──SMA50周年企画の一環で楠木さんにとって初めての対バンライブ『TOMORI FES.』を開催することになりましたが、打診された時の感想を教えてください。
50周年企画をスタッフさんと一緒に考えている時に「『TOMORI FES.』をやってみるのはどうかな?」と提案されて。そこから「メンバーはどうする?」という話になって「アルバムに楽曲提供していただいた皆さんに参加してもらえたらハッピーだよね」という希望から走り始めて。皆さんにオファーしたところ、ありがたいことに皆さんに快諾していただけたことで実現できました。実はこのメンバーではできるとは思っていなくて、決まった時は「そんな夢のようなことができるんですか!?」とビックリしましたが実現できて良かったです。
──今50周年企画がいろいろと立ち上がっていますが、ご自身の名前が冠されたフェスができる人はSMAの中でも限られているわけですよね。
信じられませんよね。本当にすごいことだと思いますし、私の所属部署は声優になりますがその枠を飛び越えて、アーティスト楠木ともりとして、他のアーティストさんと一緒にイベントができるのはすごく珍しいことだと思います。ファンの方にとっても自分にとってもいい時間を過ごせたらいいなと思っています。
──今回Cö shu Nie 、TOOBOE 、ハルカトミユキ、meiyoに出演していただくことになった理由や、それぞれのアーティストの方の印象や提供された楽曲についての感想などお聞かせください。
Cö shu Nieさんは、レーベルのスタッフさんとは「偏差値が高いアーティストだよね」という話をずっとしていました。音楽的にそこにしっかり衝動はあるけど、俯瞰して音楽をしている感覚がある方々なのかなという印象があります。楽曲を聴いていてもグロテスクなんだけど、そこに美しさがある、みたいな。サウンドもロック、バンド系で、元々、打ち込み系のサウンドからバンドに編曲されているところもあって、オリジナリティや唯一性みたいなものをお持ちの方だなと思っています。
TOOBOEさんは元々、ボカロ系のカルチャーから始まっている方ですが、TOOBOEさんの声が好きで。渋いなと(笑)。ボカロ系(音声ソフト「VOCALOID」で制作された楽曲)の曲というとポップな印象があると思いますが、ポップだったり、キラキラした方向に振るのではなく、こじれているところ、反骨精神みたいなところがすごく共感できますし、そこにも唯一性があっておもしろい方だなと。以前、私がやっていたラジオ番組のゲストに来ていただいた時、「自分は陰キャなんで」とよく言うんですけど、趣味についてや、仲間としゃべっている時はすごく楽しそうで。明るさも暗さも知っている人だからこそ書ける曲だなと感じています。
ハルカトミユキさんは、私が中学生の時に初めて音楽に触れた方で、一つの事柄を考え尽くしている方々だなという気がします。歌詞を読んでみても「そんなこと普段は考えないけど、言語化されると確かにそう思うな」というニッチな説得力がある方々だなと思っています。サウンド面でもちょっとシューゲイザー(エフェクターを多用することでよく足元を見ながら演奏するスタイルが語源で、幻想的で浮遊感があるギターサウンド)ぽかったり、オルタナロック(主流のロックとは異なるアプローチで作られた型にはまらないロック)だと思いますが、空気を変えて、すっと心に入ってくるようなサウンド感や歌詞で。私の中の音楽観を作ってくださったアーティストの中の一組です。憧れに近いものがありますし、新譜が出るたびに聴いていますし、中学時代に聴いていた曲も何度も聴き返してしまうアーティストさんです。
meiyoさんはお仕事で出会った方で、以前から参加しているコンテンツの『バンめし♪』で、ライブの時のサポートメンバーでドラマーとして参加されていました。だから私の中ではドラマーという印象だったのに突然バズって、今では注目されるアーティストになって。印象的だったのが「バズろうとして曲を作ろうと思っている」とおっしゃっていて。meiyoさんはドラムをやられていることもあって、バンドサウンド系の音楽を作られていて、そこから段々と打ち込み系に発展していって、サンプリングしたり、声を重ねたりというmeiyoさんスタイルが徐々に確立されていくのをずっと見ていました。その柔軟性や音楽に対しておもしろさを感じている点が素敵だなと思っています。私にとって音楽ははけ口というか、自分の言いたいことを言うためのツールですが、meiyoさんはクリエイトすることを楽しんでいる印象があって、柔軟に音楽に対応していくところがおもしろくて、魅力的なアーティストさんだなと思っています。
TOOBOEさんは元々、ボカロ系のカルチャーから始まっている方ですが、TOOBOEさんの声が好きで。渋いなと(笑)。ボカロ系(音声ソフト「VOCALOID」で制作された楽曲)の曲というとポップな印象があると思いますが、ポップだったり、キラキラした方向に振るのではなく、こじれているところ、反骨精神みたいなところがすごく共感できますし、そこにも唯一性があっておもしろい方だなと。以前、私がやっていたラジオ番組のゲストに来ていただいた時、「自分は陰キャなんで」とよく言うんですけど、趣味についてや、仲間としゃべっている時はすごく楽しそうで。明るさも暗さも知っている人だからこそ書ける曲だなと感じています。
