ニューロティカ、あっちゃん還暦ラストナイトはレア曲連発!「これからも楽しいことを考えていきましょう」

ライブレポート | 2025.10.24 18:00

ニューロティカ「あっちゃん還暦ラストナイト」
2025年10月19日(日)Flowers Loft

浅草花劇場で賑やかに開催された『あっちゃん還暦披露宴パーティー』から早1年――。ニューロティカが、あっちゃん61歳の誕生日イブとなる10月19日(日)下北沢Flowers Loftにて『あっちゃん還暦ラストナイト』を開催した。2025年は41周年記念ツアーを駆け抜けて、新宿ロフトとの共同開催イベント『ビッグ・ウェンズデー』を大盛況で幕を閉じて(最終回のvs有頂天、めちゃくちゃ良かった!)。相変わらずのOH!忙しぶりで41周年イヤーを爆走中のロティカと、還暦と思えないアグレッシブさで全国に愛と笑顔を振りまいてるあっちゃん。還暦イヤー最後の日、あっちゃんがみんなに届けたい曲をセレクトしたというこの日のライブは、ひと足お先にあっちゃんのお誕生を祝う祝福ムードと、レア曲連発の貴重なライブへの歓喜と興奮が溢れる一夜となった。

開演時間となり、SEと歓声に迎えられてカタル(Ba)、ナボ(Dr)、RYO(Gt)が登場。カタルの「Yes、ニューロティカ!」を合図にナボのドラムで始まった曲は、2ndソノシート『LAST PEACE』(86年)に収録された「GODZILLA」。え、なにこの始まり方!? こんな曲、ライブで聴いたの初めて! ♪でっかいでっかいゴジラ ガオー! ガオー!と楽器隊がボーカルをとって始まるオープニングに仰天してると、本日の主役であるあっちゃんが登場してマイクを取り、ライブが本格スタート。

続いて、RYOのギターイントロから、「この歌からニューロティカは始まった!」と告げて始まった曲は「PANIC LIFE」。さらに「Last Peace」と続き、レアな初期楽曲連発の序盤戦。古参のファンが狂喜乱舞する光景を見て、ニヤリと笑顔を見せるあっちゃん。変わらぬ疾走感とキャッチーさがありながら、若さや時代を反映した攻撃性や男臭さを持つ初期楽曲たちの良さに浸りながら。あの頃の気持ちを取り戻したいみたいな、原点回帰的な意味合いもあったのかな?と思ってふと見ると、あっちゃんのピエロメイクの下に光る目つきがいつもより鋭く見えたのは気のせいか。

続くMCでは、「今日1日を使って、ニューロティカの歴史をみなさんにお見せいたしましょう!」と嬉々として告げるあっちゃんに、「楽しそうだね」とカタルが告げて微笑む。ミディアムな曲調に痛烈なメッセージを乗せた「青いお空に」を披露すると、「Panic Life」や「青いお空に」が収録されている1stソノシート『GO or STOP!!』(85年)リリース時のエピソードや当時のライブハウスの雰囲気を懐かしそうに語り、「あの頃からやってる人は、いまも日本のロックを掻き回してるんでね。本当に日本のロックは最高だと思います」とバンド仲間へのリスペクトを送ったあっちゃん。

「知ってる? キャバクラとかで、『“ウィスキー”って言ってごらん』って言って、鏡を見せると笑顔になってるの。そこから出来た曲です」と曲紹介でオチを付けて、いい話で終わらないのもあっちゃんらしいが。「WHISKEy ROCK」では硬派な一面も見せて、「DANCE DE NEW ROTEeKA」で大いに沸かせて。歴史とともにロティカの多面的な魅力を見せると、「次の曲はオリコン初登場68位、ニューロティカのデビューシングルです」と、現在も昔も変わらず代表曲として君臨する「ア・イ・キ・タ」へ。

いわば、ニューロティカの礎となっている、初期楽曲たちがずらり並んだ前半戦。これらが決して懐メロにならず、時代を越えて響くものになっているのは、41年間止まることなくバンドを続けてきた成果でもあるし。現メンバーが過去楽曲もないがしろにせず時折、宝物庫から引っ張り出してきて大事に磨き続けてきた結果でもあるが。なによりそこに還暦越えても衰えを知らないあっちゃんのエネルギッシュな歌とパフォーマンス、当時と変わらぬ気持ちや熱い想いがあるからだろうと改めて思った。ちなみに「ア・イ・キ・タ」であっちゃんがシンバルキックを空振りしたのは毎度のことで、衰えは関係ない。

「ついにこっから俺たちの時代に入るの?」とカタルが尋ね、「そう、いつもピンチの時に俺をお前を救ってくれた歌」とあっちゃんが曲紹介して始まった「絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!」(00年)で始まった中盤戦。ニューロティカコールで会場中の気持ちをひとつにすると、「いちかばちかのJOEANNY」、「RAT RACE」と続き、1曲1曲に込めた熱い想いを届ける。MCでは「還暦1年間、ありがとうございました!」とファンにお礼を告げ、来年に控えたカタルとナボの還暦に触れたあっちゃん。「RYOくんも50歳だから、お祝いに俺の金で熱海連れてってやるよ!」と豪気な約束をして、「これからも楽しいことを考えていきましょう」とファンに約束。

