GARNiDELiA、10周年のワールドツアー凱旋公演がスタート!満員のフロアが熱狂した初日公演をレポート

ライブレポート | 2024.11.22 18:30

GARNiDELiA 10th anniversary stellacage tour 2024 -Link The World-
2024年11月17日(日)SUPERNOVA KAWASAKI

あのGARNiDELiAが、さらに最強になって日本に戻ってきた!
最新アルバム『TEN』を携え、ガルニデは現在10周年というアニバーサリーイヤーに合わせ、自身最大規模の開催都市を巡るワールドライブツアー「GARNiDELiA 10th anniversary stellacage tour 2024 -Link The World-」を開催中。6月に東京・日比谷野外大音楽堂にて幕を開けて日本から旅立ったガルニデは、昨年のツアー以来、2度目の上陸となるマカオ公演から中国本土を含め、アジア各都市を長期に渡って巡るツアーを行なっていた。「極楽浄土」という曲が現地の“踊ってみた”文化のなかで大バズりし、元々中国での人気が高かったガルニデ。その後、ヴォーカルのMARiAが中国のオーディション番組『乗風2023』に出演したことで、その人気は爆発的な盛り上がりとスピードで中華圏エリアへと拡大。本ツアーの中国本土公演は、MARiAが2024年3月からブランド・アンバサダーをとつめている“中国MIZUNO”と中国の若者層に人気のECサイト“得物”がオフィシャルスポンサーとして参加するほど絶大なる影響力を持った存在となっていった。こうして中華圏で火がつき、スターダムを駆け上がり、いまやアジアが誇るトップ・アーティストに君臨するガルニデ。その待ちに待った凱旋公演が11月17日、神奈川・SUPERNOVA KAWASAKIでついに幕を開けた。

ツアーはまだ継続中なので詳しい内容は書けないのだが、揺るぎないコンセプトに従って構築されたtokuが奏でるエッジの効いた日本産エレクトロポップなサウンドの響かせ方、MARiAの芯の通ったブレない歌声。それらをダンサーを交え、エンタテインメントとして楽しませるアクト。すべてが高次元で融合したこの日のステージは、文句なしに最高のライブだったことは伝えておきたい。

会場が暗転…と同時に、フロアに集まったオーディエンスからは、熱狂寸前まで高まった歓声が渦めくように上がる。久しぶりの日本公演、ペンライト片手に前方へと押し寄せていく観客に向けて、オープナーはアルバム『TEN』収録のあのナンバー。ステージ上はMARiAとtoku、2人のみ。薄い布のベールで顔を覆ったMARiA、重低音をじわじわ響かせるtoku。バックライトに照らされ、浮かび上がるシルエットと神秘的なサウンド、歌の神々しさは、ただならぬ緊迫感を場内に作り上げ、まさにアジアの王者降臨といった雰囲気を作り出す。そこにダンサー2人が加わり、このあとはダンスパフォーマンスを交えながら様々なナンバーを次々と披露。ワールドツアーも終盤にさしかかり、その緻密なダンス、計算され尽くしたクールなサウンドはさらに磨きがかかり、凄みを増している。

「ただいま~」という挨拶に「お帰り!」と日本語で返すオーディエンスの声にほっとした表情を浮かべたMARiAが、まず最初に、ここに至るまでに「かなり鍛えられたから。もう、ちょっとやそっとのことでは驚かない」と話しだすと、tokuはtokuで「18日間(海外に)出っぱなし。なかなかないよ、18日間って。家賃がもったいない」といってみんなを笑わせながら話を続けて、各々海外ツアーが慌ただしくタフな公演だったことを久々に会った日本のファンに伝えた。日本から旅立ったあとのガルニデは、アジア各都市で言葉の壁を音楽で乗り越え、ある意味いまの人気に満足することなく、切磋琢磨しながら日々公演を行なってきたのだろう。2人が伝えた言葉を裏付けるように、この日観たガルニデは「私たちはもうなにも怖くない」「さらに凄いところまで登りつめていくから」という意思を感じさせる“強さ”を放っていたのがとにかく印象的だった。ライブの中盤パート。猫ハットをかぶったtokuと猫耳のカチューシャをつけたMARiAが「猫と城」をパフォーマンスすると、それに合わせてフロアからはいつもの“ニャンニャン”とオーディエンス一丸となった壮大なシンガロングが巻き起こり、この曲を合図に、このあとも観客たちはステージと阿吽の呼吸でシンクロするように、次の曲が始まるたびに会場が揺れるほどのジャンプやクラップ、合唱を次々と繰り出し、大盛り上がりしていった。舞台を移動しながら、そんなパワーあふれる観客たちの盛り上がりを笑顔を浮かべながら見つめていたMARiAが「日本のみんな! みんなのこうやって楽しそうに歌ってる顔を見たり、最初に出てきたとき“待ってました”という歓声と表情で迎えてくれたときから、じつはすでにうるっときてました」と、いまの気持ちを素直に吐露した場面はグッときた。海外で、本気で常に闘ってきたからこそ、自分たちのホームである日本に戻ってきての公演は、日本のファンの温かさをいままで以上に感じられて、嬉しさもひとしおだったに違いない。

