Faulieu. 「AS IS.」 ツアーファイナル!晴れやかに4人笑顔でゴールテープを切る

ライブレポート | 2024.09.03 17:00

Faulieu. 1st Album "AS IS." TOUR
2024年8月24日(土)Spotify O-WEST

今年4月に渋谷WWWでワンマンライブ「Faulieu. Presents ONEMAN LIVE “AS IS.”」を成功させ、1stアルバム『AS IS.』をリリースした4人組ガールズバンド・Faulieu.が、今夏にバンドにとって初のツアーを全国4ヶ所で開催。そのファイナルを8月24日(土)に渋谷Spotify O-WESTで迎えた。

4月のワンマンライブはアルバムリリース前にアルバム全曲を演奏するというチャレンジングな内容だったが、今回はメンバーも観客もアルバム曲に慣れ親しんだうえでの開催ということもあり、会場全体もアットホームなムードに包まれる。さらに新曲を織り交ぜ、バージョンアップしたライブを見せた。

SEに乗せてMimori(Dr/Cho)、Kaho(Gt/Cho)、Ayano(Ba/ Cho)、Canaco(Vo/Gt)の順で一人ひとりステージに現れると、Canacoがギターを鳴らして歌い出し「聲」で幕を開ける。フックのある華やかなフレーズが作り出すアンサンブルと、遠くまで伸びるハイトーンボイス、キャッチーなメロディが融合し、たちまちポジティブなムードを作り上げた。「君のまま」は風通しの良いサウンドとのびのびとしたメロディが凛とした印象を与え、「AS IS.」では冒頭で振り付けとコールをレクチャーし、観客との一体感を楽しむ。のびのびとした歌と演奏は、彼女たちの“AS IS(=ありのままで)”のメンタリティを音楽で示していた。

Canaco

Kaho

Ayano

Mimori

4月のワンマンライブと同様に、これ以降の本編はグラデーションを作るように曲を並べ、適宜その境目を滑らかにするアレンジを施し、MCはその補助的役割にあてていた。セクションごとに区切らず、1本の物語を築き上げるようにライブを展開させるのだ。それは眠れない夜の止まらない思考を体現するようでもあり、受け手としてもひとりの人間の感情のゆらぎを追体験するようでもある。

柔らかいアルペジオが琴線に触れる「檸檬」、時に幻想的に、時に激しく様々な表情を見せる「メリーゴーランド」、リズム隊のつなぎにピアノの同期音が重なりCanacoがハンドマイクパフォーマンスを見せるジャズテイストのアダルティなナンバー「隠れんぼ」、イントロでAyanoとKahoが同時にお立ち台に飛び乗ってプレイし、曲間の4人のソロ回しもフロアを沸かせた「嫌い」、観客がタオルを回し、Canacoの煽りで盛大なコールも起こった「ヨマイゴト」とそれぞれで異なる表情を見せると、「本当のわたしを見つけるための歌」と告げ7月にリリースされた「ALLY」を演奏する。エモーショナルでタフネスに満ちた硬派な歌と演奏は、観客一人ひとりの心を震わせた。

Canaco
Ayano

Canacoはギターをつま弾きながら自身の夢が「この4人でできるだけ長くバンドを続ける」であること、ライブに足を運んでくれた人が楽しそうにしている事実が幸せで満足していること、それができるだけ長く続いてほしいと願っていることを語る。そして友人からのアドバイスを受けて「やりたいと思うこと、目の前にあることを自信を持って続けていけば、同じような毎日だとしても少しずつ変わっていて、いつの間にか幸せな未来にたどり着いている」と信じるようになったと続け、新曲「劣等星」を披露した。音楽を続けるなかで湧き上がった心情が綴られた同曲は、音も言葉もまっすぐ届く。バンドの屈強な信念が会場を明るく照らす様子に、胸がすく思いだった。

Kaho
Mimori

ロックナンバー「アイビー」「下の名前で呼ばないで」、バンドのグルーヴが活きたダンサブルな「ロンリーコンプレックス」と立て続けに披露すると、高校2年生の頃から大事にしている曲というロックバラード「マボロシ」、シンガロングパートがシンボリックな「Hikari」へとつなぐ。痛みや切なさを抱えながらも光を信じて前に進むような歌と演奏に、観客もあたたかい歌声を重ね、本編ラストの「紡ぐ」はこの日いちばんの爽やかでパワフルな愛情が鳴り響いていた。

「薔薇」でアンコールをスタートさせると、最後にメンバーが一言ずつ挨拶をする。Ayanoは『AS IS.』はどんなライブにしたいか想像しながら制作ができたこと、歌詞のように「愛してるよ」と思えるメンバーに出会えて幸せであると話す。Kahoは大きな会場は様々な観客が混在する確率が高く、その環境が大好きだと語ると、会場のキャパシティを更新していきたいと意欲を見せる。Mimoriは『AS IS.』でメンバー全員が曲作りに挑戦したこと、全員が全員の曲に向き合い、それをツアーでより深めたことへの喜びを口にし、「Faulieu.の曲のなかから皆さんにとって人生のブックマークになるような曲が生まれてほしい。みんなの人生を豊かにしたい」と晴れやかに語った。

Canacoは今後今回を越える作品やツアーを見せていくと力強く語り、「あなたのなかでFaulieu.の存在がもっと大きくなったらいいなと思いながら今日この場に立たせていただきました」「これからも一緒にいろんな場所で、わたしたちの音楽で楽しい時間を過ごしていきましょう」と告げる。ツアーの締めくくりとして選んだ「SPICA」は隅々まで煌めいていて、ツアーの充実を言葉以上に伝えていた。

Faulieu.は9月から4ヶ月連続ワンマン「Faulieu. Presents “4Step”」を、12月23日には年末ワンマンライブ「Faulieu. Presents Merci 2024」を開催する。さらなるステップアップを目標とする前者と、2024年の締めくくりの後者、それぞれで異なるFaulieu.のステージが見られることだろう。

SET LIST

01. 聲
02. 君のまま
03. AS IS.
04. 檸檬
05. メリーゴーランド
06. 隠れんぼ
07. 嫌い
08. ヨマイゴト
09. ALLY
10. 劣等星
11. アイビー
12. 下の名前で呼ばないで
13. ロンリーコンプレックス
14. マボロシ
15. Hikari
16. 紡ぐ

ENCORE
17. 薔薇
18. SPICA

公演情報

DISK GARAGE公演

Faulieu. Presents “4Step”

stage.1
2024年9月26日(木)下北沢ReG (東京)
stage.2
2024年10月21日(月)下北沢ReG (東京)
stage.3
2024年11月14日(木)下北沢ReG (東京)
stage.4
2024年12月3日(火)下北沢ReG (東京)

OPEN 19:00 / START 19:30
チケット料金 :3,500円(税込)※ドリンク代別

Faulieu. Presents『 Merci2024 』

2024年12月23日(月)渋谷DIVE (東京)
OPEN 18:30 / START 19:30
チケット料金 : 4,000円(税込)※ドリンク代別

■プレイガイド販売期間
2024年9月21日(土)12:00~2024年12月22(日)23:59
詳細はこちら

■手売りチケット
2024年9月26日(木)〜ライブ物販にて販売開始

  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 撮影

    Kota Aoki

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