ミュージカル「るろうに剣心 京都編」公開ゲネプロ&記者会見。小池徹平、黒羽麻璃央、加藤和樹らが縦横無尽に走り、歌い、戦う

ライブレポート | 2022.05.19 15:00

小池徹平が主演を務めるミュージカル『るろうに剣心 京都編』が5月17日、IHIステージアラウンド東京(東京都江東区)で幕を開けた。初日の前日に、同地で行われた取材会で小池は「戦いが多いのが京都編の魅力。(客席が回転する)この劇場の良さを活かした殺陣に仕上がっている」と自信を見せていた。記事では初日の前に行われた公開ゲネプロと、取材会の様子をお届けする。舞台は6月24日まで同地で上演される。

和月伸宏原作の『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』は明治時代の日本を舞台に、新選組など史実を絡ませた剣豪マンガで、累計7200万部を超える大人気シリーズ。舞台は中でも人気が高い「京都編」を軸に小池修一郎が脚本を書き下ろし、ミュージカル化した。日本で唯一客席が回転する同劇場では、役者同士がぶつかり合う迫力を体感できる。

ミュージカル『るろうに剣心 京都編』に主演する小池徹平。迫力ある殺陣など魅力が満載だ

初日を前に公開された通し稽古は、本舞台の見所の一つでもある殺陣からスタート。維新志士が威勢よく「幕末血風録」を歌う場面では、緋村剣心(小池)と志々雄真実(黒羽麻璃央)も加わり、新しい時代を築いていこうと気炎をあげる。

幕末は、殺人剣「飛天御剣流」を振るい「人斬り抜刀斎」の伝説を残した剣心だったが、明治維新後に改心。「もう誰も斬らない」という「不殺(ころさず)の誓い」を立て、刃が逆さに付いている「逆刃刀」を持ち歩くようになった。過去を捨てた剣心は、剣術小町の異名を持つ美少女・神谷薫(井頭愛海)が師範代を務める「神谷活心道場」に身を寄せ、静かな日々を送っていた。

仲間と大好きなぼたもちを頬張るなど、平穏な生活を過ごす剣心。一方、剣心の跡を継ぎ人斬りとなった志々雄は、明治政府の裏切りにあってしまう。たいまつを持った同志に囲まれた志々雄は、「お前の存在は闇に消えるのだ」と火を放たれ炎上。真っ赤に燃え盛る炎の中で怒りの叫びをあげていた。

復讐の鬼となった志々雄は、政府に恨みを持つ者などを集めた兵団を築き、京都の暗黒街でその時をうかがっていた。不穏な動きに気付いた政府が、討伐隊を向けるも全滅に。頭を悩ませた大久保利通は、剣心が暮らす道場に足を向け「京都に行ってほしい」と依頼する。

誓いを立てた剣心は申し出に迷うが、大久保が暗殺されたことを号外で知り、旅立つことを決意。薫に別れを告げ、逆刃刀1本を手に京都に向かった。10年ぶりに京都に向かう剣心は道中、追剥をしながら旅を続ける巻町操(鈴木梨央)と出会いも。剣心に思いを寄せていた薫は、相楽左之助(岐州匠)らとともに後を追うことを決め、京都へと急いだ。

アジトでは、「この世は所詮弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ」と豪語する志々雄がその信念を込めた「弱肉強食」を高らかに歌い上げる。瀬田宗次郎(加藤清史郎)ら志々雄の下に集まった「十本刀」も「志々雄さま。万歳!!」と声を揃え忠誠を誓っていた。

第1幕は13曲、第2幕では11曲の楽曲を歌い、心情を吐露する出演者たち。第1幕ラストでは、志々雄のアジトに潜入する場面で剣心、志々雄、四乃森蒼紫(松下優也)、宗次郎など主要キャスト7名が「剣心はどこへ」を歌うシーンは圧巻だ。

第2幕では、剣心の師匠で育ての親でもある十三代目飛天御剣流継承者・比古清十郎(加藤和樹)も登場。クライマックスでは、剣心と志々雄が互いに一歩も引かない戦いを見せ、会場をくぎ付けにする。京都で再会した剣心と薫の恋路にも注目が集まる……。

第2幕では、剣心の師匠で育ての親でもある十三代目飛天御剣流継承者・比古清十郎(加藤和樹)も登場。クライマックスでは、剣心と志々雄が互いに一歩も引かない戦いを見せ、会場をくぎ付けにする。京都で再会した剣心と薫の恋路にも注目が集まる……。

