DAY2、GOZ LIVE AT RYOGOKU KOKUGIKAN
そして2日目=10月27日(日)は、GOZの5人でのライブである。前日と同じく、正面・東・向こう正面・西の四方とも、びっしりとオーディエンスで埋まった両国国技館のステージの上は、後列左にドラム古田たかし、右にキーボード斎藤有太、前列は左がベース根岸孝旨・まんなかがボーカル&ギターOT・右がギター長田進、というフォーメーション。5人編成のバンドのオーソドックスなスタイルだが、現在のOTのバンド=MTR&Yは4人で、OTの立ち位置は左なので、この形が新鮮に映る。
古田たかしの4カウントから、ファースト・アルバム『29』収録の「ルート2」でライブがスタートする。OTが弾いているのは、ギブソン1959年サンバースト・レス・ポール、YouTube等でおなじみの「家が買えるギター」である。ギターソロは長田進が担い、OTはがんがんリフを弾く。
「彼が泣く」と「ときめきファンタジーⅢ」、2001年のアルバム『GOLDBLEND』からの2曲を経て、最初のMCタイム。OT、「20年ぶりだそうです。このメンバーね。もう、いろいろ忘れてて」と、名前を間違えるボケを軽く入れながら、ひとりずつ紹介する(ただし、MTR&Yのメンバーでもある斎藤有太は「この人はいいよ」と、雑に扱われる)。
「夕陽ヶ丘のサンセット」に続いて演奏された「風は西から」は、2013年のシングルである。つまり、このメンバーでライブ活動を共にしていた時代の曲しかやらない、というわけではないことが、ここであきらかになったわけである。13曲目の「無限の風」も然りで、曲に入る前にOT、「これはどうなの? やってた?」とメンバーに問い、「知らない曲です」と返される。そこから「メリハリ鳥」、MCをはさんで「トリコになりました」「ワインのばか」「KING OF KIN」と、このメンバーの時代のライブの人気曲が並び、オーディエンス、大喜び。その喜びは、10曲目の「息子」で、一度目のピークを迎える。
「KING OF KIN」は、曲の最後が人力フェイドアウト(だんだん音が小さくなって最後に消える)で終わり、「息子」は曲が終わると同時に5人揃ってびしっと両腕をVの字型に上げてしばし静止する、という、当時やっていたムーブも再現された。「なんで(両腕を)上げることになったんだろうね? なんか懐かしいよね。リハで思い出すんだよ、誰かが。さっきのフェイドアウトにしても」と、OT。観ているこちらも同じで、多くの曲の締めの合図が根岸孝旨のキックであることなどにも、「ああ、こうだった、このバンドのライブは」と、いろいろと思い出す。
そして、リリース当時、「意識して正面からこういう曲を書いてみた」と語っていた、OTのレパートリーの中でも数少ないラブソングであり、数少ないバラードである「The STANDARD」で、さらにオーディエンスを歓喜させる。
MTR&Yでもライブで演奏される機会が比較的多い「手紙」、前述のようにGOZでは初披露の「無限の風」、これもGOZでは初披露である上に、近年ライブで披露されることはほぼない「MANY」、という流れで、この5人ならではのバンド・グルーヴを、存分に聴かせてくれるGOZ。続く「コーヒー」も、現在のOTのライブにおいてはレアな曲で、イントロが鳴ったと同時に、ワアッと歓声が上がる。ライブではその時々の実年齢に変えられてきた「もう30だからと言うことで」のところは、「もう60だからと言うことで」と歌われた。
NHKの音楽番組『SONGS』の収録をした、11月に放送される(下記*1参照)、という告知をはさんでから、後半のブロックへ。「恋のかけら」と「MILLEN BOX」、人気曲だが今やライブで聴けるのはレアな二連発で、またオーディエンスが沸騰する。
その次の、イントロで古田たかしが叫び、間奏で根岸孝旨がソロを聴かせた「御免ライダー」までがピークタイムで、本編の最後は、OTがしばし土俵入りのポーズをとってから曲に入った「トロフィー」(これも近年ライブで披露されるのはめずらしい)と、「ソロOTに2曲だけあるストレートな心情吐露曲」(もう1曲は「それはなにかとたずねたら」)である「CUSTOM」の2曲で、ずっしりと、そしてしっとりと締められた。暑苦しさや押しつけがましさからもっとも遠い方法で、人の心を奥底から動かす、OTならではの感動に満ちた2曲だった。
アンコールは、まず「マシマロ(ック)」。「マシマロ」の翌年に出たシングル「まんをじして」のカップリングに収録された、「マシマロ」を3コードのロックンロールにリアレンジしたバージョンで、この曲も含めると、このライブ、『GOLDBLEND』から5曲もやっている。前日の『ひとり股旅』での「羊の歩み」も足すと、6曲になる。
そして、「ありがとうございました。来年もがんばります」というOTの挨拶から歌われた、2日間のラスト・ナンバーは、ソロ本格始動と同時にいきなり大ヒットした「愛のために」だった。曲の中盤以降、OTは何度もマイクから離れ、リードボーカルをオーディエンスに委ねた。 ステージを去る前、前日もそうしたように、メンバーを引き連れて、全方位のオーディエンスに、丁寧に挨拶に行くOT。ステージの真後ろの席や、斜め後方の席までびっしり入った人たちに、感謝を伝えかったのだと思う。
5人が去ったあと、画面で告知あり。『29』と『30』の12インチアナログ盤(各2枚組)と、当時のツアー2本『tamio okuda TOUR”29-30”』『tamio okuda TOURDUST”0-30”』のブルーレイ2枚を収めたボックス「『記念ライダー30号』29-30 BOXスペシャル」が、2025年3月8日に発売される、とのことである。
【放送】 2024年11月7日(木)午後10:00~(NHK総合)
【再放送】 2024年11月11日(月)午後11:50~(NHK総合)
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SET LIST
[DAY1] 10/26(土)
1.農夫と神様 w/浜崎貴司・どぶろっく
2.魅惑のパンティライン(どぶろっく)
3.674
4.羊の歩み
5.俺のギター
6.エンジン
7.寺田のテーマ~健康~寺田のテーマ w/寺岡呼人
8.いい女 w/トータス松本
9.ずっと好きだった w/斉藤和義
10.ありがとう w/浜崎貴司
11.野ばら
12.ロボッチ
13.何という
14.LOVE LOVE SHOW w/吉井和哉
15.もしかしてだけど w/吉井和哉+どぶろっく
16.さすらい
ENCORE
En-1 俺たちのトラベリン w/カーリングシトーンズ+どぶろっく
En-2 ソラーレ w/カーリングシトーンズ+どぶろっく
En-3イージュー★ライダー(ALL CAST)
[DAY2] 10/27(日)
1.ルート2
2.彼が泣く
3.ときめきファンタジーIII
4.夕陽ヶ丘のサンセット
5.風は西から
6.メリハリ鳥
7.トリコになりました
8.ワインのばか
9.KING of KIN
10.息子
11.The STANDARD
12.手紙
13.無限の風
14.MANY
15.コーヒー
16.恋のかけら
17.MILLEN BOX
18.御免ライダー
19.トロフィー
20.CUSTOM
ENCORE
En-1 マシマロ(ック)
En-2 愛のために