
harha one man live tour ON YOUR MARKS!
2026年10月4日(日)Spotify O-EAST
オープニングを飾ったのは、この日の翌日となる10月5日(月)にリリースされた1stデジタルフルアルバム『FUTURE NATURE TEENAGER』にも収録された「Forever Never Forever」。激しく点滅する照明の中で、ヴォーカルのヨナベが<声を聴かせて>というライブの始まりにふさわしいフレーズを響かせると、観客のテンションは一気に上昇。続く、「アンコモンセンス」では、ヨナベがエレキギターをかき鳴らしながら歌うという、これまでにないサプライズがあり、ハルハが奏でるオルガンの音色とともに高揚感でいっぱいのバンドサウンドが広がっていった。
観客が打ち鳴らす大音量のクラップとエレキギターのカッティングからシームレスで繋がった「おはよう人類」では、ヨナベが「声を出す準備はできてるのかな?最後までいっぱい歌って帰ろうと思います」とあいさつ。ヨナベの「歌え〜!」という呼びかけに応えた観客からシンガロングが巻き起こると、「配信アルバムからの新曲を聴きたいか?」という言葉に導かれた「劇場版で会いましょう」、再びシンガロングやコールが発生した「ラブハイプマン」と会場のボルテージをさらに引き上げた後、ニューアルバムの先行配信曲としてリリースされた「TEEN LOVE」へ。ヨナベは観客一人一人と目を合わせるかのようにステージを右に左へと動き、小さく手を振りながら歌唱し、フロアとの距離をグッと縮めていった。
ちなみに、2022年10月の活動開始から4年にして初のデジタルフルアルバムには、新曲を含む“18曲”が収録されていた。FUTURE(未来) /NATURE(ありのまま) /TEENAGER(10 代)というharhaの音楽性を象徴する言葉がタイトルに掲げられ、<人との繋がりや輪の広がり>を意味する<コミュニティ>というテーマも根底には流れていた。一方で、この日のライブは、MCをほとんど挟まずに、バンド演奏で繋いでいく90分。この繋ぎ方にハルハのDJ的センスが現れており、ノンストップでアンコールも行わない“18曲”で構成されていた。それが意図的なものなのか、偶然なのかはわからないのだが、アルバムが顔出しをせずにSNSを通して楽曲をリリースしていくポップユニットである「harhaの自己紹介」であるとするならば、本公演は、“対話”を重視する「ライブアーティストとしてのharhaの自己紹介」としての場となっていたと思う。
彼らのライブでは生演奏のバンドアンサンブルとともに、照明(や時には映像)も演出の大きな役割を担っている。「TEEN LOVE」の演奏が終わると、雨や水の音といったSEが流れるとともにステージの上空に設置されていた照明セットが下がり、場面は転換したことが知らされた。アーバンなR&B「GOODLUCKSTORY」ではメロウなグルーヴによって観客の心と体が自然と揺らされ、ヨナベがアコギを弾きながら歌った「ステレオタイプライター」から、ハルハの鍵盤にヨナベが声を重ねる「えくぼ」とスケールがダイナミックに拡大していくバラードを続けた。静から動、暗闇からフロアを包む大きな光へと繋ぐ一連の流れは感動的で、澄み切った透明さがありながらも力強さもあるヨナベのヴォーカリストとしての魅力もはっきりと伝わってくるシーンとなっていた。
ヨナベが再びエレキギターを弾いた「ふうらい」からは場面は一転。観客がクラップを鳴らし、ハルハと一緒に歌って盛り上がると、ヨナベの「こっから後半戦。もっともっと楽しんでください」という言葉から、ファンキーなフレンチエレクトロのようにアレンジされた「ボクラノ」のセッションバージョンでハルハが早いパッセージのラップを繰り出すと、「choose 1」では観客はヨナベと一緒に右手を上げながらジャンプし、フロアを揺らした。そして、ヨナベが「ON YOUR MARKS!よろしく!!」と声をあげると、「争奪最前戦」では観客がさらに高く跳び、ヨナベの歌にハルハもユニゾンで加わるパートでシンガロングが起こった。ミラーボールが煌めく中でコール&レスポンスを楽しんだ「マスカレード」の後半でも、観客が高く掲げた手を左右に振りながらのシンガロングが起こり、照明が明るくなった場内には心地のいい一体感が広がっていった。
ここで、彼らが2024年1月26日(金)に、この日と同じくSpotify O-EASTで開催されたイベント「LIVE Meets Vol.5」をオマージュするようなSEが流れたが、気付いた人はいただろうか。その日がharhaとして初めてライブで、ヨナベは「緊張した」と言っていたし、ハルハは「視線が怖かった」とも語っていた。まだ名前も浸透していなく、あたし、ケタチガイともに出演した当時の集客は、ぶっちゃけて言えば、スペシャルゲストとして出演した安本彩花(私立恵比寿中学)とタカシ(超特急)頼みだった。しかし、その日から2年10ヶ月経った現在、harhaのライブを見たくてチケットを買った人たちで超満員となっている。その観客たちの視線と熱気を受けている二人の胸中は今はまだ知るよしもないが、ヨナベは「まだまだ歌い足りないよ」と笑顔を見せ、クライマックスに向けて体を伸ばし、準備体操をしていたことを記しておきたい。
harhaのライブに参加すると、「ライブはアーティストと観客が一緒に作るもの」という言葉を再確認させられる。「人生オーバー」のAメロとBメロでは観客は<オイ!オイ!>と声と拳をあげ、サビでは大合唱となり、バンドのプレイも自然と熱量が上がっていく。やがて、<ラッタッタ>のコール&レスポンスとなり、後半では観客のコールにヨナベが歌声を乗せ、ドラムが激しいビートで追随。さらに、歌いだしから大歓声が上がった「草縁」もクラップを鳴らしながらの大合唱となり、ハルハがマイクを持ってステージ前に進んでラップした「ハイホーホー」では、<声枯らしていこう>というフレーズの後で<ハイホーホー/ハイホーホー>というこの日一番の大きなコール&レスポンスが沸き起こり、圧倒的な解放感と繋がりの確かな実感をもたらした。

<声を聴かせて>という呼びかけから始まった“対話”は、声を枯らすほどの大合唱を持って、いよいよクライマックスへと向かった。ラストナンバーは、「Forever Never Forever」「TEEN LOVE」とともに、プロデューサーの江口亮と制作した青春ソングにして、harhaの“今”を象徴するポップロック「夏の雷鳴」。「遊びに来てくれて本当にありがとうございました。これからもいろんな場所で、もっとみんなと会いたいから頑張ります」と語ったヨナベは、未来の可能性を広げるような歌声を響かせ、クラップを打ち鳴らなす観客と笑顔と鼓動を共有し、ライブはエンディングを迎えた。ステージを後にする二人は最後に「choose 1」のポーズをしていた。全く同じポーズをしたのは決め事だったのか、たまたま、気が合ってきた証左なのかはわからないが、観客と親密な対話を繰り広げながら、ライブアーティストとしての確かな進化と成長をダイレクトに見せつけてくれた夜となった。
SET LIST
01. Forever Never Forever
02. アンコモンセンス
03. おはよう人類
04. 劇場版で会いましょう
05. ラブハイプマン
06. TEEN LOVE
07. GOODLUCKSTORY
08. ステレオタイプライター
09. えくぼ
10. ふうらい
11. ボクラノ
12. choose 1
13. 争奪最前戦
14. マスカレード
15. 人生オーバー
16. 草縁
17. ハイホーホー
18. 夏の雷鳴
















