この連載も、早いもので最後の回となりました。
前回に続き、僕はまたしてもハイエースに揺られております。
車の中で出来ることなんてそんなに無いので、こういう機会をいただかなければ本当にすることがないのです。
ありがたく筆を取らせていただきます。(じゃあまず締め切りを守れ!)
僕が口にする「大人」というものの存在について。
十代の頃、僕は”それ”を避けて生きていた。
不良でも優良でもなかった学生時代、なぜか教師に目を付けられて何をするにもいちいち突っ込まれていた。
そのイライラを受け止めるために僕がとった策が、「あいつらは別の生き物なんだ。」と思い込むことだった。
そして、何に対しても不安定だったあの時期に、すべての矛先を向けられる格好の的だった。
全部、全部、あいつらのせいなんだと責任を押し付けるにはちょうどよかったんだ。
そんなこんなで、十代にしてある種のピーターパンシンドロームのようなものを患っていた。
そしてハタチを迎えた今、思い返せば気付いていたのかもしれない。
本物の悪者じゃなかったってこと、見透かされてたんじゃなくて、僕らのことを理解しようとしてくれていたんだってこと、あいつらも何かと戦ってるんだってこと。
ちゃんとした「大人」になるまでには、も少し時間がかかりそうだけど、もう片足踏み入れちゃってる。
だんだん器用になっていくんだけども、失くしちゃいけないもの、本当は分かってるはずだ。
僕も君も、後戻りはできないんだぜ。
■Shout it Out 「青年の主張」ミュージックビデオ