【インタビュー前編】楠木ともり、1stアルバムで楽曲提供を受けた敬愛するアーティスト陣と主催フェスを開催!「何か化学反応が起きるようなフェスになったらいいなと思っています」

インタビュー | 2025.02.18 19:00

声優/アーティストとして活動する楠木ともりの初主催フェスであり、奥田民生を筆頭に多くのアーティストが所属するSMA(ソニーミュージックアーティスツ)の設立50周年を祝う「SMA 50th Annivaersary」企画の一環となる『「TOMORI FES.」supported by KT Zepp Yokohama 5th Anniversary』が2025年3月8日にKT Zepp Yokohamaにて開催。

楠木ともりは、現在公開中の『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』や『チェンソーマン』などで活躍する声優であり、アーティストとしてもインディーズ活動を経て、2020年にメジャーデビュー、2024年11月には5th EP「吐露」も話題になった声優、アーティストの両面で注目されている。

そんな楠木がオーガナイズするフェスは、楠木が敬愛し、楽曲提供も受けたCö shu Nie(コシュニエ) 、TOOBOE (トオボエ)、ハルカトミユキ、meiyo(メイヨー)が出演。楠木の音楽とルーツを探る旅かつ、個性的なアーティストの出会いの場となるフェスに期待が高まる。

