新体制となったBARBEE BOYS 4PEACE、単独公演。バンドの“今”を見せつけた一夜をレポート

ライブレポート | 2026.06.26 20:00

BARBEE BOYS 4PEACE「BB4P SHOW」
2026年6月15日(月)Zepp Haneda(TOKYO)

昨年12月に新体制での活動を発表した“BARBEE BOYS 4PEACE”が、6月15日(月)に東京・Zepp Haneda(TOKYO)にて単独公演『BB4P SHOW』を開催した。

BARBEE BOYSは1984年に結成、KONTAと杏子による男女のツインボーカルで人気を集め、1992年に解散するまでの間に「女ぎつね on the Run」や「目を閉じておいでよ」などのヒット曲を世に送り出した。解散後はそれぞれソロ活動を行い、杏子は山崎まさよしら、オフィスオーガスタ所属アーティストからなるスペシャルプロジェクト“福耳”でも知られる。何度かの再結集を経て、昨年末、小沼俊明(Dr.)の勇退、そしてKONTA(Vo.&Sax)の現状を「四肢麻痺」と報告するとともに、“BARBEE BOYS 4PEACE”としての再起動が発表された。KONTAはこの日のライブに向け「サックスこそ吹けないが、おれの変わり果てた姿と変わらぬふてぶてしさをお楽しみいただくため、もっか錬成の日々である。」とコメントしていた。

「枕話と行きますか。一粒飲むだけで一日分全ての栄養が賄えるという丸薬を365粒持たされ里を追われた男がおりました。自らが彫った仏像を行く先々の地に収めながらの罪滅ぼしの旅に出たのでございます」。

鐘の音に続くKONTAの口上で始まったライブ。いまみちともたかのナイロン弦ギターが力強くかき鳴らされる。記念すべき1曲目は「あいさつはいつでも」。KONTAの変わらないハスキーな歌声に、会場には大歓声が沸き手拍子が響きわたった。

KONTA(Vo.)

間髪入れず「三日月の憂鬱」へと突入すると、杏子が絶妙なハーモニーを交えながら、KONTAと共にメロディを歌い上げる。そしてムーディーなギターとベース、杏子の艶めかしいボーカルで、1985年の1stアルバム『1st OPTION』に収録の「ふしだら VS よこしま」が披露された。杏子とKONTAによる〈ふしだら〉と〈よこしま〉の掛け合いが聴きどころの同曲。年月を重ねたことで、原曲の持つミステリアスなムードが増し、加えて“これぞ真骨頂”といったボーカルのやりとりに、観客はうれしそうな表情で体を揺らした。

MCではKONTAが口火を切る。「俺がへたなことを言うと、同情を買うか哀れみを誘うか、でなきゃ凍り付かせるのがオチだから、あまりしゃべろうとは思わないが、野暮ったいことは言わない。どうか今夜は楽しんでいってほしい。何なら跳んだり跳ねたりしてくれたっていいんだぜ!“俺の代わりにな!”」。いたずらっぽい口調で、自らの境遇を笑い飛ばしたKONTA。この“KONTA節”に会場は大歓声と拍手で大いに沸いた。

その後、1984年のデビュー曲「暗闇でDANCE」も繰り出した。男女の駆け引きをファンキーなビートに乗せて歌った同曲は、KONTAと杏子がシャウトを織り交ぜながら歌い上げるのも聴きどころ。アコースティックながらソリッドな演奏と、巧みに声色を変えながらパワフルに歌声を交わす二人に、会場にはメンバーの歌と演奏を讃える歓声とクラップが鳴り響いた。

MCでは、「暗闇でDANCE」にまつわる話に花が咲き、いまみちが「実はこの曲ってライブであまりやったことがなかったんだよね」と明かすと、「私はもっとやった方がいいって言ってたんだけど、男子たちがやらなくていいって」と杏子。すかさずKONTAが「ヒットしなかったからだよ!」とピシャリ。会場を笑いで包み込んだ。

その後、ベースとギターの美しいアンサンブルをバックにKONTAの伸びやかなボーカルが光った「Dear わがままエイリアン」、そして「泣いたままで listen to me」と、4枚目のアルバム『LISTEN! BARBEE BOYS 4』からの楽曲を立て続けに披露。もともとメランコリックで哀愁を漂わせていた楽曲。アコースティックになったことで哀愁にスポットが当たり、昭和から令和まで激動の時代を共に生き抜いて来たバービー世代には、それがむしろ心地良く感じられただろう。そして第一部は、『1st OPTION』のラストに収録された「冗談じゃない」で締めくくられた。身をのけぞるようにして歌ったKONTA。絶妙なハーモニーを奏でた杏子。そして新たな解釈でシンプルに再構築したサウンド。当時から洗練されていたが、今も決して色褪せることなく瑞々しい輝きを放つ、バービー楽曲の魅力を今さらながら感じてならない。

いまみちともたか(Gt.)

