全国開闢禊 -天ト地-
2024年11月20日(水)神奈川県・相模女子大学グリーンホール 大ホール
彼らはツアーに先駆けて先行配信されていた2曲を含むEP『Gran ∞ Grace』を11月6日(水)にリリースしたばかり。メンバーもジグザグらしいと定義づける作品には無数の寿司が宙から降るシュールで派手なMVが話題になった和+EDMの「JAPPARAPAN ~Japanese Party~」や映画のようなスケール感たっぷりの映像が曲のメッセージを際立たせる壮大なバラード「天(ama)」などフェスで披露された曲も収録。すでに3曲のMVが公開されているが、頭を空っぽにさせるロックンロールあり、ゴリゴリのヘヴィチューンありで、5曲にして多種多彩。メロディックで中毒性のあるジグザグ世界の魅力が凝縮されたEPに仕上がった。
本作を掲げたツアー初日では開場時間から会場外の駐車場に止めてあったラッピングトラックを撮影しようと参拝者の列ができていたりと、禊に向けて早くもテンションが上がっている様子。鼓動が早くなるようなドキドキ感の中、禊が開幕した。
絶賛禊中なため、詳しい記述は控えるが、客席には本ツアーから導入された電源オンで色が自動制御で変わる慈愚挫愚ノ光(ペンライト)が揺れ、ステージセットを含めて禊の景色も鮮やかに進化を遂げていた。スクリームからファルセットまで自在に声を操る命(Vo.&G)、ロックをベースに全ジャンルに対応可能なスキルを持つ龍矢(Ba)と影丸(Dr)の3人にサポートギタリストとしておなじみとなった菅野尋が加わったアクトは強力。演奏とMCでスイッチがガラリと切り替わるのも彼ららしく、次にどんな楽曲が飛び出すか予測不能。にも関わらず、ジグザグでしかないアイデンティティを持つ独自の世界観とわちゃわちゃしたトークを参拝者たちも楽しんでいた。
初日に披露されたのは全22曲。暴れて笑って浄化される禊が終わりに近づいたことを全力で惜しむ参拝者たちに「いつでも我々はあなたの心の中にいますからね。繋がってますから。寂しがらないでください」と伝えた命。ソールドアウトが続出しているツアーは静岡、石川、大阪、福岡、香川、愛知と全国各地を廻り、12月24日(火)のクリスマスイヴに横浜アリーナにてファイナルを迎える。バンドの原点を見据えつつ、今を更新し続けていく-真天地開闢集団-ジグザグは初の横浜アリーナ公演でどんな禊を見せてくれるのか。期待を膨らませて待っていてほしい。