──今作ではすでに配信リリースされてる、「翼なきもの達」、「涙腺グルグル」、「やっちゃえ！」も、すごいフックになってますよね。
カタルそうなんです。どの曲もコロナの最中で作って、ライブでやってきた曲だから、思い入れもすごくあるし。アルバムにも馴染んでくれてると思います。
──これらの3曲は新録ですが。コロナの大変な時期を乗り越えてきた楽曲たちであり、ライブでもすでにお馴染みになってる曲を改めてレコーディングをしてっていうのは、どんな気持ちでした？
アツシやっぱり思い入れのある曲だし、時代時代の良いキーワードになってるんじゃないかと思うし。「涙腺グルグル」とか、ライブで歌ってる中で歌詞もちょっと変わってて……。
ナボえ!? 歌詞変わってんの？
アツシうん、歌詞カードには載せなくていいけど、ライブで「バカヤロー！」って言ってるのを今回入れてるの。
ナボ歌詞の変更があったら言ってよ！ 俺、ブックレットをこんなに一生懸命作ってるのに何も聞いてないから、いますごいムカついてるんだけど(笑)。他に変わったところはない？
アツシないと思う。
ナボちゃんと確認しないとあっちゃん、最終的に決まった歌詞と違ったことを歌ってる時あるからね。「ロティカ 3つの誓い」は、「ロティカ 3つの違い」って書いてあったし(笑)。3つの違いって、間違い探しじゃないんだからさ。
「涙腺グルグル！」歌詞動画
──あはは。「ロティカ3つの誓い」は、「永遠ピエロ」とか「飾らないままに」とかのシリアス路線で、アルバム後半にバシッと入ってるのがすごく良いです。
カタルあっちゃん、そういうところあるからね(笑)。
RYOあの曲は最初、ギターと歌だけで、バンドインが後ろの方じゃないですか？ あれも斬新で良いですよね。
──うん、ライブの画が見えたし、早くライブで見たいです。
ナボあっちゃんとカタルの掛け合いのところとか、絶対にライブで再現出来ないから、それも楽しみですね(笑)。あと、「ニンニクマン」の＜ニンニクニクニク ニンニクニクニク＞の早口のところも、絶対に言えない。あの曲を作った時に、「ライブで絶対歌えないだろうな」と思って作ったから。
──イジワルだなぁ！ 僕も楽しみですけど(笑)。
ナボ「ニンニクマン」はスイカマンみたいに衣装もあるんだけど、あっちゃんが着てみたら衣装が重すぎて、全然動けなかったの(笑)。
アツシあれは誰が着たって動けないよ！
──衣装が重すぎて動けないし、歌は歌えないし、なにも良いところが無いじゃないですか(笑)。「ニンニクマン」の衣装以外で、特に苦労した曲はありましたか？
ナボどの曲というより、あっちゃんが歌えない中で作業を進めなきゃいけないことが大変だったよね。「俺達は◯◯◯◯◯◯◯◯の子」はカタルが作ってきた時、もっとゆっくりした曲だったんだけど。レコーディング間近にあっちゃんが元気になってきて、「もっと速い方がいい」って言うから、それまで考えてたドラムのフレーズからガラッと変わって。
カタル“アントニオ猪木”っていうのも、あっちゃんメモにあった言葉で。いま、このタイミングで歌いたいんだろうなと思って作った曲だったんだけど……。
ナボ曲が出来たらあっちゃんがLINEで、「歌える自信がありません」って言い出して、なんだよぉ！ と思った(笑)。
カタルそれでよくよく聞いたらテンポの話で、「ゆっくりすぎて歌えない」ってことだったから、テンポアップしたの。
──あっちゃんは猪木さんが亡くなって、思うところもありましたか？
アツシ猪木さんが病気の時、猪木好きの友達と「心配だね」なんて話してて。「やっぱり俺たちは猪木の子だな」と思って、キーワードが浮かびましたね。大人の事情で、タイトルに“アントニオ猪木”ってワードが使えないんで、伏せ字のタイトルになってますけど。何が歌いたかったかは、聴いてもらえば分かると思います。
