2022年3月29日(火)、都内某所にてミュージカル「るろうに剣心 京都編」の製作発表会が開かれた。
「るろうに剣心」は、言わずもがな1994年から『週刊少年ジャンプ』にて連載が開始した大ヒット漫画で、今回は特に人気の高い「京都編」を小池修一郎が新たに脚本を書き下ろし、演出までを一挙に引き受けてのミュージカル化に挑む。
今作では客席が回転するという日本で唯一の会場・IHIステージアラウンド東京での公演だ。「るろうに剣心」はこれまでもアニメ、小説、実写映画化と、姿を変えてはファンを魅了してきたが、今回は最上級に臨場感のある名シーンや対戦シーンが期待できそうだ。「イケコ」の愛称で知られるミュージカル業界きっての劇作家・演出家 小池氏の手腕に期待が高まる。
会見は真紅に染まる舞台で展開する剣心(小池徹平)のアクションシーンから始まる。
一週間で組み立てられたとは信じ難い圧巻の間合いでの太刀の弾き合いに拍手が沸き起こった。
脚本・演出の小池修一郎氏は「和月先生が込められたメッセージが大変な意味を持つ作品。」というコメントとともに「とても楽しい。でもちょっと最後に心の中に、より残るものがある作品にしたい。」と、今だから演る意義、そして未来へつながる熱い思いを語った。
主演・緋村剣心を演じるのは、今年で俳優デビュー20周年を迎える小池徹平。小池修一郎氏も「擦れたところのない、純粋な剣心と共通するところが多い」と絶賛しての抜擢だ。
また、座長としての期待も高く、それを受け小池徹平は、「ようやく始まるんだな!」と、2年前の公演中止からの意気込みをストレートに語った。
宿敵・志々雄真実役の黒羽麻璃央は、自身が愛する漫画のキャラクターになることへの感慨深さを語りながらも、包帯を顔に巻いた時の暑さを冗談まじりに話すなど、会場を笑いで包んだ。
次々に語られるキャスト陣のコメントには、名作「るろうに剣心」がそれぞれに与えてきた生き方に対する影響力が伺える。単なる漫画の舞台化ではない、混乱の最中で人々がどう思い、どこへ向かうのか。ビッグエンターテイメントに込めた思いは胸を打つ。
さらに原作者・和月伸宏氏のコメントも届き、キャスト陣からも歓声が上がった。
原作・和月伸宏 コメント全文
「るろうに剣心の舞台化は宝塚版、前回と続き3回目の今回は満を持して京都編。
原作でも人気の高いパートですが登場人物が多く、場面転換は目紛るしく、筋書きも複雑で舞台化はちょっと難しいのでは無いかと打診当初は思いました。
しかし、名も実も有る素晴らしい俳優陣とスタッフ、演劇好きの妻がベタ褒めする素晴らしい劇場、3回目とあって益々冴え渡る小池先生の素晴らしい辣腕と、素晴らしい揃い踏みで今では公演が待ち遠しい限りです。
コロナ禍という大困難の中、実現に向けて尽力してくださった関係各位の皆さまに心から感謝します。
自信を持って御送り出来るエンターテイメント ミュージカル「るろうに剣心 京都編」、感染対策をバッチリきめて是非劇場にお越し下さい。」
人気エピソード「京都編」は、多くの場面展開や息をのむほどのスリリングなアクションシーンが満載だ。演出の小池修一郎氏も「お客様が剣心と一緒に旅をする」と言うように、IHIステージアラウンド東京でしか実現しないど迫力なステージを体験する、またとない機会となりそうだ。また、世界の混乱が避けられない昨今、平和への祈りにも似た、“小池一座”の渾身の物語を見届けたいと思う。
公演は東京IHIステージアラウンド東京にて2022年5月17日(火)から6月24日(金)まで公演される。詳細は下記の通り。
©和月伸宏/集英社