シンガーソングライター・れんが、音楽活動1周年記念ワンマンライブを東京・大阪で開催。「僕の気持ち、情熱、全部受け取ってほしいです」

インタビュー | 2022.08.29 18:00

──Twitterで「儚くて悲しい詞が降ってくることが多い」とおっしゃっていましたが、その理由というと?

それは僕がそんなにポジティブじゃないからですね(笑)。ふとしたことをきっかけにいろいろ考え込んでしまうし、物事を納得できるまでじっくり考えないと気が済まないタイプなんです。そういうところが歌詞にも出てるのかな。「赤」もずっと心のなかでふつふつとしていたことが爆発したというか、突発的にバーっと書いて2時間ぐらいでできた曲なんです。

──歌詞は女性視点のラブソングもあればご自身の思考を落とし込んだもの、アレンジは様々なジャンルのものに挑戦なさっていたりと、様々な角度から物事を切り取り、曲に落とし込んでいるのも特徴的だと思います。

やっぱり同じ曲調ばかり、同じ内容のものばかりだと、僕は飽きちゃうので。自分のなかから自然に生まれてくる曲もあれば、「こういう感じの曲いいな」と思うものからインスパイアされて生まれる曲、日常の出来事と影響を受けたものが組み合わさることで生まれる曲もあるから、おっしゃっていただいたようないろんなタイプの曲ができてるのかな。物事はいろんな角度から見つめたほうが視野も広がると思うので、それを曲で訴えかけているところもあるのかなと思います。

──その多彩さも、あくまでご自分のポリシーから生まれているということですね。多彩に見せたいというよりは、多彩でありたいという思いが強い。

うんうん、そうですね。それはあると思います。

──そしてニューシングル「ゆらせ」、また新境地の楽曲になりましたね。「自分の気持ちに正直に行動してほしい」という思いを込めた応援ソングとのことですが、なぜそういう曲を作ろうと思われたのでしょう?

SNSが発達したことでやりたいことを表現する場は増えてきていると思うんですけど、外野の人たちにいろいろ言われたりすることがないわけではないと思うんです。その影響で「わたしなんかには多分できない」や「俺なんかがやったらバカにされるし」みたいに、やりたくても勝手に自分で無理だと思い込んで目を背けちゃう、やりたいことに対して強制的に遮断してしまう人たちが多いなと思って。そんな言葉には耳貸さなくていいから、自分がやりたいことを胸張ってやり続けてほしいんです。僕自身が本当にやりたい!と思ったことに対して、すぐ行動しちゃうタイプなので。

ゆらせ (Music Video)

──れんさんは新しいことに踏み出したら自分の世界が変わることも知っているし、ネガティブに考えてしまうことがあるからこそ、「自分なんかが」と思ってしまう人に訴えたいということですね。

僕のことを応援してくれているファンの方から「音楽をやってみたいけど、自分なんかにはできない」と言われることがよくあって。でも僕はファンの方に支えてもらっているし、皆さんがいてくれるから制作意欲も湧くんです。僕に寄り添ってくれる方に、僕からも力を貸したい。寄り添えあえたらと思ったんです。僕はこれまでずっと自分の直感に任せて生きてきたけれど、自分でやると決めたことはやり続けられるし、頑張れるなと実感していて。人に決められたことは、ちょっと何かあるとどこかで人のせいにしちゃうし、気が緩んじゃったりもするんじゃないかなって。

──言われてみるとたしかに。そうですね。

「本っ当にこれだけは譲れない!」というものや、自分で進むと決めた道なら、頑張れると思うんですよね。自分がやりたいことを僕はやれてるからこそ「やりたいことをやったらこんなに楽しいよ」と伝えられるし、「ゆらせ」はサッカーをやっていたからこそ書ける、発することができる情熱的な歌詞だとも感じていて。今までの経験も踏まえて僕は音楽ができている。その良さを知ってもらえたらと思ったんです。

──音楽に充実を感じているれんさんにも、歌詞に書かれている《壁》は存在しますか?

