パノラマパナマタウン・岩渕想太 「熱狂を追いかけて」 Vol.1

熱狂が好きだ。
映画で言うと、『ブルース・ブラザーズ』や『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』や『アンダーグラウンド』に見られる熱狂は胸が熱くなる。
演劇のクライマックスにキャスト全員が舞台に上がる瞬間、地元に帰って久しぶりに見たお祭り、M-1グランプリのジャルジャルの漫才など、生きていて熱狂を感じる瞬間はたくさんある。俺は、熱狂を感じると顔がほころぶ。涙がこぼれる。大きな喜びに包まれる。もしくは逆に、そういった感情になってからそれまで起きた一連の事象を「熱狂」と名付けているのかもしれない。まあ、この際順序はどうでもいい。とにかく俺は「熱狂」が大好きだ。
なぜ、こんなにも熱狂が好きなのか。答えはあっけないほど簡潔で、予定調和な毎日を壊してくれるものだからだ。型にはめられ、機械のようになってしまった感情を爆発させるものだからだ。いや逆に、そうした感情の爆発を、人間本来が心の底に持っている雄叫びを、まとめて「熱狂」と呼ぶのかもしれない。何度もいうが、順序はどうでもいいのだ。言葉が先か事象が先かといったことは。

俺たちは2月から行うツアーを「HEAT ADDICTION TOUR」と名付けた。「熱狂中毒ツアー」のような意味である。退屈な日常から飛び立って、我を忘れ、俺たちもお客さんもみな感情を爆発させられる空間にしたいと思っている。全国12箇所を回る過去最長のツアーだ。同じことの繰り返しの毎日に疲れた人や、感情を思い通り吐き出せない人。俺がそうなのだが、そうした人の枷を外すライブをしたい。もちろん、何もしがらみもなくただ楽しみたい人も大歓迎だ。「熱狂中毒ツアー」で待ってます。