ENRIQUE(Ba.)

二部構成で行われたライブ。第一部を振り返り「ちょっと愛想が無さ過ぎたんじゃないか」と、第二部はゆったりとしたトークからスタートした。

2月に仙台で開催されたサンドウィッチマン/狩野英孝による音楽イベント『カノフェス』に出演したことに触れ、お揃いのサングラスをかけて出ようとしたら暗がりでピックを落としてしまい、サンド伊達が拾ってくれたというエピソードも飛び出す。「お礼にピックをお渡ししたら、そのお返しが“萩の月”だった」と、サンドの徹底した仙台愛を感じた話で会場を沸かせたいまみち。客席にはサンドウィッチマンの顔もあり、手を叩いて爆笑している様子もあった。

またENRIQUEは、仙台でのサングラス姿にSNSでは「眼病でも患ったのですか?ご自愛ください」という反応があったというエピソード。老眼の話題にも広がり、50〜60代が多く集まった会場ではこれが大ウケ。「こんなフリートークで始まるライブがあっていいの?」といまみち。

一部は初期のマニアックな曲が多かったことから、「二部は、少しは知られた曲を」と、BARBEE BOYSの代名詞でもある「女ぎつね on the Run」を1曲目に披露した。いまみちのカウントを合図に、〈Wow wow wow wow 女ぎつね on the Run〉と4人でのコーラスが揃うと、会場には自然とクラップが沸き起こった。杏子の先導で、観客は曲に合わせて手ぎつねポーズで応え、会場が一つに。

杏子(Vo.)

「あいまいtension」「勇み足サミー」など1990年のシングルナンバーを立て続けに披露すると、軽快な演奏に乗せて、いつものムーブで椅子に座ったままスカートをひるがえした杏子。そして「打ち上げ花火」では、〈鼻たれboyなりきりboy〉など印象的なフレーズをしっとりと歌い上げた。日本語と英語やカタカナを掛け合わせた、まるでCMのキャッチコピーのような、キャッチーな曲タイトルと歌詞。一度聴いたら耳に残って離れない、いまみちの手がけるクセになる言葉とメロディを、観客は一緒に口ずさんで楽しんだ。

また、いまみちとENRIQUEはインスト演奏でも聴かせた。プリミティブでありながら、サイケデリックなフレージングを繰り出して熟練の演奏を繰り広げた二人。その勢いのまま「ノーマジーン」へとなだれ込むと、杏子はストールを広げてなびかせるパフォーマンスで目でも楽しませる。そしてCMソングにも起用されたヒット曲「目を閉じておいでよ」では、ワンフレーズ歌い上げるたびに、二人のボーカルをはやし立てるように歓声が沸き起こり、サビでは観客の大合唱とクラップが広がった。

会場の盛り上がりに「やっと火が付いた感じか!」とKONTA。本編ラストには、1992年の解散ライブでもアンコールの最後に歌った「なんだったんだ? 7DAYS」を披露した。「楽しい時間はアッと言う間だ。考えてみな、1秒は1秒、1分は1分、1日は1日だ。あとからゆっくり考えてみよう」とKONTA。カントリー調の軽快なリズムに合わせてクラップが響き、コーラスが広がった会場。観客は立ち上がって楽曲に身を委ね、残り少ない時間を思うがままに楽しんだ。

そしてアンコールでは12月7日にまたここ東京・Zepp Haneda(TOKYO)にて単独公演を開催するとうれしい発表もされ、メンバーの名前を呼ぶ声に応えるように、「チャンス到来」を披露。「またここで会いましょう!」。

KONTAの現状を心配する声をよそに、見事復活を果たしたBARBEE BOYS。KONTAのあのハスキーな歌声と皮肉屋っぷりは健在だった。洗練された演奏と変わらぬ歌声、そしてさらなる輝きを放つ楽曲たち。過去の栄光に決してすがることなく、現役バリバリの“今”を見せつけた夜になった。

SET LIST

第1部
01. あいさつはいつでも
02. 三日月の憂鬱
03. ふしだら VS よこしま
04. プリティドール
05. 暗闇でDANCE
06. Dear わがままエイリアン
07. 泣いたままで listen to me
08. 冗談じゃない

第2部
09. 女ぎつね on the Run
10. あいまいtension
11. 勇み足サミー
12. 打ち上げ花火
13. ノーマジーン
14. 目を閉じておいでよ
15. わぁい わぁい わい
16. なんだったんだ? 7DAYS

ENCORE
17. チャンス到来

公演情報

DISK GARAGE公演

BARBEE BOYS 4PEACE ワンマンライブ(タイトル未定)

2026年12月7日(月)東京・Zepp Haneda(TOKYO)

  • 榑林 史章

    取材・文

    榑林 史章

  • 撮影

    Mariko Miura

  • DI:GA ONLINE 10周年

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