ハルカトミユキさんは、私が中学生の時に初めて音楽に触れた方で、一つの事柄を考え尽くしている方々だなという気がします。歌詞を読んでみても「そんなこと普段は考えないけど、言語化されると確かにそう思うな」というニッチな説得力がある方々だなと思っています。サウンド面でもちょっとシューゲイザー(エフェクターを多用することでよく足元を見ながら演奏するスタイルが語源で、幻想的で浮遊感があるギターサウンド)ぽかったり、オルタナロック(主流のロックとは異なるアプローチで作られた型にはまらないロック)だと思いますが、空気を変えて、すっと心に入ってくるようなサウンド感や歌詞で。私の中の音楽観を作ってくださったアーティストの中の一組です。憧れに近いものがありますし、新譜が出るたびに聴いていますし、中学時代に聴いていた曲も何度も聴き返してしまうアーティストさんです。
meiyoさんはお仕事で出会った方で、以前から参加しているコンテンツの『バンめし♪』で、ライブの時のサポートメンバーでドラマーとして参加されていました。だから私の中ではドラマーという印象だったのに突然バズって、今では注目されるアーティストになって。印象的だったのが「バズろうとして曲を作ろうと思っている」とおっしゃっていて。meiyoさんはドラムをやられていることもあって、バンドサウンド系の音楽を作られていて、そこから段々と打ち込み系に発展していって、サンプリングしたり、声を重ねたりというmeiyoさんスタイルが徐々に確立されていくのをずっと見ていました。その柔軟性や音楽に対しておもしろさを感じている点が素敵だなと思っています。私にとって音楽ははけ口というか、自分の言いたいことを言うためのツールですが、meiyoさんはクリエイトすることを楽しんでいる印象があって、柔軟に音楽に対応していくところがおもしろくて、魅力的なアーティストさんだなと思っています。
──皆さんとは実際にお会いされたことはありますか?
皆さんに楽曲提供していただいたタイミングでお会いしています。実際にお会いした時も私が抱いていたイメージ通りでした。meiyoさんとは楽曲提供前から一緒にお仕事していたので、割愛させていただいて(笑)。
Cö shu Nieさんと最初にお会いして「楽曲をどうしようか」という話をしている時に、私が子供の頃、どんな子だったのかを知りたいと、ずっと質問されて「こんなことがありました」とか「こんなことを感じていました」みたいなことをお話ししたのを覚えています。人をプロファイルして楽曲提供するという細かいところから詰めていく方なんだなと。楽曲は毒があって、ドラマチックな部分もありますが、中村未来さんはLINEでやり取りしているとすごく丁寧で、ちょっとギャルっぽいかわいさも感じて(笑)。最初はお二人のアーティストイメージにはあまり人間味を感じていなかったんですけど、実際にやり取りしてみて、むしろ「めっちゃ人間味があるんだな」といい意味で印象が大きく変わりました。
TOOBOEさんはどういう人なのかまったくわからないミステリアスな印象があって。ジャケットも基本的に無表情が多いので、「この人、笑うのかな?」と(笑)。でもお話ししてみたらすごく楽しい方で、「仲良くなれそう」と感じたのを覚えています。
ハルカトミユキさんは以前、ライブを観たことがあって、MCも聴いていたこともあって、実際に会った時もイメージが変わらなかったです。本当にいろいろなことを考えているけど、それを穏やかに受け入れつつ反発して生きている、みたいなお二人だなと思いました。
Cö shu Nieさんと最初にお会いして「楽曲をどうしようか」という話をしている時に、私が子供の頃、どんな子だったのかを知りたいと、ずっと質問されて「こんなことがありました」とか「こんなことを感じていました」みたいなことをお話ししたのを覚えています。人をプロファイルして楽曲提供するという細かいところから詰めていく方なんだなと。楽曲は毒があって、ドラマチックな部分もありますが、中村未来さんはLINEでやり取りしているとすごく丁寧で、ちょっとギャルっぽいかわいさも感じて(笑)。最初はお二人のアーティストイメージにはあまり人間味を感じていなかったんですけど、実際にやり取りしてみて、むしろ「めっちゃ人間味があるんだな」といい意味で印象が大きく変わりました。
TOOBOEさんはどういう人なのかまったくわからないミステリアスな印象があって。ジャケットも基本的に無表情が多いので、「この人、笑うのかな?」と(笑)。でもお話ししてみたらすごく楽しい方で、「仲良くなれそう」と感じたのを覚えています。
ハルカトミユキさんは以前、ライブを観たことがあって、MCも聴いていたこともあって、実際に会った時もイメージが変わらなかったです。本当にいろいろなことを考えているけど、それを穏やかに受け入れつつ反発して生きている、みたいなお二人だなと思いました。
──今回出演される4組のアーティストさんからの楠木さんへの提供楽曲のリリックビデオを視聴しましたが、どの曲も歌詞が生っぽくて、心にチクっと、あるいはグサっと刺してくるような内面に触れてくるような感じがしました。
たぶん私がそういう曲をお願いしたこともあると思いますし、皆さんも元々そういう楽曲を書かれていて、そこが好きでお願いしているので、結果的にそうなったのかなと思います。そもそも私が普段聴く曲もハルカトミユキさんからガラっと変わったんです。それまでは流行っているJ-POPや親から勧められた曲を聴いていましたが、ハルカトミユキさんに出会ってからは歌詞の意味合いが強い曲を聴いて何年も過ごしてきました。そういう曲が好きで、そこに共感してくださったのもあると思うし、それを求めているのかなと察してくださって、こうなったのかなと思います。