「これが銀杏BOYZです。っていう初心の気持ちでライブに挑みたい」峯田和伸、初の日本武道館公演を語る。

インタビュー／兵庫慎司

「銀杏BOYZは、これまでに積み上げてきたものを、積み上げる度にガシャガシャと壊してきました。だから、積み上げたものが何もないんです。そういう僕みたいな奴が日本武道館のステージに立っていいのかとも思ったけど、この日本武道館公演をスタート地点と思うようにして『これが銀杏BOYZです。これから よろしくお願いします』っていう初心の気持ちでライブに挑みたいと思っています」

峯田和伸が、2017年10月13日に初の日本武道館ワンマンを行うにあたって出したコメントである。結成から14年。武道館をやれる動員力は余裕であったのにやらなかった、それはやりたい気持ちがなかったからだ、と思っていたのだが、峯田に訊くと、武道館は悲願だったという。ただ、スケジュールなどの事情だけでなく、バンドのコンディションの面も含めて、これまでなかなか実現できなかったようだ。

2014年1月、メンバー3人の脱退を発表した直後にセカンド・アルバム『光のなかに立っていてね』をリリース。以降しばらくは峯田ひとりの弾き語りでライブを行っていたが、2015年8月30日、大阪のフェス『RUSH BALL』からサポート・メンバーたちが加わったバンド編成で始動。その後、二度のメンバーチェンジと一度の増員を経て、現在は山本幹宗(g)、加藤綾太(g)、藤原寛(b)、岡山健二(ds)、そして峯田和伸の5人編成。「恋とロックの三部作」であるニュー・シングル3枚のうち2枚目『骨』と3枚目『恋は永遠』は、その5人でレコーディングしている。

と、バンドとして固まってきたのも、武道館に踏み切れた理由のようだ。たとえば『骨』のカップリングには、2005年のファースト・アルバム収録の「援助交際」が「円光」とタイトルを変えてリメイクされて入っている。

「この曲は今ライブでやりたくて、でも、昔のままのアレンジではできなくて、おもしろくないから。メンバーとごはん食いながら音楽の話とかするじゃないですか。あ、この人はこういうのが好きなんだな、じゃあ『援助交際』を、今のこの５人が好きなモードで、無理しないでやれたらいいかな、と思って。『BABY BABY』とかは、ライブでやる時もほとんどアレンジ変えてないけど……アレンジを変えないでできる曲と、アレンジ変えないと今歌える気分じゃないって曲の2タイプがあって。『援助交際』は後者だったのかな」

ファースト・アルバムをリリースし、頻繁にライブを行っていた2005年以来、久々にバンドとして態勢が整った、勢いに満ちた状態にあるようだ。……いや、2005年の頃は勢いありすぎて、峯田、ライブで怪我ばかりしていたので、いまはもっと健全に、いい態勢になれている、と言えるかもしれない。

「そうだね、上向きだね。やっとかな、うん。もうちょい……まだライブは少ないからさ、やってきた本数はさ。前の銀杏BOYZの500本とかに比べたらね。まあこれからだなあ、みたいな。まず武道館だよね」

■銀杏BOYZ – 骨(MV)

■銀杏BOYZ – エンジェルベイビー(MV)