見える壁も見えない壁もありますね。この先僕がどうやって活動するべきか、どんな曲を作っていくべきかもまだはっきりとはわからないし、曲が書けなくなる日が来るのか、この先喉を壊さずに済むのかどうかもわからない。だから今やれることをとにかく精いっぱいやっている状況で。後悔しないように今を生き尽くそうとしています。自分を鼓舞できる曲でもありますね。

──れんさんはソフトで優しい歌声が生きる曲も多いですし、エネルギーの強い燃え滾るような楽曲の「赤」も歌声がクールで。でも「ゆらせ」はしっかり目標を見定めるような落ち着いた強さと、情熱を感じる歌声ですよね。それも新しいアプローチだと思いました。

わあ、すっごいうれしい。僕がフラットに歌うと、まさに「ゆらせ」みたいなエッジボイスが出たり、吐息多めの歌い方になるんです。「嫌いになれない」や「赤」でも歌い方のクセは抑え目にしていたんですけど、「ゆらせ」は「感情的な歌い方でもいいんじゃない?」という助言もあって、自分のクセも感情も全部さらけ出すように歌いました。僕の声のいいところを伸ばすための追求はこの1年でもどんどんやれていますね。

──「ゆらせ」は新機軸でもあり、れんさんの人間性がさらに濃く反映された曲でもある。ライブで歌うと、また新しい感覚が生まれそうですね。

そうですね。今まではバラードが多かったので、みんなも飛び跳ねて聴いてもらえると楽しいんじゃないかなって。

──れんさんはライブのことになると、真っ先にお客さんのことを話されますよね。「みんなに会える」や「みんなが前にいるだけでこんなに気持ちよく歌える」などなど。

今年の春に高校卒業記念として開催したワンマンライブがほんとに楽しかったんです。僕のためだけに来てくれるお客さんを目の前にして歌えるので、その気持ちよさや達成感をすごく感じられたんですよね。ライブはSNSや配信を通じてずっと視聴してくださっているファンの方に会える場所だから気持ちも入りますし、みんなの笑顔やキラキラした瞳を見ながら歌える唯一の空間なんです。「みんなも僕も楽しみなもの」っていうウキウキ感がライブにはありますね。

れん ONLINE SHOWCASE LIVE 2021 at Zepp Haneda(TOKYO) 【YouTube Music Weekend】

──東阪で開催される音楽活動1周年記念ワンマン「1st Anniversary Tour ~ゆらせ~」も素敵な1日になりそうですね。

来てくれた人全員にしっかり届けます。一人ひとりの目を見るぐらいの勢いで、なおかつ自分の曲、自分の歌を聴いてくれる感謝を込めつつ、精一杯歌いたいと思っていますね。前回の初ワンマンは弾き語りとピアノのスタイルだったんですけど、このワンマンはバンド編成でお届けする予定ですし、現時点でも初ワンマンの頃にはできなかった歌い方や曲も増えていて。前回来ていただいた方も新鮮に楽しめますし、僕のライブに来たことがない、ライブに行ったことがないという方でも、ほんとに楽しめるライブをします! 僕の気持ち、情熱、全部受け取ってほしいです。

──ちなみにれんさんは、立ちたい会場はありますか?

日本武道館ですね。音楽の聖地としても絶対に行きたいという目標だし、通過点にしたい――それくらい思ってないと届かない場所だとも思うんです。武道館ライブを実際に観て「あのステージに立って歌えるって相当気持ちいいだろうな」と思ったけど、まだ全然自分では想像できなくて。自分ができること着々とやっていくなかで、自分が日本武道館という場所でもちゃんと歌を届けられる人になったときに立てたらなと思っています。だからやりたいことは、どんな会場でも変わらないんですよね。一人ひとりにしっかり届けられるアーティストになりたいです。

──楽しみにしています。SNSを見ていると、曲作りもコンスタントに進んでいるようですし、今後もたくさん新曲が聴けそうですね。

そうですね。まだ出してない曲も何曲もあります。

──個人的には2022年6月につぶやいていた「作りながら泣いた」という曲がどんな曲なのか気になっていて。

その曲はTikTokにかけらをアップしてピン留めしてるんですけど、まだフルできてないんです。作ろうとすると泣いちゃって作れなくて……(笑)。

──あははは。とても素敵なエピソードですね。

「嫌いになれない」超えを目指してます!(笑) 音楽に詳しくない人でも、聴いて「なんかいいな」「心地いいな」「歌詞に共感できるな」と思ってもらえる要素がある曲はいい曲なんじゃないかなと思うので、そういう曲を作っていけたらいいなと思っていますね。

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