小池徹平らが登壇した取材会「神!」とあがめる小池との共演に、歓喜の黒羽

公開ゲネプロの前に行われた取材会には、小池、黒羽、加藤が登壇。小池は「(コロナ禍で延期していた舞台が)やっと、お客さんの前で2年越しにお見せできるということで、ワクワクするものがあります。あとは全力で臨むのみ!」と意気込んでいた。
──作品と、自身の役の魅力について。
小池今回は京都編なので、なんといっても戦いが非常に多いです。この劇場の良さを生かした殺陣が見どころです。緋村剣心は優しいところが魅力。演じながら剣心の優しさに救われている部分がたくさんあります。剣心の自分の目に映る人たちを守るという、何かを守るために生きるという姿勢は、共感できる部分です。
黒羽剣心という存在があるから、志々雄真実という『悪』が光るのだと感じます。志々雄が言う『所詮この世は弱肉強食』というのは、分からんでもないかなと思います。現実世界でもそれを感じる瞬間は、少なからずある。志々雄に共鳴したら少し危ないですが、理解しようと思っています。
加藤僕が演じる比古清十郎は剣心の師匠。圧倒的な強さというもの、強さの底が知れないというミステリアスな部分が魅力です。舞台中は(衣装の)マントのさばき方が難しくて。美しく舞えるように、研究していきたいです。

──殺陣など、アクションも見どころです。大変だったことは。
小池いまも大変なことの連続です。日々身体の痛みと戦いながらやっています。痛みを超えるほどの楽しさがあるんです。やっている時は痛みを感じないので、ずっと戦っていればいいのかな。
黒羽大変だけど楽しいです。(衣装が)包帯で顔が隠れてしまうので、演出の小池(修一郎)先生から、『普段よりお芝居を大きくした方がいい』とアドバイスを受けました。劇場に入って、ようやく見えていなかった景色が見えてきました。これからですね。
加藤小池先生は、先生の頭にあるものを我々に提示してくださるんです。その形に気持ちを乗せていくのが、我々の仕事。そこにいかに追いつけるかというのは課題だなと毎回思っています。今回は舞台が1つではないですし、その絵を全部小池先生が把握しながら我々に演出をつけていたのかと思うと、やっぱりとんでもない人だなと思いました。

──稽古を重ねて身体に変化はありましたか。
小池僕ら(自身と黒羽)は左利きなんですけど、右で刀を振るので、右手にすごい筋肉がつきました。後は、しゃがむ姿勢が多いのでおしりに筋肉が付きました。体重は会場に入ってから2キロくらい落ちました。ここから減っていくと思います。
黒羽僕は衣装を着けて、会場に入ってから2週間くらいで1キロくらい落ちました。特に顔が包帯で暑くて。身体はスタッフさんのお陰で通気性のいいものなので暑くないのですが、顔だけが尋常じゃない暑さがある。むくんで劇場に入ってきても、終わるころにはスッキリしています。
加藤僕は、変わっていないかなって感じですね。

──小池さんと黒羽さんはジュノン・ボーイの先輩と後輩ですね。
小池剣心と志々雄も、先輩と後輩です。(黒羽の活躍は)たくましい後輩だなと思って見ています。舞台でやっている時には先輩も後輩も関係ない。素敵な役者さんとして頑張っている後輩がいることは、同じジュノン出身というまとめ方をするとあれですけど、嬉しい気持ちになりますね。
黒羽思い返すと、11年くらい前ですかね。ジュノン・ボーイのコンテストの時に、ファイナリストになったんですけど、そこにレジェンド(小池)がいらっしゃって。僕らみんな、小池徹平くんになりたくてその門をたたいていますから。こうしてバチバチにやりあえていることを、10年前の僕に言いたいですね。やっていればできるよって。

──最後にメッセージを。
小池こだわりのある素敵なセットや衣装など、(原作から)飛び出たような『るろうに剣心 京都編』が見られると思います。ミュージカルなので歌もあります。良い部分を詰め込んだ作品になっていると思うので、ぜひ楽しみに来て欲しいと思います。

公演情報

DISK GARAGE公演

ミュージカル『るろうに剣心 京都編』

2022年5月17日(火)~6月24日(金) IHIステージアラウンド東京
※全46公演

原作:和月伸宏 「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(集英社ジャンプ コミックス刊)

脚本 / 演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)

音楽:太田健(宝塚歌劇団) / 和田俊輔

出演:小池徹平 / 黒羽麻璃央 / 松下優也 / 加藤清史郎 / 岐洲匠 / 奥野壮 / 井頭愛海 / 鈴木梨央 / 伶美うらら / 山口馬木也 / 加藤和樹

猪塚健太 / 郷本直也 / 松浦司 / キャッチャー中澤 / 梶原颯 / 才川コージ / 城妃美伶 / 阿部裕

藍実成 / 浅川文也 / 飯作雄太郎 / 伊藤寛真 / 鹿糠友和 / 黒沼亮 / 笹川慎一朗 / 寒川祥吾
鮫島拓馬 / 柴原直樹 / 清水錬 / 楢原じゅんや / 西村聡
彩花まり / 斎藤葉月 / 七理ひなの / 杉浦小百合 / 美翔かずき / 横関咲栄 / 吉田繭

特別協賛:くら寿司株式会社
企画:梅田芸術劇場 / TBS
製作:TBS / 梅田芸術劇場
協力:宝塚歌劇団
主催:TBS / ディスクガレージ / ローソンエンタテインメント / 電通 / 梅田芸術劇場

©和月伸宏/集英社

チケット一般発売日:2022年3月19日(土)

  • 翡翠

    取材・撮影

    翡翠

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