そうして、中国の楽器の音色を取り入れたフレーズが印象的な、国際色豊かな「一蓮托生」を投下したあとは、今回のワールドツアーのエピソードを明かす場面もあった。この日は、ワールドツアーでライヴのリハーサルの前はみんなで“筋トレ”をやっていたことをMARiAが告げて「みんなでバキバキ(笑)。じつは、今日もリハ前にここで筋トレしてました」と伝えると、フロアからは“おぉ~!”と驚きの歓声が上がっていた。そんな観客を「ここからはアッという間。日本の力、君たちの本気を見せてくれ」とMARiAが煽り立て、後半戦はオーディエンスが肩を組んで見せる大迫力の一斉ヘドバンや雄叫びに近いコーレス、割れんばかりのシンガロング、ペンライトやタオルをぶんぶん振り回しながらフロアを揺らして、リミッターが外れた本気を見せつけていった。

アンコールで再びステージに現れたMARiAが思わず「みんな元気!もう1回頭から出来るぐらい元気だね」とその盛り上がりを褒め称えると、フロアからは「もう1回!」という声が上がる。それに対しては「12月27日までツアーはありますから」と、他の日のライヴに来るようにと呼びかけた。「ライヴは奇跡の塊」と常日頃から発言しているMARiA。だからこそ、その日の会場、集まったオーディエンスの空気で「同じ曲を演っても変わる」こと。さらには、2025年1月10日からオンエアが始まるTVアニメ『Übel Blatt~ユーベルブラット~』のOPテーマ曲「罪人」も「今日は演らないけど、12月27日までの間に歌えるようになったら歌います」と宣言して、今後のライヴへの期待感を高めていった。この日は聴けなかったが、新曲「罪人」についてtokuからは「久々にロックでイカついGARNiDELiA」になっていることも明かされた。こちらの新曲は2025年1月11日(土)0:00から配信がスタートする。また、この新曲に続いて、2025年1月29日にはGARNiDELiA待望のオールタイムベストアルバム『GRND THE BEST PROGRESS』のリリースも控えている。こちらはガルニデの活動を彩ってきた数々の楽曲を新しくレコーディングし直して収録したものになっていて、この日のライヴ中に、これを英語と中国語、2カ国語でレコーディングしたことをMARiAが打ち明け「マジでグローバル!」と誇らしげに伝えると、ファンは驚愕。歌入れは大苦戦したらしく、tokuが「聴いても違いが分からないんで、もうこれでいいじゃないですか」といいたくなるぐらいまで、細かいニュアンスを発音の先生にチェックされたのだとか。その話を受けて、MARiAは「なんでこんなにテンポ、BPMが速い曲を作ったんだとtokuさんにキレたりして(笑)。生まれて初めてです。あんなにテイクを重ねて歌を録ったのは。だから、CDを聴くときはこの裏話を思い出しながら聴いて下さい」と続けた。そうして最後に「ツアーは12月27日まであります。ぜひ、他の会場にも来て頂けたらと思ってます。2024年、ここから千秋楽まで突っ走っていきます」という言葉を残して、川崎公演を終えた。

ここからガルニデは、千秋楽となる12月27日、東京・EX THEATER ROPPONGI公演まで日本国内を駆け巡る。日本に戻ってきたGARNiDELiAがどんなふうに成長したのか、何度観ても会場によって同じ曲がどんなふうに変化していくのか、新曲はどこで初披露するのか。この先々のツアー会場でぜひ確かめてみて欲しい。

公演情報

DISK GARAGE公演

GARNiDELiA 10th anniversary stellacage tour 2024 -Link The World-

2024年11月17日(日)SUPERNOVA KAWASAKI
2024年11月24日(日)愛知・ElectricLadyLand(名古屋)
2024年11月30日(土)広島・SECOND CRUTCH
2024年12月1日(日)  福岡・ 福岡DRUM Be-1
2024年12月7日(土)宮城・仙台darwin
2024年12月8日(日)栃木・HEAVEN’S ROCK Utsunomiya(VJ-2)
2024年12月14日(土)京都・KYOTO MUSE
2024年12月15日(日)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2024年12月27日(金)東京・EX THEATER ROPPONGI

  • 東條祥恵

    取材・文

    東條祥恵

    • ツイッター
  • 撮影

    児玉直人

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