──あと、あっちゃんに聞きたいのは、「夏・心・39才」。「夏・ナンシー・16才」、「夏・渚・17才」、「夏・スイカ・27才」に続く夏シリーズも39才まで来ました。
アツシそれくらいが一番抱きどころかな？って(笑)。その想いだけで書きました。ウチのライブに来る女性は、それくらいの年が平均なんで、みんなに捧げたいですね。「俺はいまでも君を愛してる、もちろん夏のように」って。ま、結局フラれるんですけど(笑)。
──スケベ心も「井上篤物語」では、重要な要素ですからね(笑)。
ナボでもホント、今作は今まで以上にあっちゃんの私的な歌詞になってるよね。ダ～メだよ、来年あっちゃんの還暦ソロアルバム出したいと思ってるんだから、残しておいてもらわないと！
アツシじゃあ、もう一回寝るよ。寝て練る(笑)。
ナボ今回、ブックレットに『ピエロイズム』を形成しているものをあっちゃんに書いてもらったんだけど、これを見ると、アルバムの曲がどういう思考で出てきたかが分かりやすいと思うよ。
──(ブックレットを見ながら)お～、これは良いこと思いつきましたね。これ見ながら聴くと、あっちゃんのことをもう一個深いところで理解しながら聴けますね。面白い！
ナボジャケットは、こうやって座ってる猪木さんの写真があって、そのオマージュなんだけど。
NEW ALBUM『ピエロイズム』ジャケット写真
──これもめちゃくちゃカッコいいです！ 猪木イズムを継ぐ、猪木の子のピエロイズムというね。コンセプトを先に決めてあるから、ジャケット含めてアルバム全体の統一感もありますよね。
ナボま、ブックレットも歌詞カードは全曲コード付きの歌本仕様にもなってるし、ボーナストラックも含めて、みなさんアルバムの発売を楽しみにして下さい。
──そして5月からは、そんな最新アルバム『ピエロイズム』を掲げての東名阪クアトロツアーが控えています。
カタルまだ、どの会場もチケットが残ってるんです。すごい良いアルバムが出来たから、みんなにはライブも、もうちょっと楽しみにして欲しいんだけど(笑)。
ナボまだ、みんなアルバムを聴いてないからね。「どうせいつもの感じでしょ？」とか思われてるんじゃない？
RYO良い意味でみんなの予想を裏切るアルバムになってると思うんですけどね。
──アルバムもしっかり宣伝して、クアトロツアーも大成功させましょう！ そして、10月29日(日)には、日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブが控えています。
アツシ夏の野音のニューロティカは見せたので、秋の野音はどんなニューロティカを見せられるのか？ どんな景色になるのか？ 「あの景色を見せてやる！」じゃなくて、どんな景色になるのかをみんなと一緒に味わいたいですね。あと、秋の野音はどんな虫が来るのか？ 全員で虫を捕まえましょう。ライブ中に鈴虫10匹捕まえたら、なにかプレゼントとかやろうか？(笑)。
カタルあはは。でも、くじ運だけは良いバンドなので。「今年も野音やれたらいいな」と思っていたら、また出来ることになったのは本当に嬉しいですね。
ナボあと、「元気なあっちゃんをいつまで見れるか分からないよ？」っていうのを伝えたいんだけど。どう伝えたら良いかだよね(笑)。
アツシ糖尿病の検査結果でも発表する？
ナボでも、数値が良くなってきちゃってるじゃん。健康だったらなによりだから、それじゃ来てくれないよ。
アツシじゃあ、悪かった時の検査結果だけ見せようか？(笑)。
──あはは。そんなこと言ってないで、これからもニューロティカを長く続けていくためにも、これを機に生活習慣を改善して。万全の体調で野音を迎えて下さい！
アツシはい、頑張ります！全力で生きて行くしか脳がない、ピエロの生き様を見に来てください！