「パンクロック未来地図」を開いて、「チャンスを獲りにいけ」と呼びかけて。現在、そして未来を歌う後半戦へと突入すると「いい友達、いいお客さん、いいメンバーに恵まれて、ここまで来ました」と感謝を込めて、バラード曲「冬の空」を熱唱。“ニューロティカの歴史を見せる”というテーマもありながら、あっちゃんが選曲した意味や届けたかった想いが1曲1曲から伝わってきた、この日のセットリスト。糖尿病で病床に伏せていた時のエピソードを話し、「その時に頭に浮かんだ走馬灯から出来た曲」と語った「背中のナンバー7」の曲紹介では“病は気から”の言葉が出てこなくって。「気から病っていうんですか? 気から病から?」と何度も言い間違えて、みんなにツッコまれてたのもあっちゃんらしくて微笑ましい。

「61年間ありがとうございました!」と挨拶して、「死ぬの!?」とナボにツッコまれていたシーンもあったが。中学時代のユニフォームを羽織って、野球少年だった頃の気持ちに戻って「背中のナンバー7」を熱唱して。ロティカの歴史だけでなく、あっちゃん61年の歴史まで振り返ると、ライブは終盤戦へ。この曲が出来てからも10年経ってると思うと感慨深い「五十の夜」から、「またみんなに会うために、生きて生きて生き抜くぞ!」と宣言した「永遠ピエロ」と続いて。ラストは背を向けるピエロの横で、RYOが奏でる哀愁のギターがやけに画になっていた「飾らないままに」で、ここからも飾らない変わらない覚悟と決意を込めた熱い咆哮を放ち、本編をフィニッシュ。

アンコールでは「時代時代を反映する曲をメニューに入れました」とこの日のセトリについて改めて語ると、「最後はこの曲をどうしても歌いたくて、みなさんも一緒に歌っていただければ幸いです」と「旅に出よう」を披露。笑っちまう夢に向かって、パラダイスに向かって、ここからも一緒に旅をしようとファンにメッセージを送り、これまでもこれからも旅のお供に欠かせない名曲「DRINKIN’ BOYS」で大団円。……と思いきや、「あっちゃん、ファッキンバースデー!」とカタルが叫び始まった曲は、セトリに無かった「FUCKIN' BIRTHDAY」。ラストにはこれまたサプライズでファンが用意したクラッカーが会場中から鳴らされて、あっちゃんを大いに喜ばせて。エンディングでは樽酒風のクラッカーで鏡開きをして、『あっちゃん還暦ラストナイト』が楽しく幕を閉じた。

終演後は、1月3日(土)新宿ロフトで行われる恒例の『心燃会ライブ』から、RYOの五十路とカタル&ナボの元気ハツラツ60歳!(還暦)記念ライブを含む『42周年記念ツアー』、新たな対バンシリーズ『走死走愛タイマンシヨウ』といった2026年のスケジュールを発表。さらに受注販売を主体とした新ブランド「ROTE’KA ROTE’KA」や、全国各地のライブやイベントへの出演オファーを募る「あなたの街でニューロティカ」プロジェクトの立ち上げと新たな企画も続々発表。勢いそのまま、ここからも終わりのない旅路を走り続けるニューロティカの活動から目を離すなっ!

SET LIST

01. GODZILLA
02. PANIC LIFE
03. Last Peace
04. 青いお空に
05. WHISKEy ROCK
06. DANCE DE NEW ROTEeKA
07. ア・イ・キ・タ
08. 絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!
09. いちかばちかのJOEANNY
10. RAT RACE
11. パンクロック未来地図
12. チャンスを獲りにいけ
13. 冬の空
14. 背中のナンバー7
15. 五十の夜
16. 永遠ピエロ
17. 飾らないままに

ENCORE
18. 旅に出よう
19. DRINKIN’ BOYS
20. FUCKIN' BIRTHDAY

公演情報

DISK GARAGE公演

ライブ情報

■俺達いつでもロックバカ 2025 混ぜてもOK ダブルワンマン2DAYS
2025年11月23日(日)札幌PIGSTY
2025年11月24日(月祝)札幌PIGSTY ※昼公演
出演:ニューロティカ × THE GELUGUGU

■FUCKIN’ Xmas
2025年12月6日(土)横浜BAYSIS
2025年12月7日(日)八王子Match Vox
2025年12月20日(土)心斎橋BRONZE
2025年12月21日(日)名古屋CLUB UPSET
出演:ニューロティカ × THE GELUGUGU

■イベント出演 TBC初出演!
2025年12月26日(金)荻窪TOP BEAT CLUB

■ニューロティカ心燃会2026
2026年1月3日(土)新宿LOFT

■カタル&ナボ加入後初ライブから30周年イブ
2026年2月23日(月祝)新宿LOFT

■対バンゲルググ
2026228日(土)大阪某所

走死走愛タイマンシヨウ 第二死愛:MOS
2026312日(木)下北沢CLUB Que

走死走愛タイマンシヨウ 第三死愛:Pinch of Snuff
2026329日(日)渋谷La. mama

イベント 詳細未定
202643日(金)新宿LOFT

42周年ツアー 50 60 よろこんで
2026515日(金)下北沢ReGRYO 50
2026530日(土)名古屋CLUB UPSET
2026531日(日)大阪Pangea
2026614日(日)福岡Queblick
2026620日(土)仙台FLYING SON
202675日(日)新宿LOFTNABO 60

《千秋楽》
202696日(日)新宿LOFTKATARU 60

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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    撮影

    たたみ

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