──横浜銀蝿40thがついに始動！ 2020年、リリースやツアーの予定がどんどん決定してますが、今のお気持ちは？
翔(Vo&Gt)横浜銀蝿デビュー40周年ということで、Johnnyを加えたオリジナルメンバーでの活動が始まるんだけど。それが出来ることが嬉しくてしょうがないです。Johnnyは高校時代、初めてバンドを組んだ時のメンバーだし。オリジナル曲を作って、プロになってという経験を一緒にして来てるからね。「ファンのために」と言いたいところだけど、これはファンのためというより、俺たちがやりたかったこと。俺たちも60歳になって、この年になったら好きなことしたいからね。だから、俺たちの祭りがファンの祭りになってくれたら良いなと思うし。みんなの子供や若い世代に「これが横浜銀蝿だ！」って、俺たちのサウンドを聴かせられるのがすごく楽しみだね。
──ひと足先にアルバム収録予定の新曲を何曲か聴かせていただいたんですけど、Johnnyさんのギターも20年以上弾いてなかったと思えないほどキレキレでめちゃくちゃカッコ良かったです！
翔ギターじゃなくて、ゴルフクラブばかり握ってたらしいけどね。
Johnny(Vo&Gt)あはは。でもやっぱり楽しいですよ。10代の頃、翔くんと初めてバンドを組んだ頃って、自分たちのやりたいことを好きにやってるだけじゃないですか？ それが職業になって、解散後は僕はレコード会社の社員になって、ビジネスとして音楽と関わってきて。「俺の音楽人生はこうやって終わるんだな」と思ってたところに、翔くんに誘ってもらって。いま高校生の気持ちになって、好きなことをやれて、音楽人生の原点にまた戻れてるのが本当に嬉しいし、楽しくて。誘ってくれた翔くんとメンバーに感謝しています。
──40周年を目前に再会して、再び一緒にバンドがやれるという流れは運命というか、何かに導かれているような気さえしますね。
翔銀蝿のディレクターだった水橋（春夫）さんが亡くなって、偲ぶ会で何十年ぶりかにJohnnyと会って。水橋さんが「もう一度、一緒にやりなよ」と言ってくれた気はするよね。あとは83年に解散した後も、みんなが音楽から離れずにそこにいたから、また合流出来たところもあって。Johnnyはプレイ以外で培ってきた知識もあるし、TAKUも他で経験してきたことがあって。それを全部、銀蝿に持ち寄れるのが、横浜銀蝿40thの強みだと思う。弱みは体力が無くなってることくらいかな？（笑）。
──久しぶりに4人で音を合わせての感想はいかがでした？
翔今年の3月くらいに集まってリハしたんだけど、Johnnyは全然弾けるし、すごく楽しかったよ。Johnnyしか鳴らせないサウンドって絶対あるから、嵐さんのサポートをしてるドラマーも「Johnnyに引っ張られる」と言ってたりして、全然心配すること無かったな。
Johnnyそう言われると、だんだんプレッシャーになっていく（笑）。
翔あと、TAKUがよく言ってるんだけど、「Johnnyが加わったことで役者が揃った」って感じはあったよね？
TAKU(Vo&Ba)銀蝿は83年に解散して、98年に復活してるんだけど。そこから20年経ってるんだよね。20年続けると知らない間に何かが変わったり何かを得たり、逆に煮詰まることもあるんだけど。ここに来てJohnnyが風穴を開けてくれたというのはすごく感じます。
嵐(Vo&Dr)僕は今年64歳なんだけど、年相応に体が壊れてきてて。この4人でやりたいって気持ちはずっとあったから、死ぬ前にこの4人が揃えたことが本当に良かったよ。まだ死ねないね（笑）。
TAKUでも、Johnnyが来てから、嵐さんが目に見えて元気になっていて。食欲もあるし、いきいきしてるんだよね。
──いま、曲作りやスタジオの雰囲気はいかがですか？
翔曲作りもスタジオも楽しいよ。昔は家にいきなりやって来て、「こんな感じ」ってギター弾いて、「お、いいじゃん」ってノリで曲を作ってて。才能溢れてたっていうか、どんどん曲も出てきたけど。あれから40年が経って、俺たちが「仏恥義理」って歌って、次の人が「仏恥義理」って歌っても誰も驚かないように、言葉やメロディが日本や世界で出尽くしちゃってるでしょ？ だから、あの頃みたいに軽いノリで曲は出来ないけど、Johnnyがデモを作ってきて、みんなでアレンジしてっていう作業はやっぱり楽しいよね。
──ドラマ『今日から俺は！！』で「男の勲章」が再注目されたり、横浜銀蝿がいまも聴かれ続ける理由に曲の良さがあると思います。
翔メロディメーカーだったと思うし、言葉もすごく探したし。悩んで苦しんで曲を作ってきた甲斐があったね。フェスに出演した時に「男の勲章」を歌ったら、子供たちが一緒に踊って口ずさんでくれてさ。小学生なんて50個下だよ？（笑）。その光景を見て、奇跡だと思って感動したよ。「これ、（嶋）大輔の歌じゃねぇぞ！」ってちゃんと言っておいたけどさ、悔しいから（笑）。でも、音楽の力って凄いなと思ったし、銀蝿で歌い続けてこれたことが誇らしかったな。
Johnnyデビューした時代は校内暴力とか暴走族全盛で、その時代背景があって横浜銀蝿が出てきて支持されて。３年前でも３年後でも時代に合ってなかったと思うんです。それって実力だけじゃない、運や状況もあったと思うんだけど。あれから40年経って、いま「男の勲章」が注目されたり、80年代がフィーチャーされてて。追い風が来てる中で、横浜銀蝿40thが登場するってのは俺たち、やっぱり持ってるなと思うし。若者たちも見てろよ！って感じです。
