やったぁ~!新年一発目のインタビュー!いつもお世話になってるディスクガレージさんでのインタビューとは幸先良い感じです!今年もよろしくお願いします!
そう言ってもらえるのが一番嬉しいなぁ。なんかね、雑誌で例えるなら、『Zipper』系なのかな?って自分では思ってて。『Zipper』って、自分が可愛く見られるにはどういう服を着たり、どういうメイクをしたら良いか、自分で“可愛い”を研究するための雑誌なんじゃないかなって思うんです。でも、Victoria's Secretみたいなモデルさんとかって最初から出来上がってるじゃないですか。もちろん、あれこそ憧れなんですけど、自分は絶対なれないじゃないですか(笑)。だから私自身も、自分を可愛く見せられるプロが集まる『Zipper』みたいな感じが大好きなんですよね。
え!?そうですか!?違いますよ!女優さんみたいになろうと思っても厳しいけど、私はキャラクター的に取り入れられるところがいっぱいあるから、全然真似できると思う。私の髪とか服だったりが似合う子っていっぱいいるんですよ!
昔から近所のお姉ちゃん感というか、幼馴染のお姉ちゃん感っていうのは大事にしたいなって思ってて。私自身がスーパースターに憧れていたタイプじゃなくて、どちらかというと近所のお姉ちゃんみたいな感じでいたいんです。バンドもそうですけど、身近な人たちが頑張ってる姿があって、その人たちがすごいところまで行くっていう夢物語みたいなのが好きなので、そういう身近感というか、近所のお姉ちゃん感は無くさないようにしたいなとは思ってます。だからこの先、バキバキに全身ブランドで超でっかいサングラスとかして歩くようになったら言ってください(笑)。
そうそうそう(笑)!
あ、良いかも!そういうのやってみたいし!
そうですね。
う~ん。隠してはないですね、そういう自分も。
もちろん曲によりますけど、ワガママな自分の本音は嫌われたり迷惑かけたらどうしようっていう迷いもあって、表で言えないから歌詞で書いてるみたいなとこはあるんですけど、アンチヒーローみたいな自分の中の正義みたいな本音も本当に言葉を選ばず書いてる。”ネットでばっかりで言いやがって!”みたいなのは別にバレてもいいって思ってるタイプの本音(笑)。寂しいっていう感情は人に分からなくてもいいかなと思いますけど、自分の正義的な悪さはバレてもいいなって思ってますね。
今の時代、現場を何も目撃していない心無い人たちが無責任に発信したことを、本質を何も知らない人たちが言葉の理解を間違えてそれをどんどん広めていくっていう、良くない流れが真っ直ぐに応援してくれる人たちを傷つけるのが本当に許せなくて。他のアーティストさんのライヴを観に行かせてもらった時に、その人たちもライヴのMCでそういう話をしていらっしゃったんですよね。それって、そこに集まってくれてるファンの人たちとの信頼関係があるから言えることだなって思ったんです。私もそういうこと言うのって超悩むんですけど、この間ちょうど思ったことがあって。自分のことを分からない人が100人中99人であるのが当然なんじゃないかなって。でもね、分かってくれる1人っていうのが、その人が親友だったり友達だったりとか好きな人になるんだろうなって思ったんです。でも100人中100人が同じ気持ちでわかってくれたら、つまんないなって(笑)。分かってもらえない中で、分かってもらえる嬉しさがあるから、人は人を好きになれるんだろうなって。
そう(笑)。みんな一緒になっちゃったら特別な人がいなくなっちゃう。でも、私にとって会いたくなる人だったり、特別な人だったり、好きな人だったり、大事な人っていうのは、そこをわかってくれる人で、自分が話したいって思える人になるんだなって。話したい人が特別だから、その人には“友達”って名前をつけるんだよ、“親友”っていう名前をつけるんだよ、“好きな人”って名前をつけるんだよって思ったんです。だから、自分のことを分かってくれない人たちに対してわざわざイライラした言葉を発信する必要がないって思うようになったんです。
上がりました。だけど、イラつくことはイラつくし、せっかく自分の音楽を自由にできてて、それを全部遊んでやろうって楽しく思えるから、音楽にしようって思ってます。ムカつくこと、嫌なこと、悲しいこと、わかってもらえない鬱憤とかを全部音楽に吐き出していこうって思えたんです。音楽は自由だから。
来ない!来ないし、逆に共感される。
だからアーティストでSNS辞める人が多いんだと思う。SNSを否定するわけじゃないけど、間違った使い方をしてる人が多いなっていうのは悲しく思う。いろいろと心無い書き込みや言葉をこっちに投げてくる人たちは、現実の世界でそういうことをはっきり言えないんだと思う。そういうのを発散する場所がないんだなって。で、ライヴで心無く暴れる人たちもきっとそうで。でも、彼らも全てを壊したいと思ってやってるわけではなくって、自分の楽しみ方っていう正義を守りたいだけなんだなって思ったりもするんです。それが正義だっていうのをその場で証明したいだけなのかなって。学校や社会ではできないから、ライヴハウスに持ってきて、ライヴでやるんだなって思うんです。だから、彼らをめっちゃ責めるって気持ちにはならないけど、めっちゃ迷惑だなとは思います。ライヴハウスにはルールがないって勘違いされがちだけど、ちゃんとそこにもルールはあるから。
そう。でも、そういうのを言葉で伝えるのって本当に難しいなって思います。
そうそうそう!好きって気持ちを“好き”じゃなくて、違う言葉や表現を使って伝えるには、どういう風に伝えたらいいんだろう?ってね(笑)。それがすごい楽しいの!学校もそういう風に楽しめばよかったなって思うんです。
学校って、全部をダメって言われて制限されてる気がしてムカついて歯向かってたけど、その中で“これがダメだったら、これならいいっすか!?”みたいな感じで楽しいことを見つけることができたら、学校がもうちょっと楽しかっただろうなって。
そう!『谷川俊太郎質問箱』っていう本があってお気に入りなんですけど、1個の質問をしてそれに対していろんな人で大喜利みたいなことをしてるんです。“好き”を一言で言わないみたいな。例えば、“あなたの人生の大事なものってなんですか?”って質問があったらいろんな人がその人のキャラクターにあった、“時間”とかじゃなくて“パンツ”みたいな回答をしてて、自分で大喜利して面白いこと言ってくみたいな(笑)。そういう人生の楽しみ方していたらもっと楽しかっただろうなって思いましたね。
(笑)。無になるの!?やだ~!なんで無になるの?
そうですね。自分がLiSAを作ってきて、今私は“LiSA”っていうものを守らなくちゃならないから、それを壊されることを周りのスタッフとかにやられるとすごく腹が立ったりするし、全然違うことを、さも正論かのように言われると“この人何?てか誰?”って気持ちになるのね(笑)。
そう。やっぱり外の人との関わりが増えれば増えるほど、自分の血が届かなくなっていくところが増えていくから、そうすると、“お!どうした!?”みたいなことが増えるなって思います。それはSNSもそうで、TVに出たり、ライヴの会場が大きくなったりすると、届かない人たちもいっぱい増えて、わからない人達もいっぱい増えてきて、それはそれでとってもいいことなんですけど、名前とちょっとした性格や、基本プロフィール情報しか知らないような人たちが、好き勝手言ってくる感じになってしまって。
そう。そういうところは寛大になりましたね。ようこそ、これからもっともっと知って下さいね。時間をかけてゆっくり。よろしくお願いします。って思えるようになったの。
そう(笑)。