無敵のロックンロールキング SPARKS GO GO【横山シンスケのライブオアダイ】連載：第9回

先日、ある若手のバンドが沢山出るライブを見に行った時の事。
バンドの転換時に次のバンドが始まるのをフロアで待ってたら、そばにいた若い男性のお客さん二人が好きなバンドとかの会話をしていた。
ワンオクとかWANIMAとかマンウィズとか、今人気の若手バンドの名前が次々と出てくるのを何となく横で聞き流してたんだが、その会話の中で突然、
「それでスパゴーがさあ…。」と言うのが聞こえた。
「スパゴー」というのはSPARKS GO GOの愛称だ。

「えっ？スパゴー！?･･･。今この男のコ、スパゴーって言ったよな！？」

若いロック好き男性二人のワンオクとかWANIMAとかの会話の流れにスパゴーが出てくる訳ないと思いながらも、気になってしまい、聞き耳を立ててると、今度はハッキリと「スパゴー」と言ったのがわかった。

そのあと、偶然にもその男性二人と話しができるキッカケがあったので、凄く気になってたので思い切って「すいません、さっきスパゴーの話、してませんでした？」と聞いてみた。

それでわかった事は、その男性二人は大学生で、そこに出てきた「スパゴー」は、まさしくSPARKS GO GOの事で、その一人の男性のお父さん（多分、僕と同じ世代）がロック好きで、そのお父さんのCDを色々チェックして聴いてたら、その中のスパゴーのCDが一番気に入って、最近ライブにも行ったという事だった。そのお父さんのCDの中には、ユニコーンやブルーハーツなど、いわゆる当時の人気バンドのCDも沢山あったのだが、「ダントツでスパゴーがよかった」という事だった。
僕はその話になぜかえらく納得と感心をしてしまい、その大学生男子に「センスいいですね！」と言ったのだった。

SPARKS GO GOは不動の3人のメンバーで活動し続ける、27年目となるトリオロックバンドだ。

スパゴーは27年間、ずっと日本のロックシーンのド真ん中にいる。そして、ずっとカッコいい。27年間、3人の音がブレた事は一度もない。
ロックが好きな人なら若者でもシニアでも、このたった3人から放出される骨太な轟音ロックンロールグルーヴを聴いたら、みんな一発でノックアウトされる。そして、そのノックアウト記録は27年間、ずっと更新され続けている。
スパゴーはそんな無敗のロックトリオなのだ。

だから、今のロック好きな大学生が、何の先入観も持たずに、数ある昔の人気ロックバンドの中でスパゴーを一番気に入って、それから27年経った今も変わらず精力的に続けるスパゴーの骨太轟音ライブを見に行って、すぐに現役のファンになったというのは、ロック好きにとって自然で当然の流れなのだ。

■SPARKS GO GO「スワロー」MV

今年の9月に出たスパゴーのアルバム「ELBOW DROP（エルボードロップ）」は素晴らしかった。
スパゴー王道のゴリゴリなロックナンバーの名曲の数々のほかに、アコースティックや打ち込みなど、バラエティにとんでいて、聴いてて年甲斐もなくワクワクしてしまった。そして同時に、スパゴーの50歳を過ぎてますますグイグイと攻めてくる、キレッキレの楽曲群に、同世代として「これは負けてられないなあ…」と、気持ちを奮い立たせてくれる最高のアルバムだった。

その「ELBOW DROP」レコ発の全国ツアーは先日、無事大盛況で終わったばかりだが、なんと早くも1月からスパゴーの東名阪ツアーが行なわれる。なんかここに来て凄い事になってきてるぞスパゴー。

老いも若きもすべてのロックファンは、27年目にして更に脂が乗ってきた、脅威の無敵のロックンロールキングに、勝負を挑みに行くなら、今が最高のタイミングだ。

■SPARKS GO GO「ELBOW DROP」MV