1. ひかりのなかに(12:45~13:20 / O-WEST)
2018年末の「RO JACK」で優勝して「COUNTDOWN JAPAN 18/19」に出演して以来、破竹の勢いで活動中の、全員高3・この3月で卒業する3ピース・バンド。が、途中でヤマシタカホ(Vo.Gt.)のギターの6弦が切れてしまったり(一番太い6弦が切れるというのはめずらしい)、後半で突然ギターの音が出なくなってしまったりして、この日はちょっとアンラッキーだった。が、そんなトラブルに気をとられるまい、歌に魂をこめよう、という必死さが見えて、それがグッときたりもした。とにかく曲が書けるバンドだなあ、という、以前に初めて観た時の印象は変わらず。
2. リュックと添い寝ごはん(13:30~14:00 / O-Crest)
これも「RO JACK」優勝バンドで、このバンドも高3。ライブを観たの、初めてだったんですが、今風なストレートなギター・バンド、という印象だったので、1曲R&Bっぽい曲があったのことに、「おっ!」と思った。あと、MCで松本ユウ(Gt.Vo.)が、この本番前に渋谷のカラオケボックスにひとりで行ったら(喉のコンディションを作るためでしょう)、1時間で800円も取られた、ありえない!とキレていた。笑った。が、それは確かに高すぎる、とも思った。
3. Mellow Youth(15:00~15:35 / duo MUSIC EXCHANGE)
ライブ観たの、3回目くらい。ジャンルで言うと、AORとかR&BとかをベースにしたJ-POP、みたいな言い方になるんだろうと思うが、キャラクターとかパフォーマンスの感じまで含めて……なんと言うんでしょう、「昭和感」みたいなものをまとっているのが、とても気になる。というか、おもしろい。1980年代の(決して今のではない)安全地帯というか。ツイン・ボーカルで、ひとりはハンドマイク、ひとりはギターを弾きながら、というのも気になるし、演奏力やたらあるけど、音が分厚くならないよう気を配っている感じがあるのもいい。
4. Ghost like girlfriend(15:55~16:30 / O-EAST)
岡林健勝によるひとりユニットで、この日はライブもひとり。横向きに立ち、目の前にはマイクスタンドとPCとシンセ、横にパッドも置いて時々叩きながら歌う、というセッティングなのだが、2曲目の途中でPCのエラーでいきなり曲が止まってしまう。PCからバック・トラックを出してライブをやるアーティストにとって、これ、もっとも恐ろしい事態だと思う。
が、彼の場合、「何これ! 怖い!」とか言いながらササッとPCを操作→再び音が出始めると、それまでPC前に釘付けだったのがステージ前方へ出て来る→で、歌いながらオーディエンスをあおりまくる→曲が終わると同時にひとこと、「新しいPCを買います」。お客さん、思わず笑う──という、リカバリーが見事だった。それ以降も、何事もなかったみたいに盛り上がったし。修羅場に強いってすばらしい。
5. カネヨリマサル(16:10~16:40 / O-Crest)
大阪の女性3ピース・バンド。ドラムのもりもとさなは突然少年のTシャツを、ベースのいしはらめいは銀杏BOYZのTシャツを着ている。なるほど。ただ、ちとせみな(Vo&Gt)の歌は、もっとメロディックで、もっとメランコリーな響きを持っている。で、そこが魅力だなあと思う。ライブで初めて聴いた曲でも、歌詞が一言一句スパッと耳に入ってくるところもいい。すでにいい曲いっぱいあるし、これ以降もいい曲いっぱい出てきそう。
6. クジラ夜の街(17:05~17:35 / O-nest)
また高校生で、また「RO JACK」優勝バンド。どうなってるんだ、と言いたくなるが、これ、そのオーディションの方の傾向じゃなくて、そのくらいの若い世代でいいバンドが続々と出てきているのが今だ、ということなのだと思う。このバンド、宮崎一晴(Gt.Vo.)の歌の強さがまずケタ外れだけど、それ以外の3人の演奏も「よくこんな人たちが同じ高校に揃ってたな」と言いたくなるレベル。いや、同じ高校かどうか知らないけど、映像を漁ったら高校の文化祭に出演している時のライブも出て来たので、たぶん一緒なんだと思います。お客さんいっぱいで、みんな熱狂していた。
7. Maki(17:45~18:20 / O-WEST)
このバンドも、お客さん、熱かった。で、「今の曲もう一回!」と、終わったばかりの曲をくり返してフルコーラスやって、その熱さにさらにガソリンを注いたりするパフォーマンス力、かなりのものだった。名古屋の3ピースで、もう自分たちのスタイルができあがっている。特に山本響(Ba/Vo)のふてぶてしさとかわいさが同居している感じ、目も耳も惹きます。
8. 赤い公園(18:25~19:00 / O-EAST)
ボーカル石野理子体制がもうすっかりあたりまえになった……って、もう1年半も経ってるのか。そりゃそうか。とにかく、バンドになじんでいるし、バンドも彼女になじんでいる。1月に出た新曲「絶対零度」が、予想や期待のはるか斜め上を行く「なんじゃこりゃ!」な曲だったので、生で聴くのを楽しみにしていたんだけど、その「絶対零度」がよかった、という以上に、セットリスト(全部で6曲くらいで、ラス前にこの曲をやったと思う)の中で、「絶対零度」が特に浮いていなかったことの方に、びっくりした。
9. シナリオアート(19:05~19:45 / O-WEST)
ニューカマー中心のこのイベントの中ではキャリア長い方だが、さすがというか、それにしてもというか、何かもう、「3人でできるライブの臨界点」みたいな、すさまじいステージだった。って、前からずっとそういうバンドですが、自分が観た位置がステージから近かったせいか、この日は特にそう感じた。歌って、弾いて、叩いて、バック・トラックも使って──と、3人とも、ひとりにつき2人分くらいの労働量。ただ、その労働量に感心する以上に、リズムやメロディの心地よさにやられてしまう、そっちの方がはるかに大きいのが魅力。
10. kobore(19:50~20:30 / O-EAST)
いやあ、ほんとだ、トリだわこのバンド。と言いたくなるステージだった。歌をまっすぐに届ける、といういちばん大事なことは余裕でクリアした上で、「時間空間掌握力」とでもいうんでしょうか、「今のこの時間、この場をこういうものとして作り上げていきます」、という能力が高い、とにかく。そんなキャリアが長いバンドじゃないですよね。なんで? やっぱり、ライブをすごい本数やっているからか? このバンドのことを知らずに観ても、巻き込まれるだろうなあ、と思わされるやつでした。