでぶっ飛ばす。スカパンクにポップパンクにメロコア、青春パンクにギターポップにエモ。バンドがバンドらしかった時代の郷愁がふと頭をよぎるが、SHAKALABBITSは思い出を超えて今ここにいる。
ここでUquiが長いMCをした。2017年にバンドを休止した気持ち。MAHと二人で出かけた、LAのBack to the Beach Fes.で憧れのレジェンドたちを観た時の思い。もう一度新しいバンドをやろう。二人で組んだMuvidatのコンセプト。7年を経てSHAKALABBITSの再出発。そして今思うこと。
「あの日、LAで観た夕陽のタンジェリン(オレンジ色)がとても綺麗で、その時のことをMuvidatで曲にしました。SHAKALABBITSの休止から勇気を持って新たな一歩を踏み出した曲を演奏したいと思います」
その瞳に映ってしまったら、息をするのも忘れて、ただ溢れかえるほどの奇跡だ。キレのいいレゲエとロックのリズムに乗って歌う「タンジェリン」。MuvidatのTシャツを着たファンをみつけて「嬉しい。泣いちゃう」とUqui。すべては繋がっている。曲の大半を大合唱にゆだねた「ポビーとディンガン」「星空の下で」、みんなのこと応援してるからと、力強く背中を押す「Ladybug」、そして一気に世界が明るく開けるロックチューン「SPICE!」へ。
「いろんな時間に行った気がする。楽しい事ばかりじゃない。苦しい事ばかりでもない。みんなと一緒に重ねてきた時間があるんだよな。みんなキラキラしてるし、今が一番かっこいいって事を伝えたいです」(Uqui)
これからもどうぞよろしく。最終セクションは、フロアにサークルができた「Soda」から、大合唱の「head-scissors」、そして「MONSTER TREE」へ。IKKEがベースを掲げてサークルの真ん中に飛び込む。「宇宙一かっこいい歌声を聞かせてください」とUquiが呼びかける。この日一番の一体感がフロアを包み込む。世界一の平和ソングを全員で大合唱したあと、ラストを締めるのは「ROLLIE」だ。思い出すたびに強くなっていく。曲を聴けばあの頃に戻れる。音楽に乗ればどこへでも行ける。
「来年2月14日、あけておいてください。ぜひ遊びに来てください」(Uqui)
アンコールでは2026年2月14日、思い出の渋谷公会堂、ではなくてLINE CUBE SHIBUYAで開催される「HALLELUJAH CIRCUS NIGHT -UQUI'S BIRTHDAY PARTY-」をしっかり告知。また会う日までの約束代わりに「g★s★g」「Pivot」の2曲を届けて、2時間10分に及ぶツアーファイナルは幕を閉じた。MAHが最前列のファンとハイタッチしてる。BGMの「Naked」に合わせてUquiが歌ってる。まだ歌い足りないらしい。続きは次のライブで聴こう。2025年にSHAKALABBITSのライブが観られるとは思っていなかった。そして来年も観られるなんて、なんて素晴らしい時代だろう。
SET LIST
01.COMEBACK ANYTIME
02.GO
03.That thing you do!
04.ダズリングスープ
05.MutRon
06.少年と白い犬
07.Roller Coaster
08.SO EXCITED!
09.CAN'T ESCAPE THE CHOCOLATE SYRUP
10.マッシュルームキャットナンバープレート
11.SADISTIC AURORA SHOW
12.Naked
13.IT'S OUR SECRET
14.オレンジライオン
15.KARENA
16.80
17.タンジェリン
18.「ポビーとディンガン」
19.星空の下で
20.Ladybug
21.SPICE!
22.Soda
23.head-scissors
24.MONSTER TREE
25.ROLLIE
ENCORE
26. g★s★g
27.Pivot

