フェス開催へ向けて楠木ともりのインタビューを前後編でお届けする。
──所属事務所が50周年を迎えた感想をお聞かせください。
私もまだ所属して10年経っていないので、50周年という長さにあまりピンと来てはいないんですけど、主に音楽的な部分で私が好きなアーティストさんが多く所属されていて。憧れというか、普段、日常生活の中でさりげなく触れていた音楽を作られているアーティストさんが所属する事務所に今、自分がいることへの驚きを感じます。
(マネージャーさんに向かって)ちなみに事務所の50周年って長いんですか?
マネージャー 長いと思いますよ。普通の企業でも30年続けば長いほうですから。
そうなんですね。でも私が生きているうちに、100周年も迎えられるということになりますか?(笑)。
──まだ楠木さんは20代なので、その可能性のほうが高いと思います。
スケールの大きな話だなとは思いますが、今後50周年や100周年が身近に感じられるように、自分が変化できたらいいなと思います。
──私は昔、日本武道館で行われた25周年記念のライブイベント『SMAカーニバル2003』を観に行きましたが、その頃はアーティストの事務所という感じだったのに、今ではアーティストだけではなく俳優や声優、タレント、アナウンサーやお笑い芸人、映画監督など幅広いジャンルの方が所属されていますね。
事務所としては50周年ですけど、いろいろな部署が生まれてきて。私たちが所属する声優部門もできてから約10年くらいで。芸人さんも錦鯉さんやバイきんぐさん、やす子さんなど有名な方がたくさんいらっしゃって。「不思議な事務所ですね」とよく言われます(笑)。
──楠木さんがこの事務所に所属されたきっかけは2016年のSMA主催オーディションの特別賞受賞からですが、現在までにアーティストや声優として幅広く活躍されていますが、ここまで振り返った感想と印象的だった出来事を教えてください。
あっという間に時間が過ぎていった印象があります。オーディションを受けた時は合格したいという気持ちはありつつも、大きな事務所すぎてあまり期待していなかった部分が強かったです。でも特別賞をいただいてからは自分のことで精一杯で、周りのことも仕事もよくわからないし、そもそもまだ学生だったので社会経験すらなくて。そこからスタートしたことを考えると、今はこの事務所に所属していることに対しての意識は芽生えていて、「どうしたら後輩の子たちがよりお仕事しやすくなるのかな?」と自然と考えるタイミングがあったり、「自分が今どういう立ち位置なのかな?」と考えることも増えたかなと思います。
印象的だった出来事は所属してすぐくらいの時に、私が出演する特番の企画でカラオケを歌うことになって、LiSAさんの曲を事務所で練習していたら、それを聴いたLiSAさんが廊下から練習部屋に入ってきてくださって。その時に「やっぱりすごい事務所なんだ!!」と。憧れの人と同じ空間に実はいたということが頻繁に起きる事務所なんだということに大きな幸福感を感じて、より帰属意識も高まったことを覚えています。
──楠木さんが事務所に入られたのは十代の時だったんですよね?
まだ高校生で16、17歳の頃でした。通っていたのもどちらといえば学業に専念する方向の学校だったので、芸能系に進む人もほとんどいなくて、学年で2、3人志望者がいるくらい。
私はギリギリまで悩んで受験をしなくて、「えっ!? 進学しないの?」と驚かれました。だから自分は異質な道を歩もうとしているんだなというのは周りの反応からもすごく感じていましたし、正直、自分が今から何になっていくのかもあまりわかっていませんでした。それに事務所に所属したからといって、その仕事で食べていける保証もないからこそ、すごく緊張感がある進路選択だったなと思います。
──事務所に入られてからは声優としてお芝居をされたり、大好きな歌も歌うこともできて、更にご自身のCDジャケットやグッズ制作等で興味のあったデザインをする機会もあって。いろいろなことをされていますね。
お芝居に関しては仕事を始めるまでやったことがなく、ただやりたいという気持ちと憧れだけで入ってきてしまったので、楽しめるようになるまで時間がかかりましたが、今はお芝居に対して楽しさや、やりがいを感じていますし、音楽も元々、好きでした。また進学するなら美術系の大学に行こうと思っていたので、デザインもやらせていただいて。本当に自由度が高い事務所なんだなという印象はすごくありますし、好きなことをやらせていただけている、ありがたい環境だなと思います。
──楠木さんの他にも多くの声優さんが活躍されていますが、皆さん仲が良さそうな感じがします。
そうですね。私が入った時は先輩が多かったため、緊張していましたし、あまり交流する機会もなくて。同じ事務所だからといってもなかなか会えるわけではなく、たまに事務所ですれ違うことがあるくらいで。
でも最近は先輩も後輩も混ざって、「一緒に声優部署を盛り上げていこうぜ!」という空気感があるのを感じています。私が出演しているラジオ番組やインターネット番組のゲストに来てもらったり、企画を一緒にやったりすることも増えてきて。お互いに切磋琢磨しつつもいざという時に支えられるような、そんな雰囲気になってきているように感じます。
──以前、楠木さんがマキマ役で出演されていたアニメ『チェンソーマン』の取材で、同じSMA所属で主人公のデンジ役を演じていた戸谷菊之介さんにインタビューした時、デンジがマキマに憧れを感じているように自分にとっても楠木さんは憧れの存在で、アフレコの基本やテクニックなど教えていたただいて、本当に感謝しているとおっしゃっていましたよ。
ウソですよ〜!だってキャリアは1年しか違わないんですよ。それはリップサービスです、きっと(笑)。でもそう言ってもらえるのはすごく嬉しいです。どの部署もキャリアに関係なく、グンと行く人は行ってしまう業界だと思うので、後輩だとか先輩だとか、そういうところには甘えずにお互いに刺激し合っていけるのがベストかなと思っています。
──声優以外の方で交流があるSMA所属の方はいますか?
声優以外だとあまり交流はないのですが、スピラ・スピカの幹葉ちゃんは彼女のラジオ番組にゲストで呼んでもらったり、事務所で会った時にあいさつしたり、お話ししたりする仲です。やっぱり何か企画やきっかけがないと関わることは少ないので、他の部署の方にすごく興味があります。
──SMA所属の方で憧れの方を教えてください。角が立たない程度に。
どうしたら角が立たないのかな?(笑) 事務所に入る前から好きだったのはLiSAさんですね。事務所のオーディションを受ける前にどんな方が所属しているのか調べた時に「あっ!? そうか!」となったのもLiSAさんでした。だから「SMAに入れたらLiSAさんと同じ事務所になるんだ!」という憧れはオーディション中もありました。
──今度、LiSAさんにインタビューする機会にイジる、いいネタができました。
イジらないでください。真剣なので(